プールサイドに独り
水着姿で彼女は座っていた。
膝を抱え込んで少し背を丸めて水面見つめている。
残念ながらそこには艶かしいボディラインもなければ
光を跳ね返す透き通る肌もなくて
季節に至っては夏ですらなかった。
正確にはこの世界に夏はもう来ないのだけれど…
それは少しの期待と諦めの入り混じった痛々しい風景。
終わりがあれば始まりもある
ポジティブをひけらかして誰かが言っていたけれど
ここには、これから先には「始まり」はない。
ただ、緩やかにおとずれる終わりが在るだけ。
彼女は相変わらず何処かを見つめている。
その光景を見かねた僕が
レモネードを携えて隣へやってくる事を知っているからだ。
それからの会話は決まっている。
「何が見えた?」
「何も見えない…」
明日も彼女はプールサイドに座るだろう。
明日も僕はそれを眺めるだろう。
明後日もそれから次の日も
二人でレモネードを飲むのだろう。
ストローを通って強めの酸味が喉を刺した。
その日が来るまでには
もう少し美味しいレモネードが作れるようになっているだろうか。
水着姿で彼女は座っていた。
膝を抱え込んで少し背を丸めて水面見つめている。
残念ながらそこには艶かしいボディラインもなければ
光を跳ね返す透き通る肌もなくて
季節に至っては夏ですらなかった。
正確にはこの世界に夏はもう来ないのだけれど…
それは少しの期待と諦めの入り混じった痛々しい風景。
終わりがあれば始まりもある
ポジティブをひけらかして誰かが言っていたけれど
ここには、これから先には「始まり」はない。
ただ、緩やかにおとずれる終わりが在るだけ。
彼女は相変わらず何処かを見つめている。
その光景を見かねた僕が
レモネードを携えて隣へやってくる事を知っているからだ。
それからの会話は決まっている。
「何が見えた?」
「何も見えない…」
明日も彼女はプールサイドに座るだろう。
明日も僕はそれを眺めるだろう。
明後日もそれから次の日も
二人でレモネードを飲むのだろう。
ストローを通って強めの酸味が喉を刺した。
その日が来るまでには
もう少し美味しいレモネードが作れるようになっているだろうか。