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ジーメンス財閥

2022-09-11 13:19:04 | 国際政治・財閥

ジーメンスとは、もともとはドイツのファミリーの名前です。 SIENSと書きますが、本社のあるドイツではドイツ語でジーメンスと発音します。 

ドイツ語では、Sは濁音になります。 Salzburug音楽祭も、ザルツブルグ音楽祭というでしょ。  



Siemensの場合、ローマ字読み、英語読みしてシーメンスでも世界中で通用しますが、正式にと言われるとジーメンスです。 私、ここで働いていたので間違いはありません。 

今、書いていて思い出しましたが、参議院議員・自民党の青山繁晴氏が、日本人はみんな間違っている、ジーメンスではなく、正しくはシーメンスと言ったyoutube動画を配信し、驚き呆れたことを思い出しました。



産業界の人たちからすぐに反論のコメントが多く出て炎上していました。 こんなのが、政権与党の国会議員なのだから、日本が衰退する筈です。

修正することなく、すぐに自分の動画削除されていました。学生さんなど一部の人は未だに信じている人もいると思います。 責任ある立場を自己認識し、発言は慎重に正しくお願いしたいと思います。




今日のジーメンス社は、1847年の江戸後期に、電機技師のウェルナー・ジーメンスが有能な機械工のヨハン・ハルスケと知り合い、さらに従兄のゲオルクが今でいうベンチャー投資というかたちで加わり設立された「ジーメンス・ハルスケ電信製造所」が始まりです。

1816年生まれのウェルナーは、若い頃に砲兵隊で電気の知識と技術を学び、1841年にはメッキ技術の特許を取得するなど、さまざまな技術に挑みました。



その最初の成功が、電信機の改良です。  それまでは、アルファベットを送信するのに26本の電線が必要でしたが、点と線で構成するモールス信号による機会を実用化し、一本の電線ですばやく送信できるようになりました。

この改良送信機は、1861年、当時のプロイセン(ドイツ)政府が派遣した東方アジア遠征隊の船に積み込まれ、日本に立ち寄った際に江戸幕府に献納されています。




つまり、今日の情報化時代の先駆けは、ジーメンスのこの通信機の発明が起点になっていると言っても過言でhないでしょう。

その後もウェルナーをはじめジーメンス一族は電信機の製造、電線の敷設、ガラス製造などの事業を手掛け、1849年のドイツ初の電線架設に続いて、1867年にはインド・ヨーロッパ電信会社を設立し、ロンドンから現在のパキスタン・カラチに至る電信網を完成させました。

さらに大西洋の海底電信線の敷設にも成功しています。




その後は、ジーメンスの企業としての基盤となった発電機、発電所、電動機、電気鉄道、電灯、半導体、電子部品、などを開発・製造するようになり、1897年には株式会社に組織変更、という具合に、いまでいう「ハイテクの旗手」ぶりをいかんなく発揮しています。

なみにジーメンスの半導体部門が分離独立してできた会社がInfineon(インフィニオン)社、電子部品部門が分離独立してできた会社がEPCOS(エプコス)社です。




空中には様々な周波数の電波が飛び交っていますが、今日のスマホ(携帯・無線通信機)に必須の部品が特定の周波数だけを取り出すRFフィルターと呼ばれるものです。 

SAWフィルターではSiemensの電子部品部門EPCOSと日本の村田製作所が世界シェアを二分しております。 よく中国のHuaweitokaサムソンのスマホが技術的にすごいという人を見かけますが、中国・韓国にこの部品を供給できる会社はありません。 




5Gのsub6ではBAWフィルターが使われますがSiemens(InfineonとEPCOS)は3Gの時代から製造経験があり、村田製作所は米国ベンチャー企業買収し追随、28GHzのミリ波では、LTCC-BPFが使われ、村田・EPCOS(現在、Qualcommに買収されRF360に改名)・TDKくらいしかまともに供給できないでしょう。


創業者ウェルナー・ジーメンスは、7人兄弟の長男として生まれています。 兄弟で直接事業に深く協力‣参画したのはウィルヘルム(1859年にイギリスに帰化、ウィリアムと改名)とカールの二人で、この二人はジーメンス社の多国籍企業化に大いに貢献しています。




ウィリアムは1843年にイギリスに渡り、本社の代理店業務などを行っていましたが、12年後にはジーメンス・ブラザーズ社を兄と協力し設立しています。 

その後、蓄熱反射炉の発明、平炉製鋼法(ジーメンス・マルタン法)の開発などにも成功。 こちらもウェルナーに負けず優れた技術者だったようです。




そのため、後にはイギリスでも有力な地位を築き、1883年にはナイトの称号を与えられています。

一方、カールは兄と共にロシアに渡り、ロシアの電信網の基礎をつくりあげ、サンクトペテルスベルグのジーメンス工場の責任者を経て、ロシア・ジーメンス・ハルスケ社を正式に設立しています。




つまり、ウェルナーとウィリアムは技術面で非凡さを示し、カールは経営の才に恵まれたということができるかもしれません。 


そのためか、20世紀に入ってからのジーメンス本体の経営も、カールの甥やその息子へと受け継がれています。






ドイツ銀行の設立

ジーメンス一族には非凡な才能に恵まれた人が多く、前述のウェルナーの従兄ゲオルクは、1870年にドイツ銀行を設立しています。 

同行は通常業務のほかに、一般事業会社が設置している監査役会に多くの人材を派遣し、経営を指導・監督したり、また、その持ち株の影響力ともあいまって、長らくドイツの金融界および産業界に君臨してきました。



 
このドイツ銀行は、ジーメンス社のメインバンクのみならず、最近では、ダイムラー・クライスラー・グループの合併を支援するなど、大企業再編についても主導的役割を果たしています。 

さらに、歴史あるロンドンのマーチャント・バンクの一つモルガン・グレンフェル銀行を傘下に収めるなど、ユニバーサル・バンクとしての地歩を築きあげています。 ドイツ銀行は、まさに「ドイツ株式会社」の中核機関であり、象徴的な存在です。




さらに、日本ではあまり知られていませんが、ジーメンス一族に見られるように、ドイツにはほかにも有力な財閥ファミリーがいます。 


BMWに関係するクアント家、食品を中心に多角事業を展開するオエティカー家の存在も重要です。





日本企業との提携

日本でジーメンス社の名が、ご一般の人々にも広く知られたのは、1914年(大正3)に暴露された、いわゆる「ジーメンス事件」で、今日でも教科書に載っているくらいです。

これは、当時の日本海軍高官が、無線装置などの軍需品をジーメンス社に独占発注させる見返りに契約代金の3.5~15%(といわれる)のコミッションを受け取ったとされる収賄事件のほか、種々の疑惑がもたれた事件であります。




捜査は海軍首脳や三井物産にも及び、同年三月、ついに第一次山本権兵衛内閣は、この事件の責任を取って総辞職に追い込まれました。

日本は相当以前から外資を受け入れ共存し発展してきました。 商社のジャーディンマセソン社に至っては江戸末期から明治前期にかけて日本に進出し、三井物産創設の際のモデルとなりました。 




このジャーディン・マセソン商会は、ロスチャイルドと縁戚にあり、清(中国)の阿片戦争で活躍した商社で、アメリカの南北戦争が終わり、大量の在庫ができた兵器が上海に流れ、特にロスチャイルドGrの兵器会社アームストロング社のアームストロング砲や銃などをジャーディン・マセソン商会が、グラバーを通じて、さらに坂本龍馬を通じて日本に売りつけたのは有名です。

そこで明治維新という日本国内で維新軍vs幕府軍の内乱が発生したわけです。





江戸末期の世界覇権はロシア帝国vs大英帝国。この両陣営が日本を植民地化しようとぶつかったのがこの時期です。 

狡猾な大英帝国は長州を金と女?で篭絡し、大英帝国の代理人として戦わせたのが日露戦争であり、この戦争で日本人兵士の戦死者は約9万人、大英帝国の人間の血は一滴すら流していません。 





そして、大英帝国の背後にいるロスチャイルドGrの兵器会社から日本は大量に兵器を買わされ、おまけに高金利。 ちなみに日露戦争で活躍した戦艦三笠もロスチャイルドGrの兵器会社ヴィッカース社製(英国籍)。 ロスチャイルド財閥のマネーゲームでもあったわけです。

この借金が完済できたのは、日本中がバブルで浮かれる1980年代後半。 この構造は今のウクライナと同じです。 この話は今回の投稿の主旨から少し外れるので、また別途お話しします。




日本は昔から外資を受け入れ共存し発展してきたという話から少し話が脱線してしまいましたが、ジーメンスとの提携に話を戻します。

1923年(大正12)、当時の古河財閥とジーメンス社が合弁で設立したのが富士電機製造(っ現在の富士電機)であります。社名の富士は古河財閥の「フ」とジーメンスの「ジ」をとり、富士山の意味を合わせてつけられました。 日本の情報通信企業の雄・富士通は1935年にこの富士電機から派生した企業です。

 


古河財閥
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1e943423625680ee36969aab2d9a6eec




第二次世界大戦後は、日独とも敗戦国になったこともあり、日独企業間の提携も途絶え、いつしかジーメンスの名も忘れかけたかに見えました。 

しかし両国とも経済再建に力を注ぎ、その成果が見えてくると再びジーメンスの活動が活発化し、日系企業との合弁事業が次々と開始され、また総合商社とのつながりも深化してきています。




例えば、ジーメンス社は住友商事およびNECとコンソーシアムを組み、ロシアが進めるモスクワーハバロフスク間およそ7500キロをデジタル・マイクロウェーブでつなぐ事業、総額248億円に「及ぶ巨大プロジェクトです。 

ロシアでのジーメンス社の活動は既に多くの実績を残していて、住友商事との提携によるこのプロジェクトの契約は1993年に結ばれ、その後、さんざんな難工事を乗り越え、1998年に全工事を終えています。




強力な三井物産との日独企業同盟

ジーメンス社と日系企業との関係で、とくに注目されるのは三井物産との包括提携です。 

この包括提携の本格的スタートは1991年に始まり、1995年からはジーメンス社と三井物産の首脳陣が交互に東京とミュンヘンに集まり、隔年ごとにトップ会合を開くところにまではってしていました。




現在、両社の提携分野は、通信、電力、車両、産業・医療機器などと実に幅広くなっています。

そして約10年間ほどで、両社による提携ビジネスの効果は約1500億円とされています。ただ、この関係は、他社をいっさい排除するというような閉鎖的なものではなく、中国やアジア諸国での発電プラントなどの受注合戦にみられるように、ジーメンスと三井物産がお互いしのぎを削りあっているケースも見られます。




鳴り物入りで発表されたダイムラー・ベンツ・グループと三菱商事をはじめとする三菱四社の包括提携が、立ち消えになってしまっただけに、ジーメンス社と三井物産との日独企業同盟は何かと目立つ存在っであります。 今後の具体的な案件としては、マレーシアでの複線電化鉄道建設プロジェクトなど共同であたることになっています。




今後はIT分野などにも積極進出

このように、日系企業との多角的なつながりをもつジーメンス社ですが、その雲梯には、表面上一族の名は上がってきません。 

しかし、当主格のフォン・ジーメンスをはじめとする総勢100人以上のファミリーは直接的に、あるいは財団などを通じて、ジーメンス社の株式を一割ほど所有しているとみられています。




近年、ドイツではディトマー・ホップ(SAP創設者の一人)らのハイテク富豪や、アルブレヒト一族などの流通富豪が続々と台頭し、歴史のあるジーメンス社およびその一族の存在感はともすれば薄まる傾向にあります。

しかし、ジーメンス・ファミリーの名声と影響力は揺るがず、ジーメンス社は穏然たるパワーを持ち続けています。




そして、「皿洗い機から原子力まで」と幅広い事業を展開する総合電機メーカーのジーメンス社は、今度はアメリカで医療コンピューター・システム分野に強いシェアド・メディカル・システム社を買収しIT技術で医療・保健分野を一段と強化しようとしています。 

また、近年は、事業の再構築を進める一方で、ジーメンス・ベンチャー・キャピタル(SVC)を設立し、情報通信・電力などに重点投資する方向を打ち出してきています。





・フィリップス財閥 (ロスチャイルド家と縁戚関係)
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・デュポン財閥
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