らんまるのこや

音楽、トランペット、犬、子育て、旅行など

2002年 マズア/NYフィル 京都公演

2002-06-22 00:04:00 | NYPコンサート
2002年6月22日(土) 京都コンサートホール

19時15分開演
ブルックナー;交響曲第3番ニ短調<ワーグナー>
ワーグナー;歌劇<タンホイザー>序曲
ワーグナー;楽劇<ニュルンベルクのマイスタージンガー>より第1幕への前奏曲

とうとう最後になってしまいました(我々が)。おなじみの京都
コンサートホールです。ここは大学時代定演で演奏したこともあるし、
プロ・アマを含めてたくさんのコンサートを聴いてきました。
そして結論、このホールは音が通らないうえに、遠くてもやもや
としか聞こえない。特にらっぱは聞こえづらい。どこが一番よく聞こ
えるかと、いろんな席でためしてみたけど、どうもいまいち。
そして遠すぎたり、真横を向いていたりで、舞台の人達がよく見えない。
そんなホールでもNYPなら鳴らしきってくれるんだろうか?
今日は視覚的なことはあきらめて、音響重視で3階席の一番前に席をとった。
オケの人達は米粒ぐらいにしか見えないけどしょうがない。

マイスターの前。サリヴァンさんが一人で基礎練をしている。
私たちもやってそうな普通のやつ。調子でも悪いのかな?と思っていたら、
おもむろにものすごい基礎練(?)をやり始めた。ハイトーンに
リップスラーでパラパラ、パラパラと吹いている。あまりのすごさに
目が点になる。Tbに続いてらっぱの2人も出てくると、なにやら殿と
Tb陣で密談をしている。もしかして、「このホールひびかへんし、
今までより20%ぐらい増量でいっとこかー」とか?そして結果を
ペンザレラさん、サリヴァンさんにもまわす。炸裂注意報発令か?!

始まって見ると、やっぱり気のせいじゃなく、東京より音がでかい。
ラストはかなり本気モード。3番のサリヴァンさんもがんばっていて、
音がカーンと抜けてくる。トランペットってかっこええなあといまさら
ながら思う。まだ序曲なのにちょっと鳥肌が・・・。

タンホイザー。殿と親分はやっぱり降り番。マイスターに続きTbが
鳴らしまくる。とても京都コンサートホールとは思えないほど、
音がカンカン飛んでくる。それにしてもテンポが速い。まるで、
制限速度はプラス20、黄色は急いで行ってまえー!の大阪ナンバー
の車のようだ・・・
人生そんな急がんでも、とかいう意見はやっぱり却下ですか?

ブル3です。いつものように早めに出てきた殿が、座ったと
思ったらまた立った。どこへ行くのかと見ていると、なんと
親分のところ(Tp・TbとHrは木管を間にはさんでちょっと離れている。)
へ行ってなにやら囁いている。しかも笑っている・・!増量隊長が加わる
ということは、警報ですね?!もう思う存分いっちゃってくださいませ。
始まる前、いきなり男性陣が上着を脱ぎ始めた。何をする気かと思ったら、
どうも暑いので脱ぐことになったらしい。さすがアメオケ。
それにしてもなかなかおもろい風景である。

ブルックナーはタイタンやエロイカの時とあきらかに吹き方を変えている。
まずタンギングの音がしない。かといって、ふわーっと後押し系でもなく、
音の頭ははっきり出している。言葉にするのは難しいけど、響きだけで
全ての表現を吹きこなしている感じ。もちろんブラス全体で。サウンド
的にはピアノとオルガンを同時に鳴らしたような・・・それか、
ペダル踏んだときのピアノの音・・・う~ん、どう言えばいいんだろう?
とにかくこれがすごくいい。
全ての音を長めに余韻を残していて、スタッカートもやわらかめ。
でも絶対ベタ吹きにはならない。
フォルテもピアノもこれだけきれいに響かせながら、それでいて、
発音やリズムはきつくならないように、でもはっきり吹く。これは相当
息で楽器がコントロールできてないと、難しいと思う。たいていは、
やわらかくというとふわーっとした発音に後押し、はっきりといえば
きついタンギングで音も短くなってしまう。フォルテはベーベーで、
ピアノはスカスカ、プロのCDでもらっぱに関しては、結構こういうの
が多いんです。ほんとにブルックナーは金管の実力がばれる曲だと思います。
あと、ブラスセクション全部が見事に統一されていたのにはびっくりでした。
ピアノは弦や木管よりも落としてくるのに、フォルテになるともうホール
中から音が湧き出てくる感じで、しかも全然うるさくなく、逆に最大音量
を浴びるのが気持ちいいくらい。あれはきっとマイナスイオンかなんか
が出ているに違いない・・・。耳からじゃなく身体全体から音がしみ込んで
くるみたいでした。
たぶん東京より30%くらい増量で最後まで吹ききり、ちゃんと鳴らす
オケだったら、残響も長い、なかなか良いホールだということが判明。
さすが普段、音響の悪いことで有名なエイヴリーで吹いているだけあって、
まだまだ余裕って感じですね。

そして今日も一番に立たされたのは親分ではなく殿だった。
まあタイタンは親分だったしなあ、あとエロイカも。
Hrはおいしい楽器だ。殿や大先生の音はもちろんすばらしかったけど、
正直親分の音には唖然とさせられた。あのHrを聴いてしまったらもう、
普通のHrは聴けません。どのホールでもHrへの拍手はひときわ大きかった。
Tp、Tbは今回そこまで目立つところはなかったけど、その分パートや
ブラスセクションでひとつになって、とても堅実な仕事をされていたと思う。
皆さん本当にお疲れ様でした!

アンコールは例によって金管オンリーの「アメリカ」。めずらしく殿は、
最後ちょこっとはずしていた。さすがに増量疲れかな?っていや、
そんなブルーにならないで~。・・冗談はともかく、みんなが去り始めて
も椅子に座ってぼーっとされてたもので。明日もタイタンだし、
今日はゆっくり休んでくださいな。
最後は親分のシコ踏みで終了。なんだか大人気の親分、ステージから
消えるときにも拍手をもらっていた。さすが京都は学生が多いだけあって、
今までで一番楽屋裏が賑わっていた。だいたいここの楽屋裏は
位置がおかしい。だって裏じゃないんだもん。
例によってマズア氏とコンマスのディクトロウさんを除けば、
ほとんどの人は大先生待ちのもよう。出てきたとたん総攻撃に会っていた。
やっぱりとても勝ち抜けない。
またこの次にしよう(いったいそれっていつなんだか・・・)。
殿はやっぱりお疲れぎみみたいで、あっさりバスに乗られてしまった。
本当にお疲れ様、次は絶対NYに聴きに行きますね!親分も今日で見納めかー、
と見送っていたら、おんなの子たちに囲まれてきゃーきゃー言われていた。
すごい人気だ。しかも「わー、バスに乗ってるー」とかそんなことでも大騒ぎ。
席はもちろん2人分確保してありました。

さて、翌日大阪から広島へ帰り、しばらくしてNYPのホームページを見てみると、
ここにはツアー中のレポートが写真つきで載せられているんですが、
なんと東京での日本最後のコンサート(タイタンプロ)、アンコールが
金管五重奏だったらしい。おいおい・・・。
もちろん首席3人とサリヴァンさんにチューバのトラの方
(デックさんは休団中だそうです)で。
そんな殺生な、マズアのおじさ~ん!なんか一等賞が当たってよろこんでたら、
すぐ後ろで特別賞当てられたみたいな気持ち。どうでもいいけど、
いくらなんでもアンコールで金5はないのでは?いやほんとに。
でもここまで金管信用してもらえると、なんかもうちょっとマズアさん
に居てほしい気がします。

マゼールさんはNYPの録音もないし、どんな感じになるのかわからないけど
、お願いだから金管おさえるのだけはやめてくださいね。
NYPは金管なんですよ~!
そんなこんなで、この後NYPは、さらに台湾と韓国でもツアーを行い、
ニューヨークへ帰られたもよう。
しかも日本に来る前にドイツにも行っている。えらいことです。
韓国では皆で赤シャツを着てアンコールをしたのだそう。そういえば、
ちょうどワールドカップ決勝トーナメントの最中に日本にやってきて、
終了と同時に韓国から去っていったんですねえ。何もわざわざこんなとき
にアジアツアーなんて・・・。マズアさんサッカーの大ファンだったとか?

(おまけ)
「ある日常の会話より」

らんまる:でもCDで聴くのと違って、生やと結構良かったよなぁ、マズアさん。

ダンナ:そうじゃねぇ、やっぱ生で聴かんと。

らんまる:まあ、確かにワクワクするとか、「やっちゃったー」みたいな
面白さはないけど、よくまとまってたし。

ダンナ:というか、金管にアンコールやらしとる時点で、ある意味
「やっちゃった」じゃけどね。

らんまる:そっか、確かに他の、ニューヨークかシカゴ以外のオケ
でやられたら、うちでもヒクかも・・・。

ダンナ:弦の人とかはどう思っとるんじゃろね。

らんまる:う~ん・・・。

2002年 マズア/ NYフィル 福岡公演

2002-06-21 23:56:39 | NYPコンサート
2002年6月21日(金) 福岡 アクロス福岡シンフォニーホール

19時開演
ベートーヴェン;交響曲第3番変ホ短調<英雄>
トゥリン;ヘミスフィアズ
バルトーク;弦楽のためのディヴェルティメント

2回目の「エロイカ」です。福岡にも初めて来ました。
日本って意外と広いな~。またしても大阪から飛行機で飛んでまいりました。
さすがにしんどくなってきて、夕方まで観光もせずホテルでぼーっとサッカー
を見て過ごしました。そいえば今日はアメリカ戦だっけ、
アンコールなしかな?

さて、相変わらず霧の中だった序曲が終わり、続いてさらによくわから
ないサブが始まる。2回目だから前回よりはましかと思ったけど、
やっぱりさっぱりでした。しょうがないので観察に集中。そういえば
前の時も思ったけど、この曲の間殿と大先生はしょっちゅうベルを振って
いました。すごく変拍子の曲なのでセクション内できっちり合わせよう
ということなのかもしれません。

休憩が終わってメインの「エロイカ」。殿は今日も早出だけど、
しゃべる人がいなくてつまらなそう。ペンザレラさんはあくびばっかり
しているし。そりゃあこの日程では疲れもたまりますよね、
聴いてるだけの私たちでもたいがいしんどいんですから。演奏も
横浜に比べるとちょっと集中力に欠けていた感じはしましたが、
とくにあぶなげもなく無事に終了。

アンコールは横浜がなかったし、ブラスアンサンブルをやるには
トロンボーンがいらっしゃらないので、今日もないだろうと思っていたら、
1曲だけやってくださいました。「エグモント」序曲です。
実はマズアさんの振っている「エグモント」のCDでは、曲の最後のほう
のTpのF-A-Cという楽譜の「C」の音を、実際よりオクターヴ高い「High-C」
に上げて吹いています。たぶん音楽上はそのほうが自然だからという
理由からだと思うのですが。
なので今回も期待して聴いていたら、ちゃんとオクターヴあげて吹いて
くださいました。とってもきれいで、丁寧で、音程も音色も完璧なHigh-Cで、
少しも不自然さのない音に感動しました。これが「本番で使える音」
なんだな~と。
それにしても一体何人の人がこのオクターヴ上げに気づいているんだろう?
と思ったらちょっともったいない気もしましたけど、曲が終わった後に
マズアさんがTpの二人を一番に立たせたのにはびっくり仰天しました。
「エグモント」でらっぱを立たせるなんて前代未聞、絶対にありえません。
でもマズアさんの気持ちわかりますよ~、いい仕事してますものね、
トランペット。

終演後例によって楽屋口に行くと、すでにマズアさん待ちらしき人々
の行列ができていました。ちょっと離れて様子をみていると、
白いシャツの前を大きくあけてクロスのペンダントをしたペンザレラ
さんが登場。いつもながらおしゃれですよねぇ・・・。よく似合ってました。
次に親分のご登場、また思わずよけてしまった。階段を一生懸命上って
いくのを見守っていると、しばらくして殿も登場、今日もグリーン&グレー系
の地味な服装でした。ペンさんとのこのギャップは一体・・・?
本日は皆さんかなりお急ぎのようでした。
明日はまた飛行機で大阪に帰って、車で京都です。ホントにハードだ・・・。

2002年 マズア/NYフィル 名古屋公演

2002-06-19 23:53:30 | NYPコンサート
2002年6月19日(水)名古屋 愛知県芸術劇場コンサートホール

18時45分開演
マーラー;交響曲第1番ニ長調<巨人>
バーンスタイン;セレナード(プラトンの「饗宴」による
ソロ・ヴァイオリン、弦楽合奏、ハープと打楽器のための)

昼前に大阪に帰り、14時頃には再び大阪を出て車で名古屋へ。
さすがにハードです。でも今日はマーラーだし、期待しよう。
着いてみるとNHKのお隣の芸術文化関係の施設が集まったかなり
大きな建物の中でした。そういえば名古屋も初来訪・・・。
というわけで序曲。といっても弦だけなので、半分くらいは夢心地だった。
面目ない。当然のごとくソロは,コンマスのディクトロウさんで、
すばらしいソロでした。パーカッションもあって結構にぎやかだったけど、
曲的にはバルトークのほうがおもしろかった気がした。
序曲では結構音が遠くて響きにくいホールのような気がして、
マーラーに少し不安が・・・。

休憩時間も始まったばかりだというのに、Tpは全員舞台に出て来た。
また引っ込むのかな?殿は今日は誰としゃべるんだろうと思って見ていたら、
Tbの副首席のマーキーさんとだった。どうでもいいんだけど・・・。
殿、ペンザレラさん、サリヴァンさんが舞台そでに消えて、
いよいよマーラーの始まりです。最初木管が少しばらついていてはらはらする。
特にObさんの調子が悪いよう。でも裏ラッパは完璧でした。
扉は閉めていたので、音は小さいんだけど、全部の音がはっきり聞こえるし、
3本がほんとにひとつに聞こえた。プロやな~。中に入ってくる時、
床がぎぃ~っと鳴ったり、座ってから次のソロまで間がなかったりしたのに
はこっちがあせったけど、ご本人はいたって落ち着いていた。
そして今日も聞こえる地鳴りのようなホルン、親分も好調のようです。
マズア氏はいつもどおりのサクサクとしたテンポで、でもまあタイタン
やしいっか・・・。9番をこれで行かれるとつらいけど。最初の木管を
除けば特にあぶなげもなく、1,2楽章は終わる。でもやっぱり横浜、
東京に比べると、少し音が遠いなあ。タイタンは今日しか聞けないし、
不完全燃焼だけはやめてね。

3楽章、Obがほんとにやばそう。どうしたんだろう?でも全体的には
すごくきれいで良かったと思う。
らっぱ1,2番のメロディーはもちろん完璧でした。Pでも縮こまった
硬い音じゃなく、ちゃんとホールの隅まで響いていて、らっぱだけじゃなくて
ホルンもだけど、とにかくPがきれいです。あと安定してます。
比べるわけではないけど、この曲はほんとに木管が気になりました。
個々は上手いんだけど、Pが妙に大きかったり、パート内、パート間で
吹き方がそろってなかったり、ちょっと残念でした。
4楽章の冒頭。一瞬記憶がとびました。ホールが響かないとかいう
心配はまったく不要だったことがここで判明。どうもff以上になると
一気に5段階ぐらい音量レベルがあがるみたいです、この方たちは。
この時点ですでに金管しか聞こえません。やっぱりCDどおりやね~と
妙に納得。そしてここに来てまだまだ元気な大先生率いるTbが
ガンガン吹き始める。こうなるともう誰にも止められないでしょう。
4楽章はまさにブラスセクション独壇場になってしまいました。
まあ予想はしてたけど・・・予想以上でした。
しかも、冒頭が最大レベルだと思っていたら大間違い、ラストに
近づくにつれてさらに音量が上がっていく。一体どこが限界なんだろう?
らっぱなんてたいてい最後は勢いだけで、音はかすってくるのに、
殿はいつまでも余裕だし、Hr,Tbともに元気はつらつ!
もう一回吹けるで~ぐらいの感じでした。恐ろしいことです。
「タイタン」はかなりきました。ピアノからいきなりフォルテで
ブラス群が入ってくる時のユニゾンには、あまりのすごさに鳥肌
たちまくりでした。どんな音量になっても、音色がつぶれないし、
ごちゃごちゃしたり、もやもやしたところが全くなく、迫力があるのに
繊細な演奏なんて、今まで聴いたことがなかった。これを生で聴けるなんて、
本当に夢みたいでした。NYに住んでたら、このメンバーで、「復活」
とか「マラ3」、「マラ5」なんてのも聴けるわけで、それを思うと
くやしいけど。

アンコールは今日も「アメリカ」だろうと思っていたら、何を思ったか
「マイスター」を始める。
でもってその後さらに「アメリカ」。ほんま何考えてはるんやろ?
序曲が弦だけだったのは、金管を休ませるためとかでは全然なかったらしい。
それにしてもなんてお得な名古屋のお客。終了後楽屋口へ。
結構待ってる人がいて安心。親分が登場したが思わずよけてしまう。
その後大先生。ほとんどの人はこの方待ちらしく、取り囲まれて接近不可能。
またまたこの次ということで。さすがNYPいちの有名人ですね。
しばらくして殿のご登場・・・かと思ったら、なんか入り口で
立ち止まっている。どうしたんだろう?と見てみるとドアを開けたまま
他の団員さんに道を譲っていたのでした。いい人です。今日はサインを
もらう時に「How are you?](たぶん)と言われた・・・けど
何ていったかわかるまでに10秒くらいかかり、答えるタイミングを
逃してしまった。ごめんなさい・・・ハー、英語できるようになりたい(涙)。

まあくんず with NYフィルトランペットセクション(1)

2002-06-18 23:49:18 | NYPコンサート
2002年6月18日(火) 東京 紀尾井ホール

19時開演
<出演> (敬称略)
~NYPトランペットセクション~
Philip Smith
Robert Sullivan
Vincent Penzarella
Thomas V. Smith

~まあくんず~
大隅 雅人
杉本 正毅
服部 孝也
中山 隆崇
小野本 明弘
三澤 慶
田中 敏雄
高橋 敦
澤田 真人

<プログラム>
1. FESTIVAL EANEARE for Eight Trumpets / J. Turrin
2. CANZON / S. Scheidt
3. Dance Suite from "TERPSICHORE" / M. Praetorius , Markuns
4. VOCALISE(World Premiere) / J. Rensink
5. GERSHWING(World Premiere) / G. Gershwing , J. Rensink
6. FANTASIA for Seven Trumpets / E.. Ewazen

7. CONCERT PIECE for Eight Trumpets / B. Brougton
8. CANZONA / D. Sampson
9. Suite for Six Trumpets / D. Horton
10. WE FOUR KINGS(World Premiere) / M. Davis
11. SINFONIETTA / L.. Janachek , A. Onomoto

まあくんず
NYP
まあくんず&NYP

今日はサントリーホールの次の日。ほんとは今日大阪に帰って、
明日名古屋に車で行く予定だったが、このコンサートがあることが
わかったので急遽いちにち滞在をのばした。おかげで明日は大阪
に着いてすぐまた名古屋に向かうはめに。まあなんとかなるでしょう。
ということで、世にもめずらしいらっぱだけのコンサートです。
NYPの皆さんはもちろん、日本側の方も、皆さんトップクラスの方
ばかりのようなので、きっとすごいことになるんではないかと。
ホールはこじんまりしていて、とてもきれいでした。

最初は「まあくんず」で、曲はNYレジェンドの、確か真ん中ぐらいに
入ってる曲。そういえばこの曲もTurrinさんだったんですね。
なんとなく音が硬い気はしたけど、迫力のある演奏で、大変満足でした。
さすがオケの方がほとんどを占めているだけあって、しっかりとした音
を出されているな、と思いました。この後の演奏も大期待です。

2曲目、NYPの登場です。まず驚いたのが、ペンザレラさんのいでたち。
みんなスーツなんだけど、シャツが赤い!おまけにネクタイは黄色?!
えーっと・・・でも似合ってます、すごく。対する殿は、これまた
普通の白シャツにブルーのネクタイと、いたって地味で、なんだか
会社帰りのお父さん。サリヴァンさんにトムさんはさわやかですねー。
演奏が始まって見ると、またまたびっくり、なんとトムさんがトップを
吹いている!そして肝心の殿はというと、涼しい顔で4番なんぞを吹いて
いた・・・首席なのになんて人だ。
たぶんトムさんの経験のためなんでしょうけど、何も自分が4番に
いかなくてもいいのでは?いや別にいいんですけどね。そしていつも
と全く逆バージョンでも、音楽が成り立ってしまうところが怖いNYPの
皆さんでした。

3曲目は「まあくんず」。ピッコロやフリューゲルもある大編成の曲で、
なんだかとても難しそう。
メンバーの方たちもすごく真剣でした。Tpだけでこんな複雑な曲が
できるものなんですね、すごいです。
らっぱだけだと音域も狭いし、音色も制限されるし、響き的には薄く
ていまいちなんじゃないかと、実は思っていたのですが、今日こうして
聴いてみると全くそんなことはなくて、らっぱってこんなに広くて
深い楽器なんだなあと改めて思い知らされました。

4曲目、再びNYP。今度はサリヴァンさんがトップ、殿は2番。
一体いつになったらトップ吹いてくれるんだろう?前の金5の時も
半分くらいはサリヴァンさんがトップだったし。こういうときはどんどん
若い人にあげちゃうみたいですね。いいんですけどね。これは初めて
聞く曲で、(世界初演なので当たり前)スローテンポで、とてもきれいな、
でもちょっともの悲しい曲です。癒し系のサリヴァンさんサウンドが
とっても合っていました。音はメチャ高いんですが、全然苦しそうじゃなく、
透明な音が空から降ってくるような気がした。普通のB♭管たった4本で
こんなに深い音が出せるものなんですね。前の曲とは全く逆の意味
ですごいなと思いました。その後曲について殿から説明があり、
それによると去年のテロでなくなった消防士の方々のための曲で、
NYPのラッパセクション用に書かれたものだそうです、たぶん・・・いえ、
通訳の方が緊張されてたのか、どうも日本語訳がよくわからないことに
なっていたので。
でも何回も聞き返されていたにも関わらず、その度に丁寧に答え、
終わってからもニコニコ笑ってお礼を言っていた殿はやっぱりいいひとだ。
そっか、それでなんとなく悲しい曲だったんですね。あとからの説明に
したのは、先入観を持たずに聴いて欲しかったからかなあと私は思ったん
ですが、ほんとのところはわかりません。

次もNYP。ここでやっと殿がトップ。曲はガーシュインのメドレーで、
前のとはうってかわってすごく楽しい曲。そして、これこそが正真正銘の
NYPのサウンドです。今までのぎこちなさ(といってもレヴェルは
かなり高い)、が全くなくなって、全員が安心して吹いている。
合わせようとしているのではなく、普通に吹いていても、勝手に合って
しまっているような感じ。4本が完全にひとつの楽器になっていました。
殿は、一見そうは見えないけれど、こういう曲はいつもノリノリで、
ものすごくうまいのです。とにかくリズム感が抜群で、メンバーを
ぐいぐい引っ張っている。でも絶対一人でつっぱしったりはしない。
やっぱりこの方がトップじゃないとNYPのらっぱという感じがしません。
技術的にもかなり難しいと思うんですが、4人とも余裕で吹いていて、
楽器も完璧に鳴っているので、そんなことはまるで感じず、楽しさだけが
印象に残りました。さすがです。

前半最後は再び「まあくんず」の皆さんです。らっぱが7本に、
パーカッションも加わった本格的な曲で、やっぱりとても難しそう。
プロの方たちにとってはそうでもないのかもしれないけど。
今まで日本のプロのオケプレイヤーの方はあまり知らなかったけど、
今回トップクラスの方々の演奏を聞くことができて良かったと思う。
でも忙しい中これだけの人数が集まって練習するのは、さぞかし
大変なことでしょう。それでもこういった活動を積極的にされている
エネルギーはすごいと思うし、これからもぜひ続けて欲しいと思いました。
ここで前半終了です。

後半最初はNYPと「まあくんず」初の合同演奏。NYレジェンドの
一番最初に入っている曲です。8本で、NYP4人と「まあくんず」も4人。
ファンファーレっぽい、かっこいい曲で、トップはもちろん殿です。
とりあえず、音量に圧倒されました。オケの人はパワフルです。
しかも配置上、殿の直撃をくらうはめになり、正直なところフォルテ
で全員吹いている箇所では、彼の音しか聞こえなかった。このひとやっぱり
普通じゃない。でもたとえ直撃だろうと耳障りではないところがまた
すごいのです。

後半2曲目はNYPです。今度はわりとおとなしめで、古典のような、
でも現代のような、不思議な感じの曲。NYPは短めの曲が多く、
ほんとはもっともっとあのサウンドを聴いていたいのに、いつもささーっ
と去ってしまうのが残念。今度は、すみません、誰がトップかわかりません
でした。ずっと掛け合いで、全員が同じような動きだったので、
たぶんサリヴァンさんか、殿だと思います。この曲はとにかく響きが
きれいでした。1人から2人3人とだんだん響きが重なっていって、
最後に4人でいっせいに鳴らしたときのサウンドが、言葉ではうまく
言えないけど、本当に気持ちが良くて、彼らはいつも2人づつ4人で
向かい合って座っていたんですが、その中心から、音が泉みたいに
湧き出してくるような感じがしました。たとえが下手で面目ないです。

3曲目は「まあくんず」。6管編成の組曲でした。これは4つの演奏曲の
中で一番良かったと思います。たぶん一番吹きなれていたのか、
皆さんのって吹いていて、見事な響きでした。こまかいテクニックや
アンサンブルもすばらしいもので、さすがだなあという感じ。
ひとつだけ欲をいえば、全体的に少しかたい感じの曲が多かったので、
少し違ったタイプの曲も聴いてみたかったなと思いました。

4曲目、NYPで、CDの「ブラスネイション」や「ニューブラス」
でおなじみになった、マイケル・デイヴィスさんの曲です。
Tb奏者なので、らっぱだけの曲を聴くのはこれが初めて。
トップは殿でした。始まってみると、これがいかにもデイヴィスさん
の曲という感じ。独特のハーモニーとリズムが印象的です。
そしてこの人の曲を吹く時の殿の音も独特で、いつもよりさらに
さわやかになります。すごいハイトーンの連続なんですけど、
苦しさは微塵もなく、秋空を飛んでいる鳥のような透明感と軽やかさで、
最初CDで聴いたときは、とても普通のB♭管らっぱの音とは思えなかった。
ひとつひとつの音ははっきり発音しているのに、きついタンギングが
まるでなく、それも4人全員がそういう音色、発音でやっているのには
本当にびっくりでした。

まあくんず with NYフィルトランペットセクション(2)

2002-06-18 23:41:48 | NYPコンサート
ラストは全員でヤナーチェクのシンフォニエッタでした。
殿とペンザレラさんがメロディー担当です。
これは・・・どうだったんでしょう?実は最初の1曲だけであっというま
に終わってしまったので、なんだかよくわかりませんでした。
いえ、演奏はもちろんすばらしかったんですが、あまりにも短くて、
呆然としてしまったような・・・。NYPの方たちは、オケでの
ツアー真っ最中ですし、スケジュール的に厳しいのは本当によく
わかってるんですが、せっかくの合同演奏曲が2曲とも短かったのは
やっぱり残念でした。でもぜいたくを言ってはいけませんね、
こういうコンサートをこの日程でやること自体、すでに常識を超えてますから。
だって昨日は「ブル3」で、明日は名古屋まで行って「タイタン」ですもん、
信じられない・・・。いったいいつ練習してたんだろう?
だいたい金5でも思ったけど、この人たち(NYP)って、アンサンブル
だからといって、楽な音量でこじんまりまとめようとかいう考えはまるで
ないらしく、テンションがオケの時と同じなんです。なので、
それまで聴いたアンサンブルとは響きが全然違って、そば鳴りじゃなく
ホール中が鳴り響いている感じがします。でもオケの曲と違って、
アンサンブルは休みがないのに、どんな体力してんだろう?と
今日もやっぱり思いました。スタミナだけでなく、よけいな力を使わない
吹き方がきっとできているのでしょう。

アンコールは3曲ありました。1曲めは知らない曲で、でもなんか
聴いたことある様な気も。殿とペンザレラさん、あと「まあくんず」の方
のひとりがピッコロ担当でした。なかなかかっこいい曲だなあと思ったのも
束の間、おもいっきりピッコロの直撃をくらう。寿命が3日ほど縮みました。
なんでピッコロであんな(太い)音がでるんだか全く・・・殿、
あなたのことですよ。

2曲目。の前に、「まあくんず」の皆さんから、NYPの皆さんへ、
花束の贈呈がありました。そこまでは大変良かったのですが、その後、
花をそのまま下に置いて、次の曲に入ろうとした殿と、それに倣おうと
しているサリヴァンさん、トムさんをほっぽって、ペンザレラさんが
さっさと引っ込んでしまいました。
サリヴァンさんが呼び戻そうとして中へ入り、トムさんも
その後に続いてしまったので、ひとり残された殿も苦笑いしながら、
花を置いたまま帰っていった。ペンザレラさん、おもしろすぎます・・・。
早く帰って寝たいんですね?
次はNYレジェンドの最後のジャズっぽい曲。これはすごく好きだったので、
かなりうれしかった。NYPと「まあくんず」の方2人で、6管編成です。
片方はリーダーの大隅雅人さんでした。これは全員ソロがあって、殿、
サリヴァンさん、ペンザレラさんはCDと同じパートです。トムさん、
ソロの時すごくうれしそうでした。サリヴァンさんと殿の番になると、
気が遠くなるような高い音域でのソロになるんですが・・・もう何も
言うことはありません。ひとつだけ残念だったのは、一番最後の音を、
殿は、CDではHi-E♭だかFだか(高すぎてよくわからない)に
アドリブであげてくれるのですが、今日はなぜだかあげてくれなかった。
でもすごかったです。ごちそうさまでした!

最後はお約束の「星条旗(君が代つき?)」。アメリカと日本って
ことでしょう。これは完全にお遊びのようで、最初「まあくんず」の
方が4人、顔を白塗りにした「バカ殿」のかっこうで登場して、
しかも途中からそのかつらをNYPにかぶせていました。それってOKなん?
と思いましたが、ご当人たちは気にもせず、にこにこしながら、
「君が代」まで吹いていた。いい人たちです。実はこの時のかつら姿が
あまりにもおも・・・・いえお似合いで、とても印象に残り、
それ以来「殿」になってしまったのでした。

本当に最後になってしまい、全員がステージに出てきて、客席に
向かって挨拶した後、殿は「まあくんず」の皆さんのほうまで歩いていって、
ひとりひとりと丁寧に握手をしていました。それにちょっと感動していた
ところ、後から同じように握手をしてまわっていたペンザレラさんが、
もう全員とし終わって、そのまま「まあくんず」メンバーの中に並んでい
た殿と、まちがって握手しかけ、「なんでやねん」みたいなことを
言われていた。だからペンザレラさん、おもしろすぎますってばー。

終わってから楽屋口で待っていると、警備員のおじさんが
「今日は特別らしいよ。」と言って中に入れてくれた。
恐る恐る入ってみると、なんだか人がいっぱい。皆NYPのサイン目当てらしく、
学生さんらしき人達が、4人をそれぞれ取り囲んでいた。
これはラッキーということで、4人全員にサインをもらい、写真も
撮ってもらうことができました。これは一生宝物にいたします、
本当にありがとうございました!そういえばどうでもいいけど、
昨日サントリーホールで殿にいただいたサインは、プログラムの中の白紙
のページで余白はたっぷりあるのに、なぜかすみっこにちいさ~く書いて
あり「なんでかなあ?他の人にももらうと思って空けといてくれたんかな?」
と不思議に思っていたのですが、今日も高校生ぐらいの女の子にサイン
している時、「Big, Big!」と言われていた。ってことはいつもこう
なんですね。私も次からは「Big , center!」とか言うことにしませう。

2002年 マズア/NYフィル 東京公演

2002-06-17 23:34:42 | NYPコンサート
2002年6月17日(月) 東京 サントリーホール

19時開演
ブルックナー;交響曲第3番ニ短調<ワーグナー>
ワーグナー;歌劇<タンホイザー>序曲
ワーグナー;楽劇<ニュルンベルクのマイスタージンガー>より第1幕への前奏曲

今日はさすがに東京だけあってお客も満員です。でも年配の方が多くて、
私たちぐらいの年代の人はあまりみかけなかった。やっぱ高いからかなあ。
今日の席は正面ではなく、舞台からみて右側に当たるところ。舞台が近くて
団員がとてもよく見える。今日はヴィジュアル的におもしろいかも。

「マイスター」は殿、ペンザレラさん、サリヴァンさんの本気メンツ。
でもなぜかホルンの辺りがいつもと違う、と思ったら、親分がいない。
降り番なんだ・・・。この曲は学生時代何度もやったけど、いつもなんか
違うと思いながら吹いていた。Tbと吹くメロディーが短すぎたり、
ベタ吹きすぎたり、どっちも気にいらなくて、でも今日のを聞いたら、
ほんとにこういうふうに吹きたかったという吹き方をしてくれたので、
うれしかった。出すところとひくところもはっきりしていて、フォルテ
もきれいに鳴らしているし、お手本のようなマイスターでした。

「タンホイザー」は親分に続いて殿も降りてしまった。なんかさみしいなあ。
サリヴァンさんがトップでトムさんが3番に入る。Tbだけはアシスタントの
マーキーさんも来てフルメンツです。それにしてもなんだろう、この鬼の
ような速さは。Tbもっと歌いたいだろうになんかせかされてるみたいで
気の毒。さすがにTbの音色はすばらしいです。こんなきれいなユニゾン
は初めて聴いた気がします。でもTpはこの曲はめだたないけど、
Hrは親分がいないとなんか普通にウマイHrになってしまった。
この曲はもうちょっとゆったりしててもよかったのになあ、マズアさん
トイレにでも行きたかったんだろうか?

メインのブル3です。今度は殿は出てきたけれど、ペンザレラさんが
引っ込んでしまった。どうもトムさんが2番、サリヴァンさんが3番のよう。
でもこの曲2番って結構難しいし、重要なポストだと思ったけど、
こういうこともあるんですね。休憩中もトムさんはずっとステージで
練習していた。殿は今日は、隣で音だしをしているアレッシ先生をはさんで、
セカンドTbのフィレンソンさんとずーっとしゃべっていた。
楽譜を指したりしていたので、たぶん曲に関する相談なんだろう。
先生は参加しなくていいんですか。実はこのオケ(の金管)で一番
聴いてみたかったのがブルックナーで、なぜかというと金管が一番
ごまかしがきかないと思うから。
細かいテクニックよりも、本当にいい音で楽器が鳴っているかどうか
が要求されるから。ところで殿がロータリーとピストン(それもB♭管?)
を両方持ってきたけど何するんだろう?持ち替えってこともないし、
アンコール用?にしてはそんな堂々と・・・。というわけで1楽章。

冒頭はらっぱ、ホルンのソロから。ハイ、OKです。めっちゃきれいです。
やっぱり申し訳ないけどこの二人がいないとNYPじゃない。
3楽章もまるでいやがらせのような速さにも関わらず、あの難しい跳躍を
らくらくと吹いていた。それもロータリーなのに。4楽章の一番最後の
Aをちょっとはずしたのは惜しかったけど。
でも一番に立たされたのは殿だった。いや確かにすばらしかったけど、
曲的にここは親分じゃないんですか、マズアさ~ん?

カーテンコールの間、なんだか金管メンツが落ち着かないなあと思ったら、
おもむろにTpとTbが楽器を替え始めた。もしかしてアンコール?
するとそでからペンザレラさんやマーキーさん、チューバの方などが
わらわら入ってきて金管勢ぞろい。一体なにをする気なんだ?と
どきどきしていたら、殿の合図で何か始まった。
あ~!もしかしてこれウエストサイドの「アメリカ」?しかも金管のみ
で指揮もなしらしい。信じられない・・・いや、確かに前回の来日の時
もそうだったらしいけど。またこれが上手すぎて、今日はおなかが
いっぱいです。
あまりにも拍手が鳴り止まないので、親分がシコを踏んだら大うけしていた。
面白い人だ。親方に改名しようかな?終了後、楽屋口を探して2周
くらいしたが見つからず、ホールの人に聞いたらあっさり教えてくれた。
待っていると、50Mほど遠くからでもわかる親分らしき人影が。
それで騒いでいるうちにふっと近くを見ると殿が歩いてくるところだった。
おかげで心の準備もできないままとりあえず近づいてサインをお願いする。
ソロのCDジャケットを見て、”Thank you!”と言いながらサイン
をしてくれた。その後親分にももらう。間近で見るとなんだかすごい。
長い坂を上ってきたせいで汗びっしょり。でもとてもいい人で、
”Thankyou”と言いながら向こうから握手してくれた。
アレッシ先生もみかけたけど、なんか取り囲まれていて近づきがたく、
またの機会にということにする。

2002年 マズア/NYフィル 横浜公演

2002-06-16 23:30:06 | NYPコンサート
2002年6月16日(日) 横浜 みなとみらいホール大ホール

17時開演
ベートーヴェン;交響曲第3番変ホ長調<英雄>
トゥリン;ヘミスフィアズ(日本初演)
バルトーク;弦楽のためのディヴェルティメント

ただいまWカップ真っ最中でございます。大阪から空路で東京へ、
そして電車で横浜に着きました。
今日は試合がないので助かった。横浜は初めてでしたが、とても
きれいな街です。いよいよ今日は生でNYPが聴ける、と思うと
うれしい反面ちょっと不安。というのも、マズアの録音は全てライブ
とはいえ、CDと生で全然違うというのはよくあることで、あまり期待
しすぎてそうでもなかったらどうしよう、とかどうしても考えてしま
うんです。開場してからも、まだゲネ中らしく、客席には開演ぎりぎり
まで入れなかった。なんかやばいところでもあるのかな?

序曲は弦のみ。CDではどうしても影が薄いんだけど、生だとすごく
よく鳴っている。結構いいかも。
サブは(序曲短くてすいません・・・)管のみ。殿や大先生のソロ
などをたくさん書いているトゥリン氏の曲。マズアさんがわざわざ
管楽器だけの曲書いてね、と頼んだらしい。変なオケ・・・。
そして待ちに待った三巨頭登場です。でもなんか配置が変やって、
ブラバンのコンクールやないねんから。
曲もまさしく課題曲A!って感じでした。ちょっとわかりにくい曲ですね。
でもひさびさに大好きな金管サウンドを生で聴けてめっちゃうれしかった。
Tp、何気なくハイトーンをカンカン当てていて、お~本物や~、と
感動してました。

メインは「エロイカ」です。休憩時間はまだまだあるのに、殿と
ペンザレラさんは早々と出てきて、ちょっと音出しすると、2人で
なにやら楽しそうに、始まるまでず~っとしゃべっていた。
嫌いな人も多いかもしれないけど、アメオケスタイルはこういうのが
見れて私は楽しい。親分が登場すると周りの人達がなれた風で自分の
譜面台をよけてあげていた。「エロイカ」はかなり良かった。オケも
まとまっていたし、マズア氏のサクサクしたテンポもベートーヴェン
だとあまり気にならない。というより、ベートーヴェンで変にねばられる
のは好きじゃないので、むしろ良かったです。
めずらしく3楽章のHrのメロディーでためたりしていたので、
どーしたんやろ、マズアさん?と思ったりもした。Tp、Hrともに
固めの音できれいにきれいに吹いていた。音の処理が丁寧ですごくうまい。
それと1楽章最後のメロディー、Tpのハイトーンがびっくりするほど
きれいで、思わず周りの人達に自慢(?)したくなった。タンギングの
発音というか、アタックがすごくきれいなんですよ。なので高音でも
フォルテでも絶対耳障りな音にならないんでしょう。もちろん音
そのものもめちゃきれいなんですけど。
残念ながら今日はアンコールもなくあっさり終わり、楽屋待ちも失敗しました。
明日はがんばるぞ!(何を?)