アオクジラ-Bluepain-

日々徒然に思ったことを書き記します。ワッショイ!

花火

2008年08月23日 15時30分51秒 | テキスト
打ち上がった花火は
夜空に一瞬またたいて闇に吸い込まれていく。

それはとても儚く、故に美しく、琴線に触れた。

隣でそれを見上げるその人の笑顔も一際美しくて
同様に儚いもののように感じた。

近くで聞く祭囃子はとても賑やかなのに
遠くで聞くそれはすごく寂しい気持ちになるのは
どうしてなんだろう。

ネオンとは違う、暖かな屋台の灯りが
夜の闇に滲むように列を成して
その間を沢山の人が行き交っていく。

その全ての営みが花火みたいだと思った。

キレイだけど寂しいね。

隣から声がして繋がれた手にぎゅっと力がこもった。

不意に、季節外れの蛍が一匹。
夜空に舞い上がって闇に溶けた。

蛍には見下ろすボクらがどんな風に見えるだろう。
花火には見下ろすボクらがどんな風に見えるだろう。

寂しいけれどキレイだった。

ただそれだけを言って強くその手を握り返した。