らんまるのこや

音楽、トランペット、犬、子育て、旅行など

2005.4.14

2005-04-25 19:28:08 | NYPオンライン02~
2005.4.14
ペトラッシ:死者の合唱
リスト:ファウスト交響曲
リッカルド・ムーティ

最近話題のムーティさん指揮のコンサートです。ペトラッシは1904年生まれ
のイタリアの作曲家で、「死者の合唱」はその代表的な作品の一つとされて
います。楽器編成が非常に特殊で、まず弦楽器(一部低弦は除く)がありませ
ん。木管楽器もありません。要するに金管オンリーです。これに男声合唱と
パーカッション、ピアノ、低弦が加わります。最初はこれを知らなくて、
なんか妙に金管の目立つ曲だなあとのんきに思っていました。もともとここ
の金管セクションは非常に響きが厚いし、男声合唱も加わるので、サウンド
が薄いという印象は全くなく、弦がないという違和感を感じなかったんですね。
聴いてすぐに気づけって話ですが・・・。

とにかく今回は、2曲とも、金管セクションはもちろん、オーケストラ全体の
音が異常にすばらしくてびっくりしました。申し訳ないけど、先週、先々週
とはまるで別のオケを聴いているようでした。「ファウスト」は70分ほども
あるとても長い曲なのですが、最初から最後まで、「ゆるい」ところが全く
ありませんでした。とても丁寧で集中力があったし、セクション間のバランス
も完璧でした。それに金管セクションがとても柔らかい響きなのにも関わら
ず、しっかりと芯もあるサウンドで、ビシッと一つの楽器のようにまとまっ
ていて、やっぱりこれが本来のNYPの金管だと思いました。
このコンサートは2曲とも初体験の曲でしたが、とても素敵な演奏でした。
こういう演奏は大好きです。

NYフィルというオケは、本当に指揮者によってがらっとカラーが変わるオケ
だということが、この数週間でわかりました。また、指揮者によって、精度に
もかなり差があります。これは良いことなのか悪いことなのか・・。
おそらく、シカゴ響やウィーンフィルだったら、どんな指揮者が来ても、ある
程度変わらないサウンドとかスタイルが根付いているのだと思います。NY
フィルにももちろんそれはあるのですが、他のオケに比べると、良くも悪く
も指揮者の影響を受けやすいように感じます。指揮がすばらしかったり、
相性が良ければ、本当にすごい演奏をするけど、逆に指揮がイマイチでも自
主的に高レベルの演奏をしてくれるということもあまりなく、「今日は一体
どうしたん?」<「まあ普通やったね」<「めっちゃ良かった!」という3段
階の差がはっきりしています。指揮者にとっては振りがいがある反面、ちょっと
怖いかもしれません。聴くほうは毎回スリル(?)があって面白いです
けど・・・。

2005.4.7

2005-04-19 19:29:43 | NYPオンライン02~
2005.4.7
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」
セミヨン・ビシュコフ、内田光子(ピアノ)

このコンサートは、もともとドホナーニ氏が振る予定でしたが、キャンセル
になり、代わりにビシュコフさんが振ることになりました。メインもこれに
伴って、「シンフォニエッタ」から「レニングラード」に変わりました。
ビシュコフさんはレニングラードの出身だそうですし、おそらく思い入れの
ある、もしくは得意な曲だったのでしょう。また、「シンフォニエッタ」の
金管陣がそのまま使えるということもあって、選曲されたのかもしれません。

が、正直今日の演奏は、あまり好みの演奏ではありませんでした。解釈が正し
いとか正しくないとかそういうことは全くわかりませんが、それ以前にオーケ
ストラとの連携があまり上手くいっていなかったように感じます。簡単に言う
と、全体的に雑で粗っぽい箇所が目立ちました。急な変更だったので、ある
程度は仕方がないのかもしれません。部分的にはいいなと思う部分も結構あっ
たのですが(主に弦や木管のみの静かな箇所)、結局終わってみると、勢い
にまかせてしまったような感じがして、どうも腑に落ちない気持ちが残りま
した。冒頭や、金管が加わってトゥッティで鳴らす部分のテンポが非常に速
かったということもありますが、やはり全体を通して、粗かったと思います。
特にここの金管セクションがばらつくのはめったにない・・というか聴いた
のは初めてかも。パワーはいつも通りものすごかったけど、なぜかいつも
とは違う、効率の悪さを感じました。セクション間だけでなく、セクション
内でも違和感があり、そのせいか、全員が思いっきり吹いているのに、音が
固まって飛んでこない気がしました。ここの金管は、本来パワーだけでなく、
丁寧さや繊細さ、響きの良さが「売り」だと(私が勝手に)思っていますが、
せっかくの長所が生かされていなかったのは残念です。

でももし、この余裕のなさをビシュコフさんがねらっていたのだとしたら、
いくらテンポを遅くしても、余裕で最後まで吹ききってしまう金管さんたちで
すから、猛スピード作戦は正解です。(・・・っていくらなんでもそれはな
いか。)
それにしても、今日は普通まず聴こえるはずのない所で、やたらとホルン
(トップ)がパオ~ンパオ~ンと聴こえてきて笑わせていただきました。
「シンフォニエッタ」の「パオパオ」ができなかったのがよほど残念だったん
ですね・・・・(?)

なんの妖怪?

2005-04-17 22:52:18 | らんまる・犬

M一家はキャンプが好きである。旅行もよく行くが、キャンプは
らんまるもずっと一緒にいられるし、一緒に寝れるのがいい。

ある5月のキャンプ日和、今日もM一家は山の中のキャンプ場に
来ていた。のんびり昼寝をして、ごはんを食べ、焚き火もして、
夜も更けてきたので、寝ることにした。

寝るときは、らんまるとお父は車の中、残りはテントと分かれて寝る。
別に仲が悪いわけじゃなくて、単にらんまるがテントより車のほうが
落ち着いて寝られるからである。

やっと皆が寝静まった真夜中のこと、突然テントの外から、猫のような
赤ん坊のような、なんとも形容しがたい声が聞こえてきた。
「何の声やろ?猫かな?」
「きつねとちゃうか?」
「たぬきやろか?」
「熊ではなさそうやけど」
「なんかのお化けやったりして・・・。」

様々な憶測をかわしながらも、誰も外に出て確かめる気はないらしい。
まあ、何かあったららんがほえるやろし、お父がなんとかしてくれるやろう、
という楽観的かつ希望的観測の元、とりあえずそのまま就寝。

翌朝、さっそくお父に聞いてみた。
「昨日の夜中、なんか変な声してなかった?」
「ああ、あれな。らんが寝ぼけていすから落ちて、隙間にはさまりよってん。」

・・・・「幽霊の正体見たり、らんまるかいな~!!(字余り)」

2005.03.31

2005-04-12 19:31:05 | NYPオンライン02~
2005.03.31
ベルリオーズ:ファウストの劫罰
シャルル・デュトワ
スザンヌ・メンツァー(Ms/マルグリート)、
ポール・グローヴス(T/ファウスト)、
ウィラード・ホワイト(Bs/メフィストフェレス)
ウェストミンスター交響合唱団、ブルックリン・ユース・コーラス

「ファウストの劫罰」は、ゲーテの「ファウスト」をもとにかかれた音楽で、
4部から成り、演奏時間2時間を越える大規模な曲です。このため普通のコンサ
ートで全曲を取り上げる機会は少ないようです。この中では「ラコッツィ
(ハンガリー)行進曲」がとても有名で、単独で度々演奏されます。
これも一度大筋を把握した上で聴くと、とてもわかりやすく、イメージしや
すい曲が多いので、長さもあまり気にならず楽しめるのではないかと思います。
ベルリオーズらしく、トロンボーンも大活躍で、また、狩りの音楽ではトラン
ペット・ホルンがやまびこのように聴こえてくる箇所もあり、とてもおもしろ
かったです。
先々週の「真夏の夜の夢」もそうですが、こういう超大作で歌つきの曲は今ま
であまり触れる機会がなく、おそらくこういうチャンスでもなければ、一生聴
かないまま終わってしまうだろうと思われる音楽を聴くことができるのは、
私にとってはありがたいです。
苦手分野や未知の分野でも、とりあえずNYフィルなんだからと思えばなんでも
聴いてみるし、一度聴いてさえみれば、意外と良かったと思う作品も結構あり
ます。動機はかなり不純ですけど。
また、いろんなジャンルの音楽が聴けることと同時に、とてもありがたいのは、
いろんな指揮者の演奏が聴けることです。それも演奏しているのは同じオーケ
ストラですから、その指揮者の個性や特徴がよくわかります。私はあまり
指揮者を知らないし、特に好きな(嫌いな)指揮者というのもなかったので
すが、最近なんとなく自分の好みがつかめてきたような気がします。

春の庭(2005.4)

2005-04-08 11:21:13 | らんまる・犬

季節の変わり目になると、大阪からはるばるやってくる専属庭師。


にもれなくついてくる、専属昼寝犬。


気が向くと自主的に穴を掘る。
意外と迷惑。


その芝生、らんがごろごろする用に敷いたってんで。
穴掘りせんとそこで寝とき。


それはおおきに。
ほな遠慮なく~。


だ~るまさんがこ~ろん・・・


だっ!

2005.03.24

2005-04-05 19:32:40 | NYPオンライン02~
2005.03.24
バッハ/野平:フーガの技法より
バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲
メシアン:彼方の閃光
ケント・ナガノ、
シェリル・ステープルス(Vn)、
シェリー・サイラー(Ob)

バッハはとてもきれいで、落ち着いた演奏でした。ソリストはNYフィルの
正団員で、お二人とも副首席の方です。副首席がソリストを務めるというのは、
あまりないのではないかと思いますが、別名「ソリスト集団」と言われる
(純粋な誉め言葉なのかは不明ですが)NYフィルでは別にどうということも
ないのでしょうか。コンチェルトだけでなく、「フーガの技法」のほうも、
ソロやセクションごとの掛け合いが多く、かなりの少人数での演奏が主でした。
普通少人数になればなるほど、音は当然薄くなるし、粗も目立つはずなのです
が、なぜかNYフィルは小編成の時のほうがむしろ、音が厚いというか、密度が
濃いと感じることがあります。アンサンブルも精度が高くなります(これは
当然か・・・)。これは管セクションよりも、弦セクションに関して特にそう
思います。思うにNYフィルというオケは、本来集団で力を発揮するはずの弦
セクションにおいても、ソリスト的要素が強く、ソロに近い状況になればなる
ほど、より本領を発揮するのかもしれません。

メシアンの「彼方の閃光」は、1992年のニューヨークフィル創立150周年を記
念して、ニューヨークフィルの委嘱によって作曲され、メータの指揮で初演さ
れました。全部で11楽章からなり、イエス・キリストの復活を表現した音楽だ
そうです。1時間近くにもなる大変長い曲でした。なんだかよくわからない不思
議な曲だな~というのが第一印象でしたが、キリスト教に関する音楽というこ
とがわかったあとで聴いてみても、その印象は大きく変わりませんでした。
オーケストラ全体で演奏する箇所というのが少なくて、弦のみ、木管のみ、
金管・パーカッションのみの楽章が順番にくり返されるという感じです。な
ので、不思議な割にはシンプルな感じがします。たぶんひと言で表現しろと
言われたら、「神秘的」という言葉を選ぶんじゃないかと思います。
演奏はどちらかというと淡々として、堅実な演奏でした。