2002年6月22日(土) 京都コンサートホール
19時15分開演
ブルックナー;交響曲第3番ニ短調<ワーグナー>
ワーグナー;歌劇<タンホイザー>序曲
ワーグナー;楽劇<ニュルンベルクのマイスタージンガー>より第1幕への前奏曲
とうとう最後になってしまいました(我々が)。おなじみの京都
コンサートホールです。ここは大学時代定演で演奏したこともあるし、
プロ・アマを含めてたくさんのコンサートを聴いてきました。
そして結論、このホールは音が通らないうえに、遠くてもやもや
としか聞こえない。特にらっぱは聞こえづらい。どこが一番よく聞こ
えるかと、いろんな席でためしてみたけど、どうもいまいち。
そして遠すぎたり、真横を向いていたりで、舞台の人達がよく見えない。
そんなホールでもNYPなら鳴らしきってくれるんだろうか?
今日は視覚的なことはあきらめて、音響重視で3階席の一番前に席をとった。
オケの人達は米粒ぐらいにしか見えないけどしょうがない。
マイスターの前。サリヴァンさんが一人で基礎練をしている。
私たちもやってそうな普通のやつ。調子でも悪いのかな?と思っていたら、
おもむろにものすごい基礎練(?)をやり始めた。ハイトーンに
リップスラーでパラパラ、パラパラと吹いている。あまりのすごさに
目が点になる。Tbに続いてらっぱの2人も出てくると、なにやら殿と
Tb陣で密談をしている。もしかして、「このホールひびかへんし、
今までより20%ぐらい増量でいっとこかー」とか?そして結果を
ペンザレラさん、サリヴァンさんにもまわす。炸裂注意報発令か?!
始まって見ると、やっぱり気のせいじゃなく、東京より音がでかい。
ラストはかなり本気モード。3番のサリヴァンさんもがんばっていて、
音がカーンと抜けてくる。トランペットってかっこええなあといまさら
ながら思う。まだ序曲なのにちょっと鳥肌が・・・。
タンホイザー。殿と親分はやっぱり降り番。マイスターに続きTbが
鳴らしまくる。とても京都コンサートホールとは思えないほど、
音がカンカン飛んでくる。それにしてもテンポが速い。まるで、
制限速度はプラス20、黄色は急いで行ってまえー!の大阪ナンバー
の車のようだ・・・
人生そんな急がんでも、とかいう意見はやっぱり却下ですか?
ブル3です。いつものように早めに出てきた殿が、座ったと
思ったらまた立った。どこへ行くのかと見ていると、なんと
親分のところ(Tp・TbとHrは木管を間にはさんでちょっと離れている。)
へ行ってなにやら囁いている。しかも笑っている・・!増量隊長が加わる
ということは、警報ですね?!もう思う存分いっちゃってくださいませ。
始まる前、いきなり男性陣が上着を脱ぎ始めた。何をする気かと思ったら、
どうも暑いので脱ぐことになったらしい。さすがアメオケ。
それにしてもなかなかおもろい風景である。
ブルックナーはタイタンやエロイカの時とあきらかに吹き方を変えている。
まずタンギングの音がしない。かといって、ふわーっと後押し系でもなく、
音の頭ははっきり出している。言葉にするのは難しいけど、響きだけで
全ての表現を吹きこなしている感じ。もちろんブラス全体で。サウンド
的にはピアノとオルガンを同時に鳴らしたような・・・それか、
ペダル踏んだときのピアノの音・・・う~ん、どう言えばいいんだろう?
とにかくこれがすごくいい。
全ての音を長めに余韻を残していて、スタッカートもやわらかめ。
でも絶対ベタ吹きにはならない。
フォルテもピアノもこれだけきれいに響かせながら、それでいて、
発音やリズムはきつくならないように、でもはっきり吹く。これは相当
息で楽器がコントロールできてないと、難しいと思う。たいていは、
やわらかくというとふわーっとした発音に後押し、はっきりといえば
きついタンギングで音も短くなってしまう。フォルテはベーベーで、
ピアノはスカスカ、プロのCDでもらっぱに関しては、結構こういうの
が多いんです。ほんとにブルックナーは金管の実力がばれる曲だと思います。
あと、ブラスセクション全部が見事に統一されていたのにはびっくりでした。
ピアノは弦や木管よりも落としてくるのに、フォルテになるともうホール
中から音が湧き出てくる感じで、しかも全然うるさくなく、逆に最大音量
を浴びるのが気持ちいいくらい。あれはきっとマイナスイオンかなんか
が出ているに違いない・・・。耳からじゃなく身体全体から音がしみ込んで
くるみたいでした。
たぶん東京より30%くらい増量で最後まで吹ききり、ちゃんと鳴らす
オケだったら、残響も長い、なかなか良いホールだということが判明。
さすが普段、音響の悪いことで有名なエイヴリーで吹いているだけあって、
まだまだ余裕って感じですね。
そして今日も一番に立たされたのは親分ではなく殿だった。
まあタイタンは親分だったしなあ、あとエロイカも。
Hrはおいしい楽器だ。殿や大先生の音はもちろんすばらしかったけど、
正直親分の音には唖然とさせられた。あのHrを聴いてしまったらもう、
普通のHrは聴けません。どのホールでもHrへの拍手はひときわ大きかった。
Tp、Tbは今回そこまで目立つところはなかったけど、その分パートや
ブラスセクションでひとつになって、とても堅実な仕事をされていたと思う。
皆さん本当にお疲れ様でした!
アンコールは例によって金管オンリーの「アメリカ」。めずらしく殿は、
最後ちょこっとはずしていた。さすがに増量疲れかな?っていや、
そんなブルーにならないで~。・・冗談はともかく、みんなが去り始めて
も椅子に座ってぼーっとされてたもので。明日もタイタンだし、
今日はゆっくり休んでくださいな。
最後は親分のシコ踏みで終了。なんだか大人気の親分、ステージから
消えるときにも拍手をもらっていた。さすが京都は学生が多いだけあって、
今までで一番楽屋裏が賑わっていた。だいたいここの楽屋裏は
位置がおかしい。だって裏じゃないんだもん。
例によってマズア氏とコンマスのディクトロウさんを除けば、
ほとんどの人は大先生待ちのもよう。出てきたとたん総攻撃に会っていた。
やっぱりとても勝ち抜けない。
またこの次にしよう(いったいそれっていつなんだか・・・)。
殿はやっぱりお疲れぎみみたいで、あっさりバスに乗られてしまった。
本当にお疲れ様、次は絶対NYに聴きに行きますね!親分も今日で見納めかー、
と見送っていたら、おんなの子たちに囲まれてきゃーきゃー言われていた。
すごい人気だ。しかも「わー、バスに乗ってるー」とかそんなことでも大騒ぎ。
席はもちろん2人分確保してありました。
さて、翌日大阪から広島へ帰り、しばらくしてNYPのホームページを見てみると、
ここにはツアー中のレポートが写真つきで載せられているんですが、
なんと東京での日本最後のコンサート(タイタンプロ)、アンコールが
金管五重奏だったらしい。おいおい・・・。
もちろん首席3人とサリヴァンさんにチューバのトラの方
(デックさんは休団中だそうです)で。
そんな殺生な、マズアのおじさ~ん!なんか一等賞が当たってよろこんでたら、
すぐ後ろで特別賞当てられたみたいな気持ち。どうでもいいけど、
いくらなんでもアンコールで金5はないのでは?いやほんとに。
でもここまで金管信用してもらえると、なんかもうちょっとマズアさん
に居てほしい気がします。
マゼールさんはNYPの録音もないし、どんな感じになるのかわからないけど
、お願いだから金管おさえるのだけはやめてくださいね。
NYPは金管なんですよ~!
そんなこんなで、この後NYPは、さらに台湾と韓国でもツアーを行い、
ニューヨークへ帰られたもよう。
しかも日本に来る前にドイツにも行っている。えらいことです。
韓国では皆で赤シャツを着てアンコールをしたのだそう。そういえば、
ちょうどワールドカップ決勝トーナメントの最中に日本にやってきて、
終了と同時に韓国から去っていったんですねえ。何もわざわざこんなとき
にアジアツアーなんて・・・。マズアさんサッカーの大ファンだったとか?
(おまけ)
「ある日常の会話より」
らんまる:でもCDで聴くのと違って、生やと結構良かったよなぁ、マズアさん。
ダンナ:そうじゃねぇ、やっぱ生で聴かんと。
らんまる:まあ、確かにワクワクするとか、「やっちゃったー」みたいな
面白さはないけど、よくまとまってたし。
ダンナ:というか、金管にアンコールやらしとる時点で、ある意味
「やっちゃった」じゃけどね。
らんまる:そっか、確かに他の、ニューヨークかシカゴ以外のオケ
でやられたら、うちでもヒクかも・・・。
ダンナ:弦の人とかはどう思っとるんじゃろね。
らんまる:う~ん・・・。
19時15分開演
ブルックナー;交響曲第3番ニ短調<ワーグナー>
ワーグナー;歌劇<タンホイザー>序曲
ワーグナー;楽劇<ニュルンベルクのマイスタージンガー>より第1幕への前奏曲
とうとう最後になってしまいました(我々が)。おなじみの京都
コンサートホールです。ここは大学時代定演で演奏したこともあるし、
プロ・アマを含めてたくさんのコンサートを聴いてきました。
そして結論、このホールは音が通らないうえに、遠くてもやもや
としか聞こえない。特にらっぱは聞こえづらい。どこが一番よく聞こ
えるかと、いろんな席でためしてみたけど、どうもいまいち。
そして遠すぎたり、真横を向いていたりで、舞台の人達がよく見えない。
そんなホールでもNYPなら鳴らしきってくれるんだろうか?
今日は視覚的なことはあきらめて、音響重視で3階席の一番前に席をとった。
オケの人達は米粒ぐらいにしか見えないけどしょうがない。
マイスターの前。サリヴァンさんが一人で基礎練をしている。
私たちもやってそうな普通のやつ。調子でも悪いのかな?と思っていたら、
おもむろにものすごい基礎練(?)をやり始めた。ハイトーンに
リップスラーでパラパラ、パラパラと吹いている。あまりのすごさに
目が点になる。Tbに続いてらっぱの2人も出てくると、なにやら殿と
Tb陣で密談をしている。もしかして、「このホールひびかへんし、
今までより20%ぐらい増量でいっとこかー」とか?そして結果を
ペンザレラさん、サリヴァンさんにもまわす。炸裂注意報発令か?!
始まって見ると、やっぱり気のせいじゃなく、東京より音がでかい。
ラストはかなり本気モード。3番のサリヴァンさんもがんばっていて、
音がカーンと抜けてくる。トランペットってかっこええなあといまさら
ながら思う。まだ序曲なのにちょっと鳥肌が・・・。
タンホイザー。殿と親分はやっぱり降り番。マイスターに続きTbが
鳴らしまくる。とても京都コンサートホールとは思えないほど、
音がカンカン飛んでくる。それにしてもテンポが速い。まるで、
制限速度はプラス20、黄色は急いで行ってまえー!の大阪ナンバー
の車のようだ・・・
人生そんな急がんでも、とかいう意見はやっぱり却下ですか?
ブル3です。いつものように早めに出てきた殿が、座ったと
思ったらまた立った。どこへ行くのかと見ていると、なんと
親分のところ(Tp・TbとHrは木管を間にはさんでちょっと離れている。)
へ行ってなにやら囁いている。しかも笑っている・・!増量隊長が加わる
ということは、警報ですね?!もう思う存分いっちゃってくださいませ。
始まる前、いきなり男性陣が上着を脱ぎ始めた。何をする気かと思ったら、
どうも暑いので脱ぐことになったらしい。さすがアメオケ。
それにしてもなかなかおもろい風景である。
ブルックナーはタイタンやエロイカの時とあきらかに吹き方を変えている。
まずタンギングの音がしない。かといって、ふわーっと後押し系でもなく、
音の頭ははっきり出している。言葉にするのは難しいけど、響きだけで
全ての表現を吹きこなしている感じ。もちろんブラス全体で。サウンド
的にはピアノとオルガンを同時に鳴らしたような・・・それか、
ペダル踏んだときのピアノの音・・・う~ん、どう言えばいいんだろう?
とにかくこれがすごくいい。
全ての音を長めに余韻を残していて、スタッカートもやわらかめ。
でも絶対ベタ吹きにはならない。
フォルテもピアノもこれだけきれいに響かせながら、それでいて、
発音やリズムはきつくならないように、でもはっきり吹く。これは相当
息で楽器がコントロールできてないと、難しいと思う。たいていは、
やわらかくというとふわーっとした発音に後押し、はっきりといえば
きついタンギングで音も短くなってしまう。フォルテはベーベーで、
ピアノはスカスカ、プロのCDでもらっぱに関しては、結構こういうの
が多いんです。ほんとにブルックナーは金管の実力がばれる曲だと思います。
あと、ブラスセクション全部が見事に統一されていたのにはびっくりでした。
ピアノは弦や木管よりも落としてくるのに、フォルテになるともうホール
中から音が湧き出てくる感じで、しかも全然うるさくなく、逆に最大音量
を浴びるのが気持ちいいくらい。あれはきっとマイナスイオンかなんか
が出ているに違いない・・・。耳からじゃなく身体全体から音がしみ込んで
くるみたいでした。
たぶん東京より30%くらい増量で最後まで吹ききり、ちゃんと鳴らす
オケだったら、残響も長い、なかなか良いホールだということが判明。
さすが普段、音響の悪いことで有名なエイヴリーで吹いているだけあって、
まだまだ余裕って感じですね。
そして今日も一番に立たされたのは親分ではなく殿だった。
まあタイタンは親分だったしなあ、あとエロイカも。
Hrはおいしい楽器だ。殿や大先生の音はもちろんすばらしかったけど、
正直親分の音には唖然とさせられた。あのHrを聴いてしまったらもう、
普通のHrは聴けません。どのホールでもHrへの拍手はひときわ大きかった。
Tp、Tbは今回そこまで目立つところはなかったけど、その分パートや
ブラスセクションでひとつになって、とても堅実な仕事をされていたと思う。
皆さん本当にお疲れ様でした!
アンコールは例によって金管オンリーの「アメリカ」。めずらしく殿は、
最後ちょこっとはずしていた。さすがに増量疲れかな?っていや、
そんなブルーにならないで~。・・冗談はともかく、みんなが去り始めて
も椅子に座ってぼーっとされてたもので。明日もタイタンだし、
今日はゆっくり休んでくださいな。
最後は親分のシコ踏みで終了。なんだか大人気の親分、ステージから
消えるときにも拍手をもらっていた。さすが京都は学生が多いだけあって、
今までで一番楽屋裏が賑わっていた。だいたいここの楽屋裏は
位置がおかしい。だって裏じゃないんだもん。
例によってマズア氏とコンマスのディクトロウさんを除けば、
ほとんどの人は大先生待ちのもよう。出てきたとたん総攻撃に会っていた。
やっぱりとても勝ち抜けない。
またこの次にしよう(いったいそれっていつなんだか・・・)。
殿はやっぱりお疲れぎみみたいで、あっさりバスに乗られてしまった。
本当にお疲れ様、次は絶対NYに聴きに行きますね!親分も今日で見納めかー、
と見送っていたら、おんなの子たちに囲まれてきゃーきゃー言われていた。
すごい人気だ。しかも「わー、バスに乗ってるー」とかそんなことでも大騒ぎ。
席はもちろん2人分確保してありました。
さて、翌日大阪から広島へ帰り、しばらくしてNYPのホームページを見てみると、
ここにはツアー中のレポートが写真つきで載せられているんですが、
なんと東京での日本最後のコンサート(タイタンプロ)、アンコールが
金管五重奏だったらしい。おいおい・・・。
もちろん首席3人とサリヴァンさんにチューバのトラの方
(デックさんは休団中だそうです)で。
そんな殺生な、マズアのおじさ~ん!なんか一等賞が当たってよろこんでたら、
すぐ後ろで特別賞当てられたみたいな気持ち。どうでもいいけど、
いくらなんでもアンコールで金5はないのでは?いやほんとに。
でもここまで金管信用してもらえると、なんかもうちょっとマズアさん
に居てほしい気がします。
マゼールさんはNYPの録音もないし、どんな感じになるのかわからないけど
、お願いだから金管おさえるのだけはやめてくださいね。
NYPは金管なんですよ~!
そんなこんなで、この後NYPは、さらに台湾と韓国でもツアーを行い、
ニューヨークへ帰られたもよう。
しかも日本に来る前にドイツにも行っている。えらいことです。
韓国では皆で赤シャツを着てアンコールをしたのだそう。そういえば、
ちょうどワールドカップ決勝トーナメントの最中に日本にやってきて、
終了と同時に韓国から去っていったんですねえ。何もわざわざこんなとき
にアジアツアーなんて・・・。マズアさんサッカーの大ファンだったとか?
(おまけ)
「ある日常の会話より」
らんまる:でもCDで聴くのと違って、生やと結構良かったよなぁ、マズアさん。
ダンナ:そうじゃねぇ、やっぱ生で聴かんと。
らんまる:まあ、確かにワクワクするとか、「やっちゃったー」みたいな
面白さはないけど、よくまとまってたし。
ダンナ:というか、金管にアンコールやらしとる時点で、ある意味
「やっちゃった」じゃけどね。
らんまる:そっか、確かに他の、ニューヨークかシカゴ以外のオケ
でやられたら、うちでもヒクかも・・・。
ダンナ:弦の人とかはどう思っとるんじゃろね。
らんまる:う~ん・・・。