楽の志 ~らくのこころ~

湘南で木の家づくりをしている「楽居」の親方三浦がキャッチしたできごと、思い、喜び、悩みなどを、力を込めて投げかけます。

9坪の家

2011-08-17 12:16:43 | 家づくりの仕事
お客様のご要望ヒアリングの際に、
『9坪の家』(著:萩原修)という本を見せていただきました。

聞いたことはあったが、具体的には知らなかった。
早速書籍を購入しました。

これが、知れば知るほどに優れている。

面積的には広くはないので生活スタイルを問う家。
でも、生活スタイルさえフィットするのであれば、
三間の正方形の建物は構造的強度にも優れるし、材も合理的に使える。

質実剛健にいい家ができる。

簡素なだけにあいまいさの入る余地はなく、完成度が問われる。
”シンプル イズ ザ ベスト”を探求する作業になるだろう。

作り手として燃えてきます。

街並みの遺伝子を残す

2011-08-10 15:06:54 | 家づくりの仕事
近年、大きなお屋敷が相続で数区画に分譲販売されて、
新しいお家が乱立するにつれ、街並みの情緒が失われていくのを随所で目にします。
時代の流れですから仕方がないこととはいえ、悲しいことです。

「あそこに鉄筋コンクリートの建物が作られるらしい。
これであの一角の景観は50年は死んだようなものだ」

かつて耳にした嘆きの声、印象的に記憶に残っています。


先日、あるお客様から「隣接する所有地を売ろうと思うが・・・」とご相談を受けました。

この場所は、古くからの街並みがいい雰囲気を出しているところ。
この方も、できれば街並みの情緒はなんとか残したいという思い。

そこで、ただ土地を転がすのではなく「その土地のあり方」まで提案していく、
そんな志のある仕事仲間、湘南レーベルさんと検討をはじめました。

この土地には現在、明治時代からの「蔵」があって、いい味を出しています。
この蔵は解体予定ですが、丁寧に手ごわしにすることで、
時を経て味が出た良材を再活用することもできます。

この蔵の遺伝子を・・・この土地に残せるような気がしています。