スウェーデンにあるテスラ販売店(24年5月、ストックホルム市内)
【フランクフルト=林英樹】
欧州で米電気自動車(EV)大手テスラの不振が続いている。スウェーデン自動車工業会は1日、3月のテスラ車販売が前年同月比64%減の911台だったと発表した。
オランダ、デンマークも6割減だった。1〜2月より減少幅は大きく、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に反発する不買運動が広がっている。
各国自工会によると、3月のフランスでのテスラ販売は3157台で37%減った。オランダは61%減の1536台、デンマークも66%減の593台にとどまった。ノルウェーは2211台で1%減だった。
スウェーデンの3月の新車販売は1%増の2万4204台、このうち電気自動車(EV)は1%増の8386台だった。全体が微増だったにもかかわらず、テスラは64%減と大きく減った。1月は44%減、2月は42%減でマイナス幅が広がった。
1月から欧州で主力の「モデルY」改良版の受注を始めたことによる既存モデルの買い控えが販売減に影響しているとも指摘されている。
ただ、スウェーデンではモデルYが62%減だっただけではなく、小型車「モデル3」も71%減った。
マスク氏の過激な政治的言動や右翼政党への支持表明などから、欧州ではテスラの不買運動が過熱する。
スウェーデンではテスラが同国内の修理工場などで働く従業員の賃金・福利厚生に関する労働協約の締結を拒否。23年11月にストライキが起きた経緯もあり、特に反発が強い。
欧州各地でテスラ車への放火事件が頻発している。3月31日にはイタリア・ローマの販売店で火災が起き、テスラ車17台が焼失した。
スウェーデンの販売店2カ所では同日、オレンジ色のペンキをまかれるなどの被害が出た。マスク氏はX(旧ツイッター)でローマの火災に触れ「テロリズム」と投稿した。
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