紫微の乱読部屋 at blog

活字中毒患者の乱読っぷりを披露。主にミステリーを中心に紹介します。

「プレゼント」若竹七海

2004年09月06日 | わ行の作家
若竹七海って、ハードボイルドがよく似合いませんか。
どんな状況にあっても、キャラクターが
健気に頑張るんですよね。だから返って、
ホラーなんかだとそれが裏目に出るんです(独り言)。

8つの事件にかかわるのは、フリーターの葉村晶(♀)と、
娘に借りたピンクの自転車で現場に乗りつける小林警部補(♂)。
…ありえないだろう、ピンクの女児自転車って(^^;)。
それでも警察官ですか、あなたはっ! って
怒られるよ、そのうち(てか、なんで今まで怒られてないんだ?)。
とはいっても、2人は交互に登場。どれも悲しい事件を、
ハードボイルドに解決します(そんな言葉があるのか)。
短編の連作、といってもいいでしょう。

葉村晶の物語は一人称で進みます。
そして小林警部補のは三人称。
この微妙な違いにもちゃんと意味があるのね。
そういうところも細かく設定してあるってのが、
にくいね(何)。
若竹さんらしく、最初っから悪意全開で(笑)、
終わりまでずーっと痛いです。でも、そこが面白いんだなぁ。

「プレゼント」若竹七海