ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

若冲と蕪村

2016-09-29 21:20:36 | 美術[さ]
「若冲と蕪村 - 江戸時代の画家たち -」@岡田美術館

 箱根の岡田美術館でやっている展覧会「若冲と蕪村」は昨年サントリー美術館で開催された展覧会と同じ名称だが、こちらは若冲、蕪村、応挙、芦雪などの岡田美術館所蔵作品だけ42点を展示している。もちろん常設展も一緒なので見ごたえはありすぎる。春の大騒動、生誕300年記念若冲展に出ていた、最近発見された「孔雀鳳凰図」が岡田美術館の所蔵作品なので、これが今回の目玉となる。んで、よく似ている孔雀と鳳凰の作品を並べてみた。似ているというか色違いみたいな感じ。






 館内を見て歩いていたら歌麿の巨大肉筆画「深川の雪」(198.8cm×341.1cm)があった。「あれ?ずっと展示してるのか」と思ってキャプションを見たらレプリカだった。やっぱりずっと展示してたら傷むからねぇ。だからそれはいいのだけれど、なぜか90%に縮小したものだそうだ。なんでだろ?この中途半端な縮小理由は?展示スペースの問題なのか?なんでだなんでだろ?



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『レッドタートル ある島の物語』

2016-09-25 22:56:40 | 映画[ら]
『レッドタートル ある島の物語』

 ジブリの最新作はフランス人マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットの制作。絵本買っちゃうくらい好きな『岸辺のふたり』の作者の新作アニメが登場。スタジオジブリとの連携で作られた新たな人生ドラマ。というわけで通常のジブリジブリした雰囲気とは違う。

 セリフの無いアニメーション、でも無音ではなく効果音や叫び声はある。特定のコトバが無いことで、全世界に共通のアピールができるし、感動を与えることができる。文化の違いなどを特に意識することなく見ることができるのは作品としてのメリットなのかも。

 ひとりの男が流されてたどり着いた無人島で出会った真っ赤なカメとの物語。そもそも何で流されたのかも描かれていないが、それは想像すれば誰でもわかること。無人島で途方に暮れる男の前に現れるカメ。そしてそこからこの男の第二の人生が始まる。

 「カメの恩返し」の物語か? でもそもそも恩などない、どころか恨みまくっている。宗教観的に見たらこの男は報われないはずだが、結果的にカメがいなかったら成立しなかった人生を送る。「苦しい時のカメ頼み」? いや特に頼んだわけでもないのに。単なる「カメのおかげ」というアニメ。やっぱりこのカメは神なのだろうか。


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平安の秘仏 滋賀櫟野寺の大観音

2016-09-21 20:03:33 | 美術[は]
「平安の秘仏 滋賀櫟野寺の大観音とみほとけたち」@東京国立博物館

 本館1階にて甲賀市甲賀町櫟野(いちの)にある櫟野寺(らくやじ)の仏像20体を展示する小規模な展覧会だけれど、先日同じ展示室で開催された「ほほえみの御仏」は半跏思惟像2体だけだったので、それに比べればなんと10倍である。目玉商品の秘仏十一面観音菩薩坐像は総高5m以上の大物で会場のド真ん中で金きらきんに輝いている。かなりの迫力、荘厳な佇まい。その後方にはこれまた大きめな薬師如来坐像が金きらきんに輝いている。側方にはあまり大きくはないけれど地蔵菩薩坐像が金きらきんに輝いている。この人の頭部はつるりんつるりんと真ん丸に磨かれていて、ひときわ金きらきんに輝いている。もうそこだけ宝石のようだ。金色の卵のようだ。まさかこれが全部チョコレートだなんて!!←んなこたぁない


 7月には「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ - びわ湖・長浜のホトケたち -」展で琵琶湖北部の仏像を見たが、今回は琵琶湖南部の仏像が来た。滋賀日和な夏である。甲賀市って甲賀流忍者の里だけれど、MIHO MUSEUMもある。樂野寺では2018年の秋に、33年に一度の御開帳があるらしい。だから今回、日本最大坐仏観音を見逃しても大丈夫、2年後に甲賀市に行けばよいのだ!!よいのだ!!よいのだ!!
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ダリ展

2016-09-20 20:08:11 | 美術[た]
「ダリ展」@国立新美術館

 上野の森美術館で生誕100年記念ダリ回顧展が開催されてからもう10年経ってしまった。時の流れが早すぎて秒針が見えない。その10年間に諸橋近代美術館に行ったり、フィゲラスに行ったり、高崎市美術館の「ダリ展」に行ったり、だまし絵展やらシュルレアリスム展などいろいろな展覧会にもダリは登場している。「私はダリでしょう?」なんていうダサいCMをテレビでやっていたのが10年も前だなんて思えない。

 展覧会は7月1日から9月4日まで京都市美術館で開催されていて、9月14日から12月12日まで国立新美術館で開催される。今回は「初期作品」、「モダニズムの探求」、「シュルレアリスム時代」、「ミューズとしてのガラ」、「アメリカへの亡命」、「ダリ的世界の拡張」、「原子力時代の芸術」、「ポルト・リガトへの帰還、もしくは晩年の作品」というチャプターに分けられている。まぁほぼ年代順なので見やすいといえば見やすい。

 主要な作品は、フィゲラスの「ガラ=サルバドール・ダリ財団」、マドリードの「国立ソフィア王妃芸術センター」、フロリダの「サルバドール・ダリ美術館」から来ている。その他にも長崎県美術館、福岡市美術館、横浜美術館、豊田市美術館、三重県立美術館、ポーラ美術館、諸橋近代美術館など、国内から選りすぐりの名品が出品されている。

 諸橋近代美術館の『テトゥアンの大合戦』は巨大な大作、福岡市美術館の『ポルト・リガトの聖母』も割とデカい名作。長崎県美術館の『海の皮膚を引き上げるヘラクレスがクピドをめざめさせようとするヴィーナスにもう少し待って欲しいと頼む』はサイズは大きくはないが印象は大きい。『自分が女の子だと思っていた6歳の頃、水の陰で眠っている犬を見ようとして海の皮をきわめて慎重に持ち上げる私』も同じようなイメージの絵だが、海面がペラペラの布地のようにめくられている情景は、高校生だった頃の私に鮮烈な印象を植えつけた。それから今日までずっと頭の調子がおかしい。ときたま脳みそがめくられるらしい。


 会場の終盤には、ダリ劇場美術館にある『メイ・ウエストの部屋』が再現されていて、そこで写真を撮ることができる。劇場美術館では階段を上って上の方から撮影できるのだが、今回は平面なので天井も映ってしまう。でも後ろを向けば斜めにミラーが貼られていて自撮りも可能という画期的な21世紀の新システムになっている。


 今回の図録はペラペラした紙カバーなどくっついてないヤツで、厚さ3mmのスーパーハードな表紙に包まれた重厚感たっぷりなヤツで、近年珍しく存在感のあるヤツだ。なんかうれしい。表紙にはグリーン感たっぷりな『謎めいた要素のある風景』が印刷されていて怪しげな風景の中にチビダリとフェルメールがいる。裏表紙にはダリの大首写真が印刷されていて、目に刺さりそうな胡散臭いヒゲと何を企んでいるのかわからないギョロ目のダリがこっちを見ている。



『ポルト・リガトの聖母』

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arrows M03

2016-09-13 23:17:36 | 電子機器
 SHL21の挙動が怪しくなり始めたので富士通のarrows M03に機種変更した。au VoLTEとDoCoMoに対応したSIMフリー端末。富士通の端末は初めてなのでインターフェースへの慣れがちょっと必要だったが、基本的には特に問題もなく使えてる。前機から引き続き、格安SIMのmineoを使っているが、今度はau VoLTEでさらにnanoSIMなのでSIM自体が新しくなった。

 液晶が5インチなので全長は144mmあるが、あと10mm短い方がいい。arrows M02には充電専用ホルダがあったようだがM03でなぜかそれが無くなってしまったのがちょっと残念。マイクロUSB端子の抜き差しは気を使う。端子が壊れたらただの匣になってしまう。そのUSB端子はフタ無し防水形式になっている。フタがあると抜き差しが面倒くさいのでこれでいいかな。バッテリーは当然のように自分では交換できない。妙な風習になったものだ。買ったばかりなので電池の持ちは今のところ満足できる。

 前のSHL21は75600円もしたが、arros M03は税込み34344円なのでSHL21の半値以下でほぼ満足できる仕様になっている。SIMフリー端末は機能が絞られている機種が多いが、この機種はこの値段でワンセグテレビ、おサイフケータイも装備しているし、防水・防塵・耐衝撃も万全。

 mineo限定色グリーンを選んだけれど、mineoカラーっぽさが無く、どう見てもブルーだ。他にも楽天モバイル用のゴールドも用意されている。電源と音量のスイッチが出っ張っているが、市販のクリアケースを装着したら丁度フラットになった。

 ラジオ聴取はradikoプレミアム、録音はrazikoを使っていたが、radikoの圧力でrazikoアプリが殲滅されてしまった。そこで録音ラジオサーバーという無料アプリを使ってみたら問題なく使えるので一安心。なぜか突然録音されなくなることもあるが、インストールしなおしたら治る、こともある。

 「手袋タッチ」という機能があったので試してみたら、すげぇ!! 100円ショップで売っているようなイボイボ付きの手袋から軍手までそこそこ動く。これは真冬の外スマホで威力を発揮しそうな予感。「手袋タッチ」を解除するとまったく動かない。いったいどういう仕組みなのかわからないがこれは便利だ。
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篠山紀信展「快楽の館」

2016-09-06 21:43:36 | 美術[さ]
篠山紀信展「快楽の館」@原美術館

 原美術館が妖しげな雰囲気に染まる。30人のモデルによるヌード写真展開催中。その中にはあの壇蜜さんもいる。単なるヌード写真と違うところは、すべてがこの原美術館で撮影されたものだということ。この壁の前で、その柱の横で、あの窓際で・・・今いるこの場所で撮ったんだな、という不思議な感覚。今は写真が静かに並んでいるだけなのに、撮影したその日にはここで裸の女性たちが縦になったり横になったり飛んだり跳ねたりしていたらしい。う~む、その日に来たかった (・_・)/
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