月は東に

Get Out Of That Rut & Savor Life

司馬遼太郎の「壬生心中」

2005-01-21 01:13:48 | Bookshelf
本棚を整理していたらこんなのが出てきた。
『壬生狂言の夜』という司馬遼太郎の短編で、『組!』ファンならご存知、
あのまっちゃんの“壬生心中”(第37回薩長同盟締結!)の話だ。

壬生の目明しを主人公にして、上手く“壬生心中”に絡ませてあり、もちろん土方も登場する。
彼の出番は少ないが“オニ”モード全開バリバリ(古)

ストーリーは
 土方が何か理由があって松原を葬らなければならず、
 葬る理由を他にでっちあげる根回しを目明しにさせる。
 もちろん目明しは自分が利用されているとは知らずに、松原を探るが……
てな感じで、最後はお決まりの心中に。

この目明しが男気のあるいいヤツなんだよなあ。土方と好対照。

興味深いのは『壬生狂言の夜』は昭和35年11月の作品で、
あの『新選組血風録』『燃えよ剣』より前に世に出ていること。
直木賞受賞が同年なので、彼の作品中、土方歳三が登場したのは
これが最初ではないだろうか。
同じ司馬作品でも、そのキャラクターに殆ど肉付けされていない、
愛想もへったくれもない土方は、『燃えよ剣』で彼のファンになった方々には、
物足りないかも。

更に『組!』の“壬生心中”とは全然別物で、後味が悪いことこのうえない。
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