九州大学ワンダーフォーゲル部

2016年冬に作りました。九州大学ワンダーフォーゲル部公式のブログです。部活動の内容を紹介していきます。

Annapurna Circuit Trekking vol.1

2020-06-14 00:48:40 | 個人活動(海外)

参加者:田村、鶴田、竹中(57期)

文責:田村

~目次~

1.序章

2.ネパールへ

3.カトマンズ~マナン

4.マナン~ポカラ

5.ポカラ~カトマンズ

6.帰国

7.準備編

8.さいごに

---------------------------------------

1.序章

2018年。色々あった夏が終わり、少し涼しくなってきた頃のことだった。誰から誘われたのかもう定かではないが、自分たちもネパールへ行こう!となった。僕たち57期はそれまで複数人での海外遠征を行っていなかった。しかし、当ブログの過去の記事にもあるように、代々ワンゲルの先輩方はアンナプルナB.Cへの内院トレッキングやキリマンジャロ登山など積極的な海外遠征を行っている。ならば、と、せっかくならばまだ行っていないであろうヒマラヤのトレッキングコースを制覇しようとなった。

ところで、ネパールには大きく二つの有名で人気なトレッキングの聖地がある。エベレスト区域とアンナプルナ区域である。もちろん、8000m峰を踏破するわけではなく、ネパールでは"丘"とされる6000m以下のトレッキングを楽しむことが出来る。エベレスト区域にはE.B.C(エベレストベースキャンプ)やゴーキョ・ピーク、カラパタールといった迫力のある見どころが多くある。しかし僕は行っていないのでよくわからない。ここに行ったT田、Y村、お嬢、N尾あたりに聞いてみて欲しい。

▼参考文献

OGPイメージ

ビビりな女子のネパールトレッキング 前編 (ブログウィーク第4弾) - 九州大学ワンダーフォーゲル部

こんにちは。58期の福地です。これは私がネパールのエベレストの近くでトレッキングをしてきたときの話です。かなり長いです。前半と後半に分けまし...

ビビりな女子のネパールトレッキング 前編 (ブログウィーク第4弾) - 九州大学ワンダーフォーゲル部

 

さて、今回僕が行ったのは、アンナプルナ・サーキットというトレッキングコースである。

アンナプルナという、8000m峰の中では最も最近まで登頂ができなかった最難関の名峰のまわりを1周するコースで、途中にはThorung La Passという5416m世界最高標高の峠がある。この峠を越えることは世界中のトレッカーの夢であり、巨大な"豊穣の女神"アンナプルナ山群の外周を制することを意味する。

世界一、という言葉に惹かれて何としても行きたくなってしまった僕たちはその場で航空券を取り、情報収集を始めた。ヒマラヤは3月から乾季に入るので、3月がベストシーズンであること。高い標高でも、日本のアルプスを縦走できる体力があればそこまで難なく歩くことが出来ること。この時点でターゲットと定め、日程の確保とお金の確保をした。ここ辺りの準備編については、この記事の最後の方にまとめておく。

 

2.ネパールへ

福岡ー羽田ー北京ー成都ーカトマンズ

3/4 どたばたの出発

実はこの前日まで神奈川県の川崎にて用事があり、ちょうど羽田から帰福したばかりであった。急いで食料など消耗品を買い足して、実家で夕飯を食べた。予定の飛行機は福岡を21時45分に出発するスカイマークの羽田行き最終便である。

実はこの時僕は伊都の中で引っ越しを予定しており、荷物は実家と祖母の家の二カ所に分散して保管していた。

ところで僕はかなりの"あわてんぼう"である。行き当たりばったりで動くと何かよくやらかしてしまう。

しかし、今回は大計画だったのでちゃんと1時間ほど余裕を持って出発することにした。玄関にて登山靴をはこうと思ったその時、

登山靴がない…

なぜだ、、、靴類などはこんなことが起きないように実家に持ってきているのに…

登山靴の所在が分からずめっちゃ焦った。おばあちゃんに連絡するも家になさそうだとの連絡。結局賭けに出た。実家にないので車で祖母の家に行き、自分で探すことを決意した。祖母の家まで車で30分。そこから実家の最寄まで電車と徒歩で20分。探索の時間も考えると、かなりぎりぎりだった。最悪めちゃ高い明日の朝の便で羽田に飛ぶことを考えながら、祖母家に向かった。父は車を飛ばし運転をしてくれたし、母は実家で靴を探してくれている。弟たちまで慌てているし、祖母は自宅で靴を探し続けている。僕からの連絡を受けた竹中は空港にて一人寂しく待っているし…竹中いつも集合場所に着くの早すぎるって。。

結局めちゃあっさり見つかりました。おばあちゃんが見つけてくれて玄関までもって来てくれました。。本当にありがとう。。。

結局、空港から3駅ほどさらに遠ざかってしまった赤間駅からスタートになってしまった。しかし、博多駅での圧倒的乗り換え経験により、問題なく保安検査場を通過することが出来、無事1日ぶりに羽田に戻ってこれた。これまた誰かから聞いた、羽田の国際線は椅子が寝るのにちょうどよく空港泊に適している。という情報を基に行ってみた。とても良い感じ。。目の前のローソンで耳栓を買い、24時間運営の日本最大の空港の喧騒に包まれながら夜12時ごろに眠りについた。

 

3/5 初の中国にドキドキ

なんだかんだよく眠れた。朝7時くらいに誰かが椅子を揺らすまであまり起きなかったように思う。朝天気が良かったので展望台に行くとANAの飛行機たちがたくさん!

▲遠くにスカイツリーが見える展望台

国際線ターミナルは見どころが多い。一通り散策を済ましてお腹がすいたので、今回最後の日本での食事とした。

確か吉野家かすき家だったと思う。安くておいしい日本の国民食を食べて豪華な国際線の建物を抜けて、ついに出国の時が来た。

▲人がたくさんの搭乗口。にぎやかでいい感じの場所だった。

ここでこれからお世話になるアジア最強のSIM2Flyをアクティベートする。ソフトバンクの回線に繋がったら成功だ。これはタイの大手携帯電話会社AISという会社が販売しているもので、なんとアジアを中心に14か国で4GB 8日間でJPY1,380という破格のパフォーマンス。期間延長はLINE Payで簡単にできる。これだけでタイが素敵な国であることがわかる。まだ行ったことがないので絶対行くと誓った。ちなみにネパールではNCELLにつながる。エベレスト方面では旧国営のNTCの方が強いので、空港でそちらを買う方が良いらしい。

ともかく、中国でももちろん使えるし、香港のSIM扱いなので特別なことをしなくても、LINEもTwitterもInstagramも制限なく使える。もはや家宝レベルである。気になった人はこちらからどうぞ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00XR5HJHM/ref%3Dcm_sw_em_r_mt_dp_U_Hyn5Eb81GXD34

話がそれてしまったが、今話としては中国国際航空の機内で美味しい機内食を食べながら韓国上空を飛んでいる頃だろうか。余談だが、ここから出てくる中国の航空会社の機内食は美味しいし量も多い。2種類から選ぶことが出来た。

▲まさかの横向き(汗)これはチキンかな。そういえば確かチキンorフィッシュだったような気がしなくもない。チキンの方を食べたかった。がっつり行きたい気分だったので。

▲案外、軍事境界線の近くを飛ぶ。中国は北朝鮮の同盟国だったと思うのだが、この飛行機は北朝鮮領空を飛ぶことはなかったようだった。

▲乗っていたのはこの飛行機。大きくてなかなか過ごしやすい機内だった。(写真はないです。。)

ところで、この中国国際航空は中国のフラグシップ航空であり、スターアライアンスメンバーでもある。おかげさまで今回ANAのマイルがとても溜まった。CAさんには男の人もいた。イケメンと美女でサービスの質も高いが全行程合わせて5万円台。ANAのライトユーザーとしては信じられない値段でのハイサービスだった。

4時間ほどのフライトで無事北京に着いた。この空港は上海と並び中国で最も大きい空港の一つである。そして外国人はここで指紋を登録することになる。僕たちの時はトランジットビザは不要だったが、国内線乗り換えは少し面倒だった。中国語はわからないし、英語はあまり伝わらないし。何かしらの用紙に乗り継ぎ便の情報を書いて持っていったら認めてもらえた。僕は指紋をすんなり取ってもらえたが、竹中は苦戦していた。自動読み取り機で日本語の説明もあったのでそこそこに親切。税関を通り、専用列車で国内線ターミナルへ移動した。

▲北京の夕暮れ。なんとなく中国東北部の赤い夕焼けの色だなと感じた。

ちょうどここで日本時間で19時くらい。次のフライトまでは4時間以上あったためのんびり夕飯を食べることにした。国内線なので、肩身が狭いかなと思っていたが全くそんなことはない。僕らが日本人であったからかペプシのコーラをおまけしてくれた。本場の中華料理を食べることが出来てかなり満足。トマトラーメン美味しかった。パクチーは乗せないでほしかったが…

▲北京空港のトマトラーメン

64元=1024円くらいか。物価の安さをここではあまり実感せず。空港散策をしたが特に面白いものはなく、搭乗口付近の自動販売機で飲み物を見た時に違いが面白かったくらいか。桃茶が個人的に気に入ったので飲み終わった後もボトルとしてしばらく使うことにした。

▲桃茶

夜も更けてきて、日本時間で23時近くに搭乗し、四川省の省都、成都(Chengdu、チェンドゥ)に飛ぶ。地味に3時間というまあまあな時間を過ごしたが、ここでもまさかの機内食が出た。

▲ヨーグルトをはじめとし、軽食がたくさん。マフィン美味しかった。

この深圳航空はびっくりするくらいCAさんが美人だった。竹中にもこれを話そうとしたが寝てた。時間はもう深夜だし仕方ないか。CAさんの真っ赤の制服に整った顔立ちは日本とはまた違う中華美人の風であった。ところで、機内には中国の夢とかの冊子があった。なんとなく読んでいたがさっぱりわからなかったので、僕も軽く眠ることにした。

 

3/6 ついにネパールの地を踏む!

深圳航空の機内で日をまたいだ。また、ここからこのブログの時間も現地時間をベースにする。

北京を22時ごろに出発した当機が成都に着いたのは午前1時過ぎ、思ったより多くいたお客さんとともにゲートを出る。

そこはタクシーの客引きがひしめく場所だった。はじめはスルーした僕たちだったが、国際線のターミナルに行きたかったので甘えて客引きにつかまってみた。これがやらかしであった。親切な男女だったが、50元ほどぼったくられた。たしか昼ならターミナル間移動がただだったはずだし、先に通過した鶴田は同じくらいの時間に徒歩で移動したらしい。800円あればネパールでは一泊できるのに…などと考えても始まらない。

成都の国際線ターミナルには日本人のブログでは少し有名な"寝床"が存在する。ここの仮眠スペースは飛行機の往来がない時間帯には閉じてしまうが、その近くの中華料理屋のとなりのスペースが光を遮りいい感じになる。僕たちもそこで寝ると決めていた。僕たちの寝床に行くとそこには先客がいた。欧米系の彼らはいかにも大きなザックを持っており、僕たちと同じ目的であることが伺えた。また、関西から来たという大学生二人組にも出会った。お互い深夜に徘徊していたので警戒していたが、あちらが僕たちを日本人だと気が付いて声をかけてくれた。彼らもまたネパールへ行くらしい。軽く挨拶をして、彼らと少し距離を開けて、持ってきていたシュラフを広げた。今日はここまで。全くの見知らぬ土地だったがしっかり眠ることが出来た。

▲台湾の蔡英文総統のような見た目の人だった。簡単に乗せられてしまったが普通のいい人で害はなかったので今となってはいい思い出。

▲この日の寝床。写真右側の壁が光をさえぎってくれるため寝るのに適している。この写真は朝撮ったものかな。

 

翌朝は空港職員の足音で目が覚めた。隣の中華料理屋の朝は早く、もう営業を開始していた。ところでここ成都は三国志で劉備率いる蜀の国の都として栄えた都市である。いまでも中国有数の大都会として知られている。地下鉄に乗れば成都パンダ繁育研究基地にもいくことが出来る。この日僕たちは12時半の飛行機でネパールへ飛ぶ予定だったので、朝ごはんを食べて空港内を探索するだけにした。

▲この日の朝ごはん。成都にも朝マックは存在していた。

四川料理屋もあったが、めちゃ辛いことが想像できたので、東アジア最後の食事は慣れたマクドナルドで採ることにした。日本と変わらぬ味。外国に行くとマックがホームになるというがなるほど。支払いの際に現金を渡すと露骨に嫌な顔をされたが、ごめんねと思いつつやり過ごす。この国は決済方法が進化しており、圧倒的にスマホ決済の比率が高い。ここ成都でも現金を利用する人は皆無で、おそらく僕たちのような外国人くらいだろう。

ここらへんで人民元がなくなってしまったため、ATMで下す。なぜかこの時の設定をやらかしており、その後1万円くらいリボ払いのような感じで飛んで行ってしまった。まあ、いいか。

長い通路を歩き、中国人民ではない方で税関を通る。保安検査では靴を脱いで検査だったが、僕はここで引っかかった。なんかいかがわしい粉でもついていたのだろう。登山靴怪しいもんね。丁寧だったけど体中をタッチされて疑いが晴れた。ひとまず安心。やっと、ネパールの首都、カトマンズへのフライトが始まる。

▲カトマンズって中国語だとこう書くんだね。。

時刻は12時半。次にここから出る飛行機は関空行だったのでここまでなら日本が近いと感じているが、これから先はヒマラヤの向こう側。容易に日本に戻ることはできない。なんて、全く思わずこれから先のことにとてもワクワクしながら他の多くの乗客とともに遠くに待っていた飛行機へと進んだ。

▲ずっとお世話になっている中国国際航空

この飛行機の搭乗時間は3時間半ほど。カトマンズと日本は3時間15分の時差がある。隣にいたのはネパール人の方で、薬草(?)の取引をしているようだった。中国へは何回も来ているらしく、僕たちのような人によく会ってきたそうだった。「カトマンズはとても素晴らしいところだから、いい時間を過ごしてきておいで」優しい人だった。しかし、この人搭乗中にCAさんに何度も飲み物のお代わりをしていたのがおかしくて面白かった。ここら辺ではよくあることよくあることらしい。

▲当機の機内食。豆と肉のお弁当の味付けは絶妙に良かった。飲み物はかなりの頻度でおかわりが出来る。

おじさんと話をしたり、トイレに行ったりくつろいだりしているうちに、白銀の大地が左側に見えるようになってきた!

▲中国とネパールの国境付近からの景色

まぎれもなくこれが世界の屋根"ヒマラヤ山脈"である。空の青さと対比されてその神々しさが際立っている。数日後にあの中にいると思うとわくわくが止まらない。隣のおじさんに許可をもらって写真をたくさん撮った。

※ネパール語ではヒマールと呼ぶ。意味は雪山で、サンスクリット語では雪の住みかというらしい。いかにも世界の屋根って感じがして良いですね。

いつの間にかヒマラヤ山脈を越えていたらしい。徐々に高度を下げるとそこにはかなりの大きさを持つ都会が現れた。カトマンズである。天気は晴れ。気温は高く、それまでの服装では汗ばむほどだった。

▲カトマンズのトリブバン国際空港は小さくてかわいらしい空港である。

竹中とふたり、ザックを受け取り、事前に用意していた観光ビザを出して入国した。検査などはとても簡易的で大丈夫か?と疑うほどであったが大丈夫らしい。

ここから2週間のネパールでの思い出に入っていくことにする。

つづく。。。

追記。ここまでで11400文字を超えています。。どれくらいになるのやら…


最新の画像もっと見る

コメントを投稿