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フェルメール展

2008-08-02 23:59:40 | 美術[は]
「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」@東京都美術館

 36点しか見つかっていないヨハネス・フェルメールの作品が7点集まるのは奇跡に近い、とかなんとかいいながら、初日の朝っぱらから行ってきた。けっこうな賑わいで、言うまでもなく、フェルメールの絵の前はなかなか人が動かない。2時間半くらいかけて出てきたら昼過ぎで、シンポジウムの整理券をもらう行列ができていた。せっかくだから聞いていこうと、文庫を読みながら並ぶこと30分、整理券をもらったので昼飯を食いたい。美術館のレストランはと見れば、昼時とあって2階に昇る階段に行列ができている。入場まで30分くらいしかないので、ヤバイことになるのも困るので外に出た。とはいえ、上野公園の奥にはレストランなどなく、駅の向こうまで行く時間はない、ってんで、動物園の脇にある悲しげな食堂で寂しげな焼きそばを食う。

 記念シンポジウムは、ピーター・サットン/ブルース美術館長、イェールン・ヒルタイ/ボイマンス美術館チーフキュレーター、マジョリー・ヴィーゼマン/ロンドン・ナショナル・ギャラリーキュレーターという3人のグワイジンさんで、同時通訳マイクロフォンというのを渡された。初めて使ったが、女性通訳の妙技に感動。質疑応答では、どんだけ好き~というような人たちがマニアックな質問を投げかけていた。14:00~16:00、ちょうど2時間のシンポジウム後は今日限り再入場可能なスタンプを押してもらったんで、もういちどチョロチョロと会場を徘徊して、結局1日中デルフト気分だった。

 当初来るはずだったフェルメール作品《絵画芸術》が急遽来なくなったため、来てない作品の細かい解説を載せちゃったままの図録に、差し替えチラシを差し込んだりして一同大慌てという感じ。図録の表紙が《ワイングラスを持つ娘》だったのは不幸中の幸いだったのかな。ウィーン美術史美術館は出品に合意だったが、オーストリア文化財保護局が輸送で質が悪化すると結論づけたんだとか。ホントは、3万人のハラキリサムライが刀を振り回してギンザをのし歩く江戸幕府に貸すのは危険だと思ったのかもしれない。《絵画芸術》は好きな作品なので残念だったが、昨年森村泰昌の「バチモン絵画芸術」を見たからよしとするか? いやいや、それどころか本物の《絵画芸術》を見ても森村氏の濃い顔が浮かんできそうで怖いぞ。

 《手紙を書く婦人と召使い》がその代わりに来日、《マルタとマリアの家のキリスト》《ディアナとニンフたち》《小路》《ワイングラスを持つ娘》《リュートを調弦する女》《ヴァージナルの前に座る若い女》と合わせて7作品。いちばん大きな《マルタとマリアの家のキリスト》から始まって、最後はかなり小さい《ヴァージナルの前に座る若い女》の前で思わず「ちっこい!」と小声で叫んだ。《小路》も好きなので見られて良かった。昨年見た《牛乳を注ぐ女》も好きな作品。音声ガイドは「iタッチ・ガイドシート」というニューテクノロ爺で、もらった紙に印刷してある作品の写真にペン先をピピッと触れるとガイドが始まる。

 そのほかにデルフトの画家としてヤン・ファン・デル・ヘイデン、ヘラルト・ハウクヘーストなどの建築絵画も細やかに描かれていてツボにハマる。ショップ横にはフェルメールの全作品の写真が原寸大で飾ってある。大きいものから小さいものまで、サイズを実感できるので面白い。

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