らんまるのこや

音楽、トランペット、犬、子育て、旅行など

演奏日:2005.06.15

2005-11-30 13:36:07 | NYPオンライン02~
演奏日:2005.06.15
オンライン:11/30~12/14

デュカス:魔法使いの弟子
シベリウス:ヴァイオリンコンチェルト
シベリウス:トゥオネラの白鳥
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1919)
デーヴィッド・ロバートソン(指揮)
ギル・シャハム(Vn)、トーマス・ステイシー(イングリッシュホルン)

このコンサートは前シーズン分で、放送されていなかったものです。私たちが
NYで聴いたマーラーの前の週、マゼールさんが病気のためキャンセルしたと
いう、例のコンサートです。代わりの指揮者にはおなじみのロバートソンさん
が入りました。確かヴァイオリンのソロ以外はプログラムも変更されていたと
思います。
「魔法使いの弟子」はマゼールさんも振っていましたが、やはりマゼールさん
のほうが濃い・・・ような気がしました。でもこの演奏もいろんな所に「遊び」
や「しかけ」のある、とても楽しい演奏でした。
続くヴァイオリンコンチェルトは、終始力強く、前向きで、ストレートな感じ
が気持ちの良い演奏でした。次も同じシベリウスですが、激しさと緊迫感の
あった前曲とは対照的に、穏やかで、物悲しいメロディーが心に残りました。
イングリッシュホルンのソロはもちろんステイシーさんで、大好きな奏者の
一人です。ステイシーさんの音色はいつも通り深みがあって、優雅で神秘的
な雰囲気がよく出ていました。聴いているだけで、霧の中に静かに横たわる
湖の風景が浮かんでくるようでした。

「火の鳥」は、同じく前シーズンにシャイーさんが全曲版を振っているの
ですが、残念ながら放送されなかったため、今のメンバーのNYフィルでの
「火の鳥」を聴くのはこれが初めてです。第一印象としては、全体的に少し
まとまりに欠けるというか、粗さを感じる部分もありましたが、急な変更と
いうことを考えれば、ある程度は仕方ないことかもしれません。ただ、ロバ
ートソンさんの演奏を聴くのは、これで4回めくらいになると思うのですが、
どの回も少々オケの音がガサつく、或いはぼやけているような気がして、
これは私の気のせいなのかもしれませんが、演奏自体は前進力があって表情
も豊かなので、その点だけがいつも少し残念だと感じます。
金管セクションは期待通り、決め所をビシッと決めてくれて、大変満足でした。
どんな細かいパッセージでも、全ての音が均等にしっかりと鳴っているのは
さすがだと思います。トロンボーンとホルン、今週の「元気いっぱいで賞」
はどちらにしようか、非常に迷うところです。

演奏日:2005.11.03

2005-11-23 13:39:11 | NYPオンライン02~
演奏日:2005.11.03
オンライン:11/23~12/07

ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲 第3番
シュニトケ:コンチェルトグロッソ第5番
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
ミッコ・フランク(指揮)
ギドン・クレーメル(Vn)

今週はミッコ・フランクさんの指揮とクレーメルさんのヴァイオリンです。
フランクさんは、79年生まれという大変若い指揮者です。20代でNYフィルの
客演に呼ばれるというのは、かなりすごいことだと思うのですが。もちろん
聴くのは初めてです。
1曲目「レオノーレ」は、序曲にも関わらず気合いの入った演奏でした。トラ
ンペットはおそらく表がトム・スミスさん、裏がスミスさんだと思われます。
以前「レオノーレ」の2番をやったときは、裏の録音が大変おかしなことになっ
ていて残念でしたが、今回はちゃんと録れていました。一回めと二回めで、
かなり音量差をつけて演奏していました。裏で弱く吹くことはたぶんないと
思うので、一回めと二回めでベルの向きを変えるとか、ドアを閉→開にする
とかしていたのではないかと思います。
2曲め、コンチェルトグロッソは、とにかくとても難しそうな曲でした。ヴァ
イオリンのソロなのですが、バックも結構派手に鳴っています。でもクレー
メルさんのVnはそれに負けないくらいの熱演で、グイグイとオケを引っぱっ
ていくようでした。

メインは先週に引き続き、楽しみにしていた「ショス5」です。なぜかと言えば、
要するにやったことのある曲だからです。こちらも集中力の高いすばらしい
演奏で、前週のチャイコフスキーとはオーケストラのサウンドが全く違って
いました。ひとことで言うと熱い演奏ということになるのですが、でもとても
丁寧で、細かいところまでよくコントロールされていたので、粗いと感じる
ところは全くありませんでした。
金管も先週と違ってガンガン鳴らしていましたが、最大音量でも余裕があり、
また、なんでもかんでも鳴らすのではなく、出すべき箇所を心得た上での
大炸裂だったので、全体としてもとてもメリハリのある演奏になっていました。
あと、前週も思ったのですが、今週も弦セクションのサウンドがすばらしか
ったです。録音が良くなったせいもあるのでしょうが、やはり一昔前と比べて
分厚くなったし、艶のある音色になったなあと、ここ最近特に思います。

前回の「チャイ4」や今回の「ショス5」のようにやったことのあるの曲の場合、
いつもは気づかないような細かいことにも注目できます。今回特に気をつけて
聴いたのは、ブレスや音の長さ、音の切り方などです。ブレスは私たちが、
本当はしたくないんだけどしないともたないからと、セクション内でちょっと
ずらしたりしてごまかしつつ吸っていたような箇所は、ことごとくノーブレス
でした。また、短い音の鳴らし方などはやはり全然違うなあと思いました。
当たり前ですけど。
トランペットはもちろんですが、今回さらにきわだって絶好調だったのは、
ホルン(特にマイヤースさん)です。1楽章のフルートとの掛け合いのソロも、
余裕であっさりと吹いてました。攻撃的なフレーズではまるでトロンボーン
かと思ったり、逆に柔らかい音のときはファゴットかと思ったり、本当に
音色の色彩が豊かというか・・・・いい意味で紛らわしいとも言える不思議
な魅力の親分なのでした。
トロンボーンは今回はもちろんですが、毎回毎回全力投球で全く波がない、
というのが一番すごいことだと思います。

らんまるのこや?

2005-11-20 09:36:40 | らんまる・犬



ご存知のように、このサイトの名前は「らんまるのこや」と言います。
しかしらんまるには「こや」はありません。

M一家がマンションから今の家に引っ越したのは、10年以上前のある真夏の
暑い日でした。らんまるは引越しのその日に、お姉さんの友達の家から
3000円のケーキと交換にM家にやってきました。

この時点で、一番犬を飼いたがっていたのはお姉さんで、お父さんと
お母さんは「まあしゃあないかな」といった感じでした。ですから、
当初は当然のように「外で飼うからな」という取り決めがされ、ちゃんと
玄関先に犬小屋も用意されていました。
確か白くて青い屋根の小屋だったと思います。

ところが実際にらんまるが来てみると、あんまり小さくてかわいかったので、
「外で飼う」という取り決めはあっけなく撤回されました。
それでも最初のうちはちょっと遠慮気味に玄関ホールにつながれていた
のですが、3日も経つと、我が家のアイドルで中心的存在となり、一週間も
経つころには全部屋フリー顔パス権を獲得したのでした。

もともと「中で飼いたいなあ」と思っていたお姉さんは、喜ぶ反面、
「結構うちって適当やな」と思いました。

こうして「らんまるのこや」はほとんど使われることがないまま、しばらく
玄関先にさみしく放置されていましたが、いつのまにかその姿を消しました。
もう永遠に使うことはないと判断されたもようです。

その後、ピカピカのフローリングをガリガリされようが、寝室で粗相され
ようが、家中が毛だらけになろうが、まるで動じることなくらんまるを
実の子ども以上にかわいがるお父さんとお母さんを見て、お姉さんは喜ぶと
同時に「やっぱうちって適当やな」と思ったそうです。

演奏日:2005.10.26

2005-11-16 13:40:35 | NYPオンライン02~
演奏日:2005.10.26
オンライン:11/16~11/30

モーツァルト:アダージョ ホ短調
モーツァルト:ロンド ハ長調
シューベルト:交響曲第3番
チャイコフスキー:交響曲第4番
イツァーク・パールマン(指揮/Vn)

今シーズン前半のプログラムで、一番楽しみにしていた「チャイ4」と、
この次の「ショス5」ですが、とてもありがたいことに、今週からベリーグッド
タイミングで録音のレベルがバージョンアップされました。専門的なことは
よくわからないのですが、とりあえず録音の音量と音質がさらに良くなったよ
うです。
本日は前半2曲がパールマンさんの指揮&ヴァイオリン、後半2曲が指揮です。
パールマンさんは大人気だそうで、このプログラムのコンサートは売り切れ
状態だったもようです。パールマンさんの演奏は、とても柔らかく優しく、
優雅な音色でした。

それはメインのチャイコフスキーにも現れていて、私の聴いたことのある中
では、最もきれいで優しい感じのする「チャイ4」でした。おそらく弦楽器の
響きを強調させるためだと思いますが、金管は普段より相当おさえて吹いてい
ました。こういった演奏の場合、京都で某オケの「チャイ5」を聴いたときも
思ったのですが、きれいにまとまってはいるけれど今ひとつ盛り上がりにかけ
るというか、不完全燃焼のまま終わってしまうことが多いような気がします。
かといって、パワーと勢いだけでいってしまって、なんだか雑・・・という
演奏も私は好きではありません。けれども今回の演奏は、最大音量は控えめ
でも、決して「あっさり」「うすい」演奏ではありませんでした。それは、
弦や木管などの、メロディーライン担当のセクションが、とても丁寧に時には
情熱的に歌っていたのと、金管セクションが音量はおさえつつも、ちゃんと
張った音・・・しっかりとホールの奥まで通るような密度のある音で吹いて
くれていたからだと思います。

トランペットは、やはり1楽章と4楽章に現れるファンファーレが非常に重要な
役割を果たしますが、力強くて美しい、理想の音色で決めてくれました。
公開レッスンで初めてスミスさんの音を生で聴いたときに、この冒頭のファン
ファーレを吹いてくれたことを思い出しました。あの時の衝撃は今でも忘れ
られません。それまで心の中では「理想のトランペットはこういう音だ」と
なんとなく思い描いてはいても、実際には一度も聴いたことがなかった音色に、
初めて出会った瞬間でした。

ちなみに、今回はどうもマイヤース親分はお休みのような気がいたします。
確信はないです。

演奏日:2005.10.20

2005-11-09 13:42:21 | NYPオンライン02~
演奏日:2005.10.20
オンライン:11/09~11/23

バルトーク:舞踏組曲
ブリテン:鎮魂交響曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ジャナンドレア・ノセダ(指揮)
シモン・トゥルプチェスキ(ピアノ)

本日の指揮者、ノセダさんは、ゲルギエフ氏やチョン・ミュンフン氏に指導を受
けた、ミラノ生まれの指揮者です。以前他のオケで「惑星」を振っているのを、
テレビで偶然見たのですが、とてもきびきびとした指揮をする方だなあと思った
のを覚えています。
ピアノはマケドニア生まれの方で、これがニューヨークフィル・デビューだそ
うです。まだ20代半ばの若い方ですが、今回はめずらしくメインにピアコンを
持ってきていますので、期待の新人ということなのでしょう。

バルトークの「舞踏組曲」は、確かショルティ・シカゴのビデオがうちにあり
ます。私は詳細は記憶していないのですが、ダンナ曰く、その演奏と比べると、
部分的に例外はあるもののかなり遅めだとのことでした。出だしからしてもう
いかにも「バルトーク」という雰囲気で、管楽器のソロやトロンボーンのグリ
ッサンド、それから弦の独特の響きなど、バルトーク独特の特色が随所にあり、
とても聴きやすくおもしろい曲です。
「鎮魂交響曲」は、日本国紀元2600年(1940年)を記念して、日本政府がブリ
テンに作曲を委嘱した曲だそうです。が、結局祝典にふさわしくないとして
演奏はされず、その翌年1941年にバルビローリ指揮ニューヨーク・フィルで初
演されたという、なにやらややこしい経緯を持つ曲です。聴いてみると確かに、
暗くて不穏な空気の漂う感じで、祝典にはむかなさそうです。曲は最初と最後
が静かで、真ん中が金管中心の攻撃的な音楽という、先週の序曲と少し似た
構成でした。
これら前半の2曲は、どちらも管楽器が大活躍で、非常に難しそうでしたが、
とても安定感のある良い演奏だったと思います。それぞれのセクションが、
難しいリズムや激しいテンポの変化にもしっかりと対応して、余裕のある演奏
に聴こえました。金管セクションは、いつものことながら、スミスさんがどん
な難しいパッセージでも大変落ち着き払った演奏をされるので、彼がリードを
とっているときは安心して聴いていられます。だいたい、難しい箇所やテンポ
の速い箇所は、自分で「早く吹かなきゃ」とあせってしまって、もたついたり、
逆に走ってすべって転んで自滅してしまうんですよね~・・。
それにしても、あのホルンの異常なまでの割舌の良さは一体何なんでしょう?
「ホンマに舌割れてるねん。」と言われても、思わず信じてしまいそうです。

ラフマニノフは、割と理性的だった前2曲とは対照的に、とても感情のこもった
情熱的な演奏でした。ピアノは若々しくて、元気のよい印象を受けました。
終演後のお客さんの反応はかなりのもので、アンコールもありました。デビュ
ーコンサートとしては大成功だったのではないでしょうか。
また、客演でこれだけ集中力の高い、細部までコントロールされた演奏のでき
る今回の指揮者・ノセダさんは、今後要チェックだと思います。

小浜・唐津(2)

2005-11-03 12:02:01 | らんまる・犬

唐津の虹の松原。


ええ歳したおじさんと、ええ歳した犬が芝生ではしゃぐの図。


次に唐津の海岸で遊ぶ。


でも海はちょっと苦手なんやわぁ・・・。


旅館に入る前にブラッシング。
らんはきれいになったが飼い主が毛だらけ。


「らん、今日の旅館探してや。」
「まかしといて。お姉ちゃんよりナビ上手いねんで。」


旅館に着いた後、唐津くんちを見に行きました。


人が多いのでだっこしてもらってたら、地元の女の子に
「あれ、何?」
って言われました。
・・・たぶん犬やと思うけど。


「らん、みんなお風呂行くから、お姉と二人で遊んでよ~な。」


「あの~・・・・もしも~し?」
「・・・」
「らんまるさんってば~」


呼子の朝市。日本三大朝市の一つだそうで。


その朝市でなぜかパンダに遭遇(しかも動く)。


移動中。
お父さんの腹の上にどっしり御鎮座。


呼子の燈台にて。


大宰府天満宮。
「らん、天神さんにお参りしたら、頭よう(良く)なるねんでぇ。」
「これ以上ようなったら困りますわ。」


店先の猫(人形)にひとめぼれ。
あんた、こないだ猫に追いかけられて逃げ回ったんとちゃうん?


小浜・唐津(1)

2005-11-03 11:47:10 | らんまる・犬

さあ、らんまるくん、2度目の九州上陸です。


おかあさんのひざの上でくつろいでます。重いで~・・・。


島原にて。
きれいな湧き水を泳ぐ鯉を必死で覗き込んでいます。


普賢岳のふもと、災害跡にある道の駅で。
今度はインコを必死で見ています。


雲仙温泉の地獄谷で仲良く記念撮影。


小浜温泉の宿から見た夕日。


らんまるも部屋で寝れるねんで。


小浜の海岸を散歩中。


疲れ果てて爆睡中。


朝食後、小浜の温泉街を探索。
「お母さん、なんか呼んだ?」
「あんた、お父さんほってきたんかいな。」


炭酸泉が湧き出しています。
「飲むのはちょっとやめとこかな。」


伊万里の陶芸村。

演奏日:2005.10.14

2005-11-02 13:43:49 | NYPオンライン02~
演奏日:2005.10.14
オンライン:11/02~11/16

ジェームズ・マクミラン:イゾベル・ゴーディの告白
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ブラームス:交響曲第1番
マリン・アルソップ(指揮)
五嶋みどり(Vn)

今週はアルソップさんという女性の指揮者です。NYフィルには度々登場して
います。ジュリアード卒でバーンスタインに指揮を学び、現在ボルティモア
交響楽団への音楽監督就任が決まっているそうです。
ヴァイオリンは五嶋みどりさん。昨年のちょうど同じ頃にNYフィルデビューで、
庄司紗矢香さんが弾いたのと全く同じ曲での登場です。

と、いろんな意味で興味深い本日のプログラムですが、まず、序曲がすさま
じい曲でした。冒頭とラストは弦楽器中心の静かで美しいハーモニーなので
すが、中間部で金管がとてつもなく大変なことをやっています。まるで嫌がら
せのようです。もちろんそこはNYPの金管軍団の皆さんが、持ち前の歯切れの
よさと抜群のリズム感、パワフルさでなんとかしてくれていますが、ちょっと
でも気を抜くともうわけがわからなくなりそうなとんでもない曲でした。
Vnコンチェルトは昨年の庄司さんの演奏とはかなり違った印象を受けました。
庄司さんはとても表情豊かでしたが、どちらかというと繊細なイメージが強く、
それに比べるとMIDORIさんの演奏はかなりダイナミックで、力強く奔放な感じ
がしました。

メインのブラームスは、私個人としてはとてもすばらしい、というか、私の
好きな演奏だったと思います。全体としてとてもゆったりとしていて、スケ
ールが大きく、テンポの変化もかなりありました。特に2楽章のホルン、
ヴァイオリンのデュエットは、とても50代の「おじさま」二人が奏でている
とは思えないほどの美しく色っぽい音色でした(大変失礼・・)。
それから4楽章の弦楽器のテーマの部分も、相当遅めのテンポで、たっぷりと
演奏していました。また、その少し前のホルン、それからトロンボーンの
コラールは絶品でした。序曲のときと同じ人が吹いているとはとても信じら
れない、柔らかく温かみのある音でした。この序曲とメインでの金管セク
ションの切り替わり方には本当にびっくりします。もちろんTpとTbは楽器を
変えているのでしょうが、それだけではこういう音色は出ないはずですし、
やはりこれこそが「オーケストラ」奏者として最も重要な能力の一つなんで
しょうね。
Vnコンチェルトの間、降り番の首席陣が集まって、瞑想でもされてたんで
しょうか。