ざっきばやしはなあるき  

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美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

ホキ美術館

2011-05-23 07:47:09 | 美術[は]
「開館記念特別展」@ホキ美術館

 10名ほどでホキ美術館に行った。千葉県の土気駅から20分ほどの所にあるホキ美術館はけっこう混んでいた。ホキのそばに実家があるという人が言うことには、土日はいつも混んでいるようだ。

 写実絵画コレクション約300点の中から163点を9つのギャラリーに展示。写実絵画、ハイパーリアリズムなどは好きなほうなので、なかなか見ごたえのある展覧会だった。写真と見紛うばかりの風景写真などは、ある種のトリックアートとも言えそうな物凄さがあり、驚きを通り越して笑ってしまう。そこまでリアルだと、なんで描くのだ写真でいいじゃないか、と言っちゃいそうな雰囲気。

 忠実に描かれた裸体画を見ながら「血管までリアルに描かれるとちょっと、ねえ」というのが参加女子の感想、自分だったらもっと理想的に描かれるほうがいいと言っていた。まぁ、そりゃそうだね、髪はフサフサに、体系はスマートに、筋肉隆々に、背は高く、顔は池麺に描かれた方が、男でも嬉しいさ。

 ホキ美術館は、なんといってもその外観の奇抜さが目を引く。空中にズリズリズリズリズリっとせり出したところなんか、実用的には無駄がいっぱいだが、もうこれだけでワクワクしてしまう、なにやっとんじゃ的なとんでも建築のひとつであろう。そのせり出した部分の途中までが展示室になっているので、なんとなく今この下は何もないんだ、と思いながら床をトントンしてみる。床はコルクみたいな柔らかい衝撃吸収素材だった。その部分の展示室は足元から外が見えるユニークな構造になっている。せり出した先っちょは、かなり広い無駄スペースになっていて、先っちょまで行くことはできない。外観は2階建てくらいの高さだが、1F、B1F、B2Fまであって、展示スペースはかなり広かった。
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かぐわしき名宝展

2011-05-17 07:27:43 | 美術[か]
「香り かぐわしき名宝展」@東京藝術大学大学美術館 

 白檀でできた奈良国立博物館の十一面観音立像はお気に入り。東博の一木彫仏像展で初めて見て、昨年奈良でも見て、今度で3度目。巨大ではない適度は大きさ(42.8cm)と十一面の小さな顔つきがやたら親しみやすくてよい。白檀とは言ってもいつもケースの中なので匂いはしない。

 わりとすごかったのが「芸大コレクション展 ― 春の名品選」

《転生》@平櫛田中 は、子供を食った鬼が、その生ぬるさにおぇぇぇっと口からその子供を吐きだしている彫像。舌の形がひょうたんみたいで変だなぁと思ってよく見ると、食われた子供だった。すごい迫力。

《大日如来座像》@快慶は102.4cm。両耳に小さな穴があいている。あけてあったのかあいちゃったのかわからないが、目線を合わせると耳の穴から反対側の穴が見える。

《毘沙門天立像》@定慶は98.8cm。両目に玉眼、蛇を握りしめながら踏みつけられている邪気にも玉眼。覗き込むと光る眼玉でこっちを見てる。邪気とはいえ、踏みつけられている者からまんまるい目玉で見つめられるというのは妙な気分である。


《新後選・俊成(夜の梅)》@鈴木春信

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ヘンリー・ダーガー展

2011-05-08 22:31:37 | 美術[は]
「ヘンリー・ダーガー展」@ラフォーレミュージアム原宿

 以前、原美術館でやったヘンリー・ダーガー展には行けなかったが、ジェシカ・ユー監督作品であるダーガーのドキュメンタリー映画は見たことがある。映画の中ではヴィヴィアン・ガールズが動いていた。

 今回の展示でようやくナマの絵を見られた。「非現実の王国で」と題された作品には、五百羅漢に負けないくらいの数のヴィヴィアン・ガールズやら首絞められて殺される少女やら内蔵はみ出て殺された少女やらが登場、見ていて清々しい作品とは言えない。

 誰に見せるでもなく、40年もの間、ものすごい数の絵を描き、15000ページというものすごい長さの物語も書いていた。絵がうまく描けないからと、トレースやコラージュを駆使して描いた妄想絵画。妄想の中で一生を終えた、死後発見されたそれらの作品が今、世間で注目されている。なんともいえない不思議な人生、不思議な作品。死んでから実現したアメリカン・ドリーム。
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五百羅漢展

2011-05-08 22:30:18 | 美術[か]
「五百羅漢―増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」@江戸東京博物館

 増上寺秘蔵の狩野一信の「五百羅漢図」全100 幅。2幅1対の形式になっていて、1対で頭光を背負った羅漢10人を描いている。合計500人、どうも1人足りないような気もするのだが、どうなんだろう。何より驚くのはその色合い。江戸末期に描かれたものだが、まるでつい先日描き終わったような鮮やかな色合いはスーパーデラックスである。出てくる羅漢は表情豊か、なかにはどう見ても極悪人にしか見えない悪そうな顔つきの羅漢も多数いる。ダース・シディアスそっくりな奴もしるし、外道を力づくで入信させようとする悪徳宗教法人みたいな奴もいる。羅漢ってだいじょうぶなのか?
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手塚治虫のブッダ展

2011-05-08 22:28:18 | 美術[は]
「手塚治虫のブッダ展」@東京国立博物館

 ブッダ展は漫画の原画と仏像を並べるという風変わりな展示で、いつもはアジアの仏像を展示している本館1階正面の薄暗い部屋が手塚ワールドに様変わりしていた。仏像の方は誕生仏から涅槃像までアジア各国のものを展示、印象的なのは、やたら気の毒な人に見える苦行姿の出山釈迦立像、「ありがたい」とかいうレベルではなく、ご飯を恵んでやりたくなるようなげっそり姿。

 ブッダのコミック本があるのはもちろんだが、「ブッダもいいけどイエスもね」ということで「聖☆おにいさん」という漫画もあって、ブッダとイエスが立川のアパートでバカンスを過ごしているという、聞くだけで屁が出そうなくだらなさに触発されて、帰りがけにブックオフに飛び込んで1巻と3巻を各350円で手に入れた。いや実にまったくもってくだらない。
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写楽展

2011-05-08 22:26:21 | 美術[さ]
「写楽」@東京国立博物館

 約百四十図、約百七十枚の写楽の作品のあらかたを展示。こんな機会は滅多にない。摺りバージョンによる色合いの違いを比較したり、同じ役者を描いた別の絵師の版画と比較したり、歌舞伎の演目ごとに並べて展示して判りやすくしたりと、展示にも気を使っている。写楽というとやはり「どこの誰だか知らないけれど写楽をみんな知っている♪」という謎の部分が逆に興味を掻き立てる。写楽外人説なんて説もあるようだが、いかにもありそうな話で面白い。それから江戸東京博物館のシンボルマークについて、何も意識していなかったが、写楽版画の役者の目であるという話も今回初めて知った。おおそうだったのか。
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『エンジェル・ウォーズ』

2011-05-04 21:29:00 | 映画[あ]
『エンジェル・ウォーズ』

 とある陰謀により精神病院に入れられてしまう少女、そこに至るまでのシーンがやたら重く、あぁこの手の映画かと思い始めて、いやまて確かそんな映画ではなくて、なんかこうわけわからん世界感の映画だという噂を聞いたぞ、と気付いた刹那、画面は別の世界に変わっていた。わぉ、変わったぞ、なんだなんだ、そういう感じの映画かと納得し始めた途端、画面はさらにとんでもない有様に変わった。おわぁ、そっち系の映画だったのか、そっち系というのはどっち系なのか謎だが、重たい過去を引きずりながら、過酷な世界から脱出するために戦う少女たち、変なキャラもゾクゾク登場、アクションシーン満載、という夢のような映画、夢のようなというのはそういう意味ではなくて、まるで夢の中を描いたような、奇想天外な脳内マジック映画。もういい、もうなんでもいいから早くダンスを踊れ!
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