らんまるのこや

音楽、トランペット、犬、子育て、旅行など

2003年6月20日(金)

2003-06-20 12:33:49 | NYPコンサート
1.NYフィルコンサート第三夜
「シーズンファイナル」
Aaron Jay Kernis/Simple Songs
マーラー/交響曲第2番「復活」

今日は座席がいまいちでした。初めて右側のボックス席(2階)に座った
のですが、音も良くないし、金管は見えないし(これとっても重要)、
おまけに隣のおじさんが、たいして聴いてもいないのに前に乗り出してきたり、
ビニールをガサガサさせたり、あげくの果てには読書を始める始末。
この時点で、序曲の半分くらいだったけど、もう絶対がまんできない!
と思って、ホールを見渡して空いている席を探し始めました。
そして、序曲が終わると、やっぱりダンナも同じことを考えていたらしく、
二人して猛ダッシュで4階の左側のボックス席へ。だって今日が最後なのに、
ちゃんと見たいし、聴きたいじゃないですか。


「復活」の終演後。フラッシュオフのうえ、遠いので、ボケボケですが、
一応金管セクションは全員入ってるはずです。

そして、いざ演奏が始まってみると、なぜだかトランペット、
それも特に1stの音が、妙にポンポン飛んでくるのです。しかも直接音に近い。
どうやら偶然にも「殿スポット」に座ってしまったらしいです。
これまたえらいところに・・・。
今日は全体を聴くつもりだったのにな~(←絶対ウソ)。
これでわかったのは、このホールはやっぱり音が上へ上へと飛んでくるらしい、
ということ。つまりステージから一番遠いところが、一番よく聴こえると。
でもこれも、ある一定レベル以上の演奏者に限られるとは思います。
よくコンクールの前などに、「2階席の一番奥の出口ランプに向かって吹け」
とか言われたものですが、上手い人は本当にそこまで飛ばして来るんですね。


プレイビル

今日は2日めということで、オケも少し慣れた感じがあり、出だしからスムーズ
なすべり出しです。マゼールさんの指揮は、昨日よりも少しだけゆったりと
いうか、丁寧な気がしました。
さすがにちょっとは疲れてるかなあと思った金管群は、まだまだ元気でした。
緊張感という意味では、やはり最初のオープンリハーサルの時が一番あった
と思うけど、まあそれは当たり前です。
それにしても、こんな大曲を3日も連続で演奏するというのは、やはり並の体力、
精神力ではできないと、実際に聴いてみて感じました。だって聴くだけでも
疲れるのに。
とりあえず、テクニックとか音楽性ももちろんだけど、このハードスケジュール
がこなせないと、メジャーオケでは働けないんですね。特にトランペットや
ホルンの人は本当にすごいと思う。
でも確かに、こんなハードな仕事で、無理な奏法をやっていたら、すぐに
つぶれてしまうだろうし、そう考えると、もちろん普通の人よりは体力とか
あるんだろうけど、それ以上に負担が少なく、効率の良い奏法がこの国の
金管界で確立されてきたのは、当然の結果のような気がします。


使用後のぶっちぎりチケット・・・(悲)。

それから、本当に感心したのは、その音量のすごさよりも、ピアノやピアニシモ
に落とした時の安定感と音色の美しさでした。
この曲は特に金管に、まるで木管のようなきれいで繊細なメロディーを演奏
させますが、そういうところの表現が本当にすばらしかったです。それに
パートやセクション間での統一感、アンサンブルも第一級でした。
例えば、終楽章のトランペットのHi-Cののばしは、正団員の3人で吹いて
いました。でも、それがわかってからも、1本で吹いているようにしか
聴こえなかった。
最初にffで当ててから、3番-2番と順番に消えて、最後に1番だけがp4つ
で残るんですが、この消え方もすごく自然で絶妙でした。
これは一人で吹くよりも数倍難しいと思うのですが、あくまで楽譜に
書いてあることを忠実に守ろうとする彼らのこだわりなんでしょうか?
本当は4番もあるんですが、おそらくエキストラの方だったので3人にした
と思われます。それくらい、お互いの間に絶対の信頼関係がないと、
ここまで完璧には合わないと思う。すごいパートだなあと思いました。

あと、トランペットとトロンボーンの1st同士のSoliも相変わらずピッタリ
合っていました。あまりに合い過ぎていて、ちょっと怖いくらい。
まるでこの世のものとは思えない音色でした。一人の人間が二つの楽器
を吹いているようにしか聴こえませんでした。
よっぽど音色の相性がいいんでしょうね。
トロンボーンとバストロ、テューバの中低音パートは本当にめちゃくちゃ
鳴っていました。この演奏の成功のカギは彼らの働きにあったと思います。
それにホルンパート。ここのホルンは「音」というよりは「響き」だけが
聴こえてきます。ちょうどオケの中心に一列に並んでいたのですが、
そこからまるで泉が湧いているかのように、音が湧き出してくるんです。
これがすごく気持ちいいです。
ここのブラスセクションは絶対マイナスイオンか何か製造してる気がするん
ですが、誰か測ってくれませんか?(笑)

えーっと、あまりに金管のことばかり書いているので、最後に少しだけ
全体のことを。
マゼールさんは、見るのは初めてだったけど、これだけ自由にオケを
コントロールできるというのは、さすがベテランという感じでした。
「復活」はもちろん暗譜でしたし。
前任のマズアさんと比べると、かなり緩急や強弱のつけ方が激しいので、
聴いているほうはおもしろいです。演奏するほうは大変でしょうが。
場所によってはバーンスタインより激しいところもあったくらいですが、
NYフィルは本当によくついていってました。
全体的にやはり少し弦が弱いかなあという気はしましたが、これがホール
のせいなのか、単に金管がでかいせいなのかはよくわかりません。
木管、クラリネットのドラッカーさんは相変わらずお元気そうで、よく
動いていました。あと、イングリッシュホルンのステイシーさん、
すばらしかったです。
それにしても、あのパーカッションの異様なまでの気合の入れようは
何だったんだろう?とにかくすごかった!
それにおもしろかった。

ということで、今回初めて、パワー全開&フルメンバー(プラスα)の
NYフィルを聴くことができたわけですが、昨年のマズアさんとのブル3や
タイタンで驚かれた方、彼らの実力はあんなものではありません。
マズアさんの演奏はそれなりによくまとまっていて、いいところもありま
したが、NYフィルの持っている力を全て引き出すという意味では、
やはり物足りなかったと思う。
もちろんフルパワーだからいい演奏になるかと言われれば、そうとは
限らないかもしれないけど。でも今回のように高度な要求をすればするほど、
いい演奏をするオケなんじゃないかなあと私は思います。でもこうやって
CDにもならず、忘れ去られていくすごい演奏が、世の中にはきっと山ほど
あるんですね。


2.終演後

今日も新たな出会いを求めて、恒例の楽屋裏へ。今日はできればマイヤース
さんかアレッシさんにアタックするつもりでした。
楽屋口を出ると左手に駐車場への入り口があり、右へ行くと大通りへ出ます。
昨日の時点で、首席は3人とも駐車場方面へ行くのを確認していたので、
今日は込み合っている入り口付近から少し離れ、駐車場の入り口あたりで
待っていることにしました。
しばらくすると、3人がほぼ同時に出てきて、それぞれ知人と話を始めました。
それを眺めながら、
「どうする?3人同時に来たら。」
「そらもう、逃げるしかないやろー。」
と、意味不明の相談をしている間に、突然、マイヤースさんが前の車道を
車の間をぬって、スタスタと渡って行くではありませんか。
「おーい、一体どこへ?」と見ていると、今度はなんと、アレッシさんまで、
その後を追ってスタスタ・・・。
そして、道路の向こう側に止めてあった車に二人で乗り込み、夜のNYへと
消えていきました。まさかそんなウラをかかれるとは・・・。
それにしても一体どこに行ったんだろう?単に家が近いとか、通り道なだけかな?

でもそのおかげ(?)で、スミスさんとは再びゆっくりお話しすることが
できました。
本当は今日は「明日帰ります。また日本で。」ってあいさつだけのつもり
でした。昨日あれだけ話せたし、ご本人も、時間も遅いし、明日もあるし、
早く帰って休みたいだろうと思ったので。
それにそんなに話せるほど英語できない(←最大の理由)ですし。
ところが、昨日と同じく、駐車場のほうへ歩いてきたスミスさんは、
私たちを見つけると、ちゃんと覚えていてくれ、彼のほうから「Hi !」と
声をかけてくださいました。そして、私たちが「明日帰ります。とても
楽しかったです、ありがとうございました。」
と簡単にあいさつすると、わざわざ立ち止まって、またいろいろとお話
をしてくださいました。

最初に「結婚してるの?」と聞かれ、「はい。」と答えると、
「どれくらい?」と言うので、「一年です。」と答えました。
「二人ともトランペットやってるんだよね?」-「はい、一緒に。」
すると、「じゃあ、デュエットとかやる?」と聞かれたので、一瞬答え
につまっていると、
「インターナショナルトランペットギルドって知ってる?」と言われ、
「はい、知っています。」
「メンバー?」-「いいえ。」
「実はその会員になると、無料で配布されるCDがあって・・・。」と
おっしゃるので、「はい、知っています。」と返答。
一体何の話かというと、要するに同じシリーズで、今度デュエットの
CDが出るから、会員になるか何かして手に入れて、やってごらんという
ことのようでした。
内容についても、たぶん作曲家のこととか、とても懇切丁寧に説明
してくれ(←でもほとんどわかってないヒト・・・)、
どれくらい丁寧かというと、なんとメロディーの一節まで歌ってくれた
のです!
くれたんだけど・・・できませんよぅ~、そんな超高速トリプルタンギン(涙)。
しかし、まさかこんなところで生トリプルを聴けるとは(楽器なしだった
けど・・・)。やっぱりすごいナ。
(注)この情報に関しましては、どこまで正確に理解できていたか
自信がないので、あまりツツカないようお願いします。

それから、「今日も雨で残念だったね。」と昨日に引き続き、とても温かい
お言葉に感激しているうちに、お別れの時間となってしまいました。
本当にご親切にありがとうございました!一生の思い出になりました。
今度は日本でお会いしましょう!!

そして帰り道。
昨日も思ったのですが、不思議なことに今日も話している最中、全然緊張
しなかったんですね。
で、これは後から気づいたのですが、NYに着いて最初のうちは、
向こうの人って結構早口だし、普通に話してもなんだか怒られてるような
気持ちになったりしてたんだけど、でも、スミスさんは話し方も声もとても
柔らかくて、それにずっとニコニコしながら話してくださったので、
なんかこう、リラックスできたというか。
あと、こちらの発音が悪くて聞き返されることも、街中では何度かあって、
「やっぱり通じてないんだな。」と思ってしまうと、その後、話すのが怖く
なったりしますよね。でもそれも彼との会話中は一度もなかったんです。
それどころか、こちらが何かひとこと言うと、すぐに何か答えてくれて、
おまけに会話が途切れる前に、ご自分でどんどん話題をふってくれたので、
「何話せばいいんだー?」とあせることもなかったし。
英語は話せなかったけど、すごく話しやすい人だなあと思いました。
・・・今、なんかすごく変なこと言いましたね、私。
それにこっちが全然聞き取れてなくても、いらいらしたり、あきらめ
たりせずに、根気よく繰り返したり、言葉を変えたり、ゆっくり話して
くれたりと、本当にとっても優しい方でした。
それにこれだけの地位にありながら、威圧感のようなものを全く感じ
なかったのも、不思議というか、すごいなあと。
これはハーセスさんの公開クリニックでも思ったことなんですが。
一流の方って、そういうものなんでしょうか?

以上で、らんまるのNYフィルレポートはおしまいです。相変わらず、
まとまりのない、すごくわかりにくい文章で本当に申し訳ないと思いますが、
少しでもこのコンサートの様子が伝わっていればうれしいです。
ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました。


カーネギーホールです。ホテルのすぐ目の前だったので、しげしげと
眺めてきました。

NY観光(2003年6月)

2003-06-20 11:43:38 | NYPコンサート

メトロポリタン美術館です。階段の途中で立っているのが私です。
かなり大きな建物です。
中も広くて、全部見ようと思ったら一日かそれ以上かかりそうでし
た。今回は一部だけ見ました。残りはまた次回(?)。
平日なのに、中は人でいっぱいでした。荷物チェックも一応ありました。
内容は時代も地域もものすごく広範囲なので、美術館というよりは博物館
のような雰囲気の場所もありました。(18日)


NYフィルの公演が一日だけなかったので、代わりにミュージカルを見ました。
「オペラ座の怪人」です。ミュージカルを見るのは初めてだったけど、とても
おもしろかった。英語は少ししかわからなかったけど、ストーリーはだいたい
わかったし、何よりも歌がものすごく上手くてびっくりしました。
今度は違うものも見てみたいと思いました。
日本人らしいお客さんも結構見かけました。(18日)


馬車です(見ればわかるって?)。観光用の、京都の人力車みたいなもの
でしょうか。これが普通に車道のど真ん中を、車と一緒に闊歩していたので、
びっくりしました。よく事故にならないな~と。
関係ないけど、犬もたくさんみかけました。いろんな種類の犬がいて、日本の
ような流行(チワワやコーギーなど)とかはあまりないようでした。(18日)


セントラルパークです。中はゆっくり見れなかったけど、ホテルからリンカーン
センターまでの間、毎日のようにそばを通りました。滞在中はずっと天気が
悪かったのですが、雨のおかげで緑がとてもきれいですね。
気温も日本よりだいぶ低くて、暑いと感じることは全くなかったし、逆に長袖
でちょうどいいくらいでした。(18日)


グラウンドゼロです。今、工事の真っ最中ですね。見学するのに整理券が
必要と聞いていたのですが、もう必要なかったみたいです。普通に周りの
金網の外から眺めることができました。
この日も雨でしたが、たくさんの人がいました。(20日)


エンパイアステートビルの上から撮った写真です。雨のため、眺めは
あまりよくありませんでしたが、さすがに高かった。ここまで高いと、もう
怖いとか感じないものですね。別に高所恐怖症というわけではないので
すが。(20日)


外から見たエンパイアステートビルです。でもこのビルだけじゃなく、NY
は全体的にビルが高くて空が狭いので、大阪に着いたときは、「おー、建物
が低いなあ。結構都会だと思ってたけど。」と思ってしまいました。
エンパイアはさすがにチェックが厳しくて、エックス線に金属探知機と、空港
なみでした。全員写真まで撮らされたので、そこまでするんかーと感心して
いたら、その写真は後で売られていました。記念写真だったのね。(20日)

2003年6月19日(木)

2003-06-19 12:05:19 | NYPコンサート
1.オープンリハーサル
「シーズンファイナル」
Aaron Jay Kernis/Simple Songs
マーラー/交響曲第2番「復活」

オープンリハーサルは朝9:45からでした。9:00過ぎにはホールに到着。
それにしても平日の朝っぱらからなんでこんなに人がいるんだろう?
リハーサルでこんなに人が来るなんて思ってなかったです。昨日と同じく
荷物をチェックされ、チケットをブッちぎられて、ホールの中へ。
今日は好きな席に座れるので、どこにしようかと迷った末、2階席の左のBox
(横の席)にしてみました。リハーサルなんてめったに見れないので、
オーケストラとかがよく見えるところがいいなと思ったのです。
この席はなかなか正解でした。
音も良かったし、ステージもよく見えました。客席は1階、2階がほぼ
埋まっていました。さすが・・・。


ロビーの壁にあった団員の写真です。
一番左上のホルンの人、誰だと思いますか?


1曲目は歌曲で、歌詞は英語。オーケストラは、弦にパーカッション、
それから管はホルンとフルートとオーボエが一人ずつの3人という編成でした。
ホルンはこの後「復活」なので、副首席の方かと思っていたら違いました。
難しいソロでもあるのかな?真っ白なトレーナーを着ていたので、
大きな体がさらに大きく見えます。
予定時間を少し過ぎてから、挨拶があって、いよいよ歌手の方と一緒に
マゼールさんが登場。ジーパンに赤っぽいトレーナーと、とても若々しい
感じでした。というより、本当に若い。リハーサル中一度も座ったりせず、
指揮の最中は飛んだりはねたり、棒さばきもとてもシャープでした。
それから予想どおり、ホルンはとても長くて難しいソロがありました。
でも親分は余裕の音色で完璧に吹いておられました。序曲はさっと一度通して、
少し指示を出すと、早々と終了し、その後休憩に入りました。


トランペットの3人を拡大してみました。ちなみにこれを撮ってるとき、
全然知らない人に「オー、サンヨー!」と言われた。三洋のカメラって
そんなに有名なのかな?


化粧室に行って帰ってくると、もうステージにはトランペットが5人。
いつもながらお早いご登場です。そして相変わらず楽しそうに談笑して
いました。ほんとに仲よさそうですよね。いいなー。
サリヴァンさんの姿がないので、やはりバンダのようです。
しばらくすると全員がステージに揃いました。このホールは後に席がないので、
合唱はステージに乗れるのかと思っていたら、ステージを前に少し足して広く
なってました。なるほどその手があったか・・・。
そして今日は金管は全くひな壇を使っていません。Tpは6人、Tbは4人、
Hrは1アシ付きで7人が並んでいました。Hrはラフ3の時もそうだったけど、
ブラバンのような横一列配置です。


これもロビーにあった、おそらく咳払い対策の大量のキャンディー。
好きなだけ勝手に取っていいみたいです。効果は不明。


「復活」は最初の弦の音からして、一昨日とは気合の入れ方が全然違いました。
まるで本番のような集中の仕方で、別のオケを見ているみたい。
でもさすがに金管は多少押さえてくるだろうなと油断していたら、
いきなりドッカーン!!「えぇっ?」
どっから聴いても明らかに本気モード。あの~・・・皆さん、夜にもう
一回あるって忘れてません?しかしそんな我々の心配をよそにボリューム
は上がってゆくばかり。そりゃあリハーサルとはいえ公開だから、
あまり手抜きできないのはわかりますけど。
そしてそのままどんどん曲は進んで、1楽章を通し、終わってから指示を出す。
そして同じように2楽章、3楽章と進みます。
曲を途中で止めるということは全くありませんでした。もうこのくらいの
レベルのオケだときっとそれで充分なんでしょう。
3楽章の冒頭のティンパニがあまりにすごい(大きな)音で、
マゼールさんも「そこまでやらんでいいよ」みたいなことを言ってた
らしく、客席から笑いが起こっていました。4楽章もとてもゆったりした
テンポで、丁寧で、かなりいい感じだったと思う。
Tpの音色も特上でした。やっぱり生っていいな~。
そして終楽章。これはもうとんでもないことになってました。詳しくは
本公演レポートにて。それにしてもなんでこれで最後までもつんだろう?
やっぱり恐るべし、金管セクション。もう大概慣れたつもりだったのに・・・。

ということで、リハーサルとは言いながら、演奏そのものはほとんど本番
と変わりなく、違うのは皆私服を着ていることくらい。
これが$14で聴けて、しかも席も好きに選べるわけですから、かなり
おいしいと思いますよ。
それにめったに聞けない指揮者の生の声も聞けるし、演奏者が何か相談したり、
楽譜にメモったりしているところも見れるし。
そういえば、「復活」の途中で一度、大先生が殿に何か耳打ちをしている
場面がありました。それでしばらく見ていると、それが
伝言ゲームのようにTpの端へ順番に回っていくんです。一体何の重要指令
かと興味津々で注目していたら、4番のエキストラの方の手元から、
何やら黄色い本のようなものが。
もしかして・・・単に「スコア貸して」って回してただけ?
正団員の皆さん。きっともう曲は頭に入ってるんでしょうけど、
誰か一人くらいはスコア持っときましょー(笑)。



2003年6月19日(木)

2003-06-19 12:01:49 | NYPコンサート
1.NYフィルコンサート第ニ夜

「シーズンファイナル」
Aaron Jay Kernis/Simple Songs
マーラー/交響曲第2番「復活」

さて、いよいよ「復活」本番です。でも正直、朝のリハーサルでかなり満足して
しまい、ちょっと感動が薄れるかも、と心配。
一曲め、朝は初めて聴いたので、「ふ~んこんな曲なんだー」程度で終わって
しまったんですが、2回めになると、結構いい曲だなあと思いました。
本番で初めて気がついたのですが、ステージの上に電光掲示板があって、
歌曲の場合はそこに全部歌詞が出るみたいです。この曲は英語なのでそのまま
だったけど、例えばドイツ語とかの場合はちゃんと英訳されていました。
歌も良かったし、ホルンソロもばっちりでした。


夜のリンカーンセンターです。
エイヴリーフィッシャーホール

そして「復活」です。トランペットはいつも通り早々とステージに上がって、
一昨日のラフ3の日もさらっていた、1楽章の最後のドミソの和音を3人でパー練
したりしていました。それからペンザレラさんはその後のソロを何回もやって
ました。皆さんよほどここがひっかかっているみたいです。
そしてその後、今度は3巨頭会談が始まりました。なんだか「本番前」という
感じで、こっちもドキドキ。
それにしてもこういう練習とか相談風景まで見えてしまうっていうのは、
私はすごく楽しいんだけど、他のお客さんはどうなんだろう?
アメリカの人はこれが普通だから何とも思わないかもしれないけど、
そうじゃない人はびっくりするでしょうね。


メトロポリタン歌劇場。

1楽章です。ちなみに今日の席は、4階席の正面で、少し左より。
上の階のほうがよく音が飛んでくるという話を聞いたので、ここ
にしたんですが、確かにかなりよく聞こえました。特にトロンボーンが
ガンガン来ました。金管はばててる雰囲気も全くなく、無用の心配だった
ようです。それどころか朝よりさらにパワーアップしてました(笑)。
さっき練習していた1楽章の最後は、ラストから2回めだけちょっと惜しかった。
あとは完璧でした。どんなハイトーンだろうが、超絶技巧だろうが、
楽々吹いてしまう人たちでも、やっぱりこういうところってすごく神経使う
んですね。

2、3楽章はリハーサル通りスムーズに進みました。マゼールさんは疲れも
見せず、とても楽しそうに振っていました。本当にお元気なことで。
3楽章冒頭のティンパニはそれでもやっぱりでかかった・・・(笑)。
4楽章もとてもたっぷりと歌わせてくれて非常によい演奏でした。

終楽章。頭からいきなり大爆発。急にオケの人数が倍増したみたいです。
一番感動したのは私の大好きな142小節めからの金管。
最初トロンボーンがppで入って、その後pでトランペット、そしてそこから
一気に金管全部でフォルテシモまで持っていくわけですが、
ここがものすごく良かった。4分音符で下降しながらfからffまで
クレシェンドするところも、マゼールさんはバースタインよりも
ねばっていて、そのテンポで金管は音符の長さ分きっちり延ばしながら、
一つ一つクレシェンドしてきます。この音量の上げ方もすごかったし、
その上音色が本当にオルガンみたいにきれいに響いていて、今まで聴いた
「復活」の中では、NYPのものも含めて最高でした。
もうこれ以上は、とても私の乏しい日本語では表現できません・・・。
それからトランペットのHi-C(これについてはまた明日)の後の
パーカッションのクレシェンド。これがまたすさまじかった。
本気でホールが割れるんじゃないかと思いました。ドラの隣のTpの
エキストラの人は、耳栓をしたうえ、手で耳を塞いでいました。
マゼールさん、それはちょっとやり過ぎです・・・(笑)。良かったけど。
バンダは最初裏で吹いていて、出番が終わると、今度はステージに一番近い
3階の横の客席に出てきます。そして最後は皆で参加。
この上まだ増強しますか・・・。
そういうことで、フィナーレはかなりとんでもない音量になっていましたが、
おかげでお客さんは総立ちで大歓声でした。いや~本当にすごい演奏だった。
一日2回聴いても全然退屈しなかったし。皆さんお疲れ様でした!

マゼールさんは、全体としては特に遅すぎず速すぎず、割と心地の
良いテンポで、その代わり、ここというポイントはかなりおおげ
さに表現してきます。強弱もそうだし、ためたりねばったりする時も、
半端がないというか。でも不自然なところが全然なくて、そういう
緩急のつけ方とか、メリハリをつけるのがすごく上手だなあと思いました。
それにオケもよくコントールしていて、ばらついたりすることも全くなかった
です。NYPものびのび演奏していたし、長所がとてもよく生かされていました。
今回金管はひな壇がなかったので、もしかしてマゼールさんは金管を
押さえてくるんじゃないかと最初は思ったんですが、これはむしろ逆だった
ようです。
つまり、「ひな壇なくしといたから、遠慮せんとガンガン吹いてや~」という
感じで、もうフォルテのところは思いっきり吹かせていました。
しかもいくら吹いても音色がつぶれないので、全然うるさくなくて、
逆にめちゃくちゃ気持ちが良かった。
明日もがんばって聴くぞ~!!

2.終演後

せっかくNYまで来ましたので、だめもとで、皆さんの姿が近くで拝めるだけ
でもと思い行ってみた楽屋裏でしたが、とても幸運なことにスミスさんと
お会いして、お話しすることができました。
楽屋口はホールのちょうど裏側の右端(正面からだと左端)、ちょうど
ジュリアードスクールの向かいあたりに、小さい扉があります。
だいぶ経ってから出てこられたので、その間かなりドキドキでしたが、
何人かの人とお話されてるのを横で待って、一番最後に声をかけてみました。
「日本から聴きに来た。」というと、とても喜んでくれ、「今度、
ブラスクインテットで日本に行くんだよ。」とおっしゃるので、
「はい、もちろん知っています。奈良と大阪の公演に行きます。」と
答えました。あと、細かいところは聞き取れなかったんですが、
来日の直前まで仕事で別の場所にいて、そこから直接大阪に行く、
というようなことを言っておられました。帰ってからHPを確認すると、
確かにNYPのツアーで、来日の直前までイタリアのSardiniaへ行っている
ようです。大変ですよね。

それから、今日は夜の本公演と朝のオープンリハーサルを聴いたことを話し、
おまけに「明日も聴きに来ます。」と言ったら、「全部同じ(プログラム)
だね。」と笑ってました。やっぱり変だったか・・・。
他にも、「こっちには1週間くらいいるの?天気が悪くて残念だったね。」
とかいろいろと話しかけてくださいまして、本当にとても話し易く、
フレンドリーな方だなあと思いました。
そもそも、どこの馬の骨かもわからないようなド素人相手に、こんなに
いろいろ話してくれるなんて、思ってもみなかったもので、ちょっと
びっくりしてしまいました。
最後に写真をお願いしたら、快くOKしてくださいました。お疲れのところ、
本当にありがとうございました!




終演後にご挨拶に行き、撮っていただいた写真です。
すぐ後ろに楽屋口があります。

ここから先は蛇足です。
実はこのちょうど1年前、NYPの来日公演真っ最中で、3公演めの名古屋のとき
の楽屋裏で、初めてスミスさんのほうから声をかけてもらったことが
ありました。と言っても、サインをお願いしたときに「How are you?」と
言われただけなんですが、
でもそのときはそれさえも聞き取れなくて、一瞬「ん?今何か言われたぞ?」
それでしばらくしてから、あ~そっかって気づいたものですから、完全に
答えるタイミングを逃したわけですね。これがもう、ものすごく悔しくて、
「絶対英語勉強するぞ!」と決心してから一年。(しかも偶然ながら、
その名古屋事件も6月19日だったと帰国してから思い出した。)
その時に比べたらだいぶマシとは言え、今回もせっかくこんなにいっぱい
話してくださったのに、もっと聞き取れたらと、とても残念でした。
それでも、今度もし会えたら、下手でもなんでもいいから、とりあえず
こっちから一言でも何か言おうと決めていたので、それが叶って良かったです。
これで一年前の失礼も挽回できたかなあと。もちろんご本人は覚えてる
わけないけれど。

不思議だったのは、会うまであんなにドキドキだったのに、話している
最中全く緊張しなかったこと。私たちはふたりともかなり人見知りで口下手で、
初対面の人や目上の人とは全然しゃべれないタチなんですが・・・。
単に開き直っていただけなのかな?
で、この後ホテルに帰って寝たんですが、ダンナはこっちに来て初めて
熟睡できたらしいです。
でも私は夜中に急に緊張して寝れなくなりました。確かに昔から人より
トロいだの、ワンテンポ遅いだの言われてはいたけど、本当に遅いぞ自分・・・。

そして翌朝、「今日は絶好調、時差ボケも治ったし!」と元気はつらつな
ダンナに対し、「もう明日帰るねんでー・・・。」と超低いテンションで
ツッコム私。
でも言葉が通じるのがこんなにうれしいものだとは思わなかった。
ダンナだって少し前まで、「日本人は日本語でええ。」とかのたまって
いたのに、今や、「え?そんなことゆうとったっけ?」と言っています。
それにつけても、やっぱり語学はヒアリングですね。実際に海外へ行って
みて実感しました。これからも勉強したいです。

2003年6月17日(火)

2003-06-17 11:57:31 | NYPコンサート
1.ニューヨークに到着


エイヴリーフィッシャーホール

同日の朝、大阪伊丹空港から成田へ飛び、約半日の時間をかけてNYに到着。
なのにちっとも時間が経ってない!やっぱりすごく変だ・・・。
とりあえずホテルに着くと、休憩する間もなく、とりあえずリンカーンセンター
へ向かいました。目的はすでにオンラインで購入していた本公演3日分のチケッ
トを受け取り、さらにオープンリハーサルのチケットを買うこと。
ホテルからリンカーンセンターまでは歩いても10分くらい。思ったより近かった
です。
初めてNYの街中を歩いたわけですが、とりあえず工事やら車の音で、すごく
騒がしいな、というのが第一印象。大阪生まれの私が思うほどのものでした。


そしてリンカーンセンターに到着。最初に生で見たときは、やっぱり少し感動
してしまいました。というか、まさかほんまにここまで来るとは・・・。
とりあえず中に入ってみると、すぐ目の前にボックスオフィスらしきものが
あり、人が並んでいたので、並んでみることに。順番が来たので、NYフィル
からのメールのコピーを見せて、「このチケットを受け取りたい。」というと、
最初、「何か問題でもあるんですか?」みたいなことを言われたが、しばらく
してわかってもらえたようで、ちゃんと受け取ることができました。ダンナは
初めての海外ながら、なかなかの奮闘ぶりでした。


メトロポリタン歌劇場


オープンリハーサルのチケットは現地でしか買えなかったので、売り切れとか
だったらアウトだったのですが、大丈夫でした。
ということで、一番重要なチケット8枚を手に入れることができ、ひと安心。
これさえあれば、あとはなくても・・・いやそれは違うゾ。その後はもうホテル
に帰って、夜に備えて休憩しました。


ジュリアードスクール


2.NYフィルコンサート第一夜

ラフマニノフ/交響曲第3番
ローザ/ヴァイオリン協奏曲
ラヴェル/スペイン狂詩曲


開演は19:30。かなり早めに行ったのですが、ロビーは人でいっぱいでした。
右と左に2箇所ずつ行列ができていて、何かと思ったら、開場待ちの列でした。
階段とエスカレーターの前に警備員と女性がいて、警備員がカバンの中身
をチェックし、女性がチケットを切っていました。荷物検査はあるだろうな
とは思っていましたが、それ程厳しいものではなく、チラッと中をのぞく程度
でした。警備員の人はいい人で、「楽しんできてね。」と声をかけてくれました。
案内係の女性も親切で、頼んでもいないのにチケットを見て、席を教えてく
れました。
今日の席は、2nd Tier Center (3階席の正面)の左よりでした。ステージは
京都コンサートホールくらい遠いのを予想していたのですがそれほどでもなく、
ホール自体は、全体的には正方形のようなイメージでした。


ボックスオフィスです。
昼も夜も人が並んでました。ホールの入り口を入ってすぐ、正面にあります。


今日は1曲目がシンフォニーだったので、ステージ上にはいつものメンバーの
姿がありました。Tpはサリヴァンさん以外の3人、Tbは2ndがフィンレイソン
さんではなく、副首席のマーキーさんでした。
マゼールさんが登場していよいよ開演です。一体どんな響きがするのかと
わくわくしながら聴いていました。ホールの印象は、やはり少し乾いた音が
するなあという感じ。そして、その割には何かはっきりしない、もやもやした
感じもありました。
でも、金管にはあまり関係ないようで、いつものゴールデンサウンドが響いて
おりました。


ホールのロビーです。外に噴水が映っています。


2曲目はコンマスのディクトロウさんのソロで、ヴァイオリン協奏曲。
ディクトロウさんは相変わらず安定したすばらしいソロでした。
マゼールさんも満足そう。結構大きな編成で、金管もパーカッションも
ガンガン鳴っていました。でも、「復活」に備えてか、親分も大先生も降り番。
木管にいたっては誰一人首席が乗っていないという状況でしたが、特に問題も
なく、さすがに層が厚いなあという感じでした。ちなみに2曲目の前に、
殿とペンザレラさんは思いっきり「復活」をさらっていた。しかも2人とも、
1楽章のラスト。どうも気になっているらしい。

3曲目、ラヴェルのスペイン狂詩曲。3曲の中ではこれが一番良い演奏でした。
メリハリもあって、ラヴェルの独特の雰囲気もよく出ていたし、楽しい演奏
でした。でも親分、大先生両首席は引き続きお休み。そんな中、一番に休む
べきはずの殿は一人全乗りしておりました。3曲とも確かにTpは大変そう
だったけど、サリヴァンさんが全く出てこなかったので、単にお休みで
代わりがいなかっただけかもしれません。まあ、ソロはびっくりするくらい
デカイ音で吹いていたし、きっとへっちゃらなんでしょう。
この後アンコールもあって、お客さんは大変喜んでいました。
なかなかサービス精神旺盛です、マゼールさん。

以上、第一日目は、さすがに着いた当日ということもあり、ちょっと
しんどかったし、眠くなったりもしたけど、まあ「復活」に
向けての耳鳴らしということで。今日はこれにて。





ぼくのいちにち(2)(2003.1~6)

2003-06-09 22:18:20 | らんまる・犬

なんかちょうだ~い・・・って、なんもないやん!


頭皮チェックでございます。


え~っ、またお手?なんにもくれへんくせに・・・。


あぁーそこそこ、ええ気持ちやなあ。たまらんわ。


おねえちゃんもなでてぇなー。


はよ散歩行きたいなあ・・・。お父さんまだかな?


おねえちゃんのアメリカみやげやて。どお?似合う?


う・・・つかまってもうた。


ぽかぽか散歩日和。


いやあ、すっきりやわ~・・・ってどこ撮ってるねんな!