英国的読書生活

イギリスつながりの本を紹介していきます

胃カメラを呑む

2008-03-04 | 日常

日頃の不摂生がたたってか、昨年秋の健康診断で胃上部にポリープが発見されてしまいました。直ぐに2次検査(胃カメラ)を受けてくださいと指示を受けていましたが、元来恐がりの私としては、何かと理由をつけて先延ばしを続けてばかり・・・。とうとう総務から今月中に検査受けないと費用が自己負担になりますよ!との一言で重い腰を上げ、クリニックに予約を入れた次第です。クリニックからの電話での説明では、当日、鼻から入れるか、口から入れるかお選びいただけます、とのこと。その日から悩める、不安な日々が始まりました。「口から入れると、ぜったいにオエッてきて苦しいんだろうなあ」「でも、鼻からはもっと痛そうだなあ・・・・」  そう考えているとだんだん胃が痛くなって来て・・・・、急にキャベジン飲み始める始末・・・・。そして、「たぶんガンかもしれない」「あれだけ毎日お酒飲んでたから、絶対ガンになってるはずだ・・・」とイメージは膨らむ一方です。お酒の量も膨らむイメージに合わせて増える一方・・・。
いよいよ検査当日。願い空しく、雪で電車が不通になることもなく、今日に限って踏切事故も無く、定められた8時40分にクリニックに到着です。すぐに検査着に着替えさせられ、いよいよ鼻か口かの選択の時です。やさしそうな看護婦さんが丁寧にそれぞれの長所、短所、諸注意を説明してくれます。「どちらにされますか?」・・・・ 何かレストランでどっちのランチコースにするか待たれている状況のようです。待たれると決めきれない私・・・。「初めてでしたら、お口からします?」と看護婦さん・・、「は、は、鼻からでお願いします」と私・・・。すると看護婦さん「鼻からを希望された場合でも、医師の判断で途中から口からに変更になる場合あります。その場合、あらためてお口の麻酔はしませんので・・・・・・・」なんて言われて・・・、「鼻と口、両方やられちゃったら世界一不幸な男じゃん・・・」なんて涙目な私。
9時になり診察室に呼ばれます。1週間繰り返したイメージトレーニングでは、美人の女医さんが、「大丈夫ですよ。痛くないからね。」と優しく鼻からカメラを入れてくれるというはずが・・・・。げっ、男・・・、それも大男・・・・、おまけに無表情・・・・、あんな太い指でいたぶられるのかい・・・・・。最悪な状況です。私「よろしくお願いします」、先生「・・・・・・」、鼻の中をのぞかれ、先生「右に」、で診察終了・・・・。どうやらこの瞬間に鼻の右の穴がめでたく選ばれたみたいです。別室に移り、看護婦さんの指示で、まず胃の泡を消す液体を飲まされます。ちょっとポカリのような甘みがあります。そしていよいよ鼻の麻酔です。まず鼻の穴を広げる薬を3回に分けて中に噴霧されます。これは平気!でした。次にやはり3回に分けて出血を止める薬を注入されます。喉に流れてくる液体がチリチリしてちょっとオエッてなりますが、がんばって飲み込みます。(飲み込んでくださいと言われます) ここまでは普通に腰掛けて処置されます。それからベッドに横たわり最後にゲル状の麻酔薬がたっぷりと注入さます。これが喉を通るとだんだん痺れてきて上手く飲み込めなくなります。ここで大男先生登場。カメラと同じ太さのチューブを鼻に入れてくれます。これは全然平気。ここでしばらく放置。ベッドの高さが調整され、横向きになり、これから唾は全部飲み込まずに外に垂れ流してくださいと看護婦さんに指示されます。あとは大男先生を待つのみです。再び先生が登場します。本当に医者なんでしょうか、レスラーにしか見えません。どうしよう、「やさしくしてください」って頼んでみようかと思っていると、鼻のチューブが抜かれ、突然部屋の電気が消されて・・・強力な光が目の前に迫って来たかと思う間もなく・・・、カメラが鼻に・・・。次の瞬間、先端が喉にあることが分かります。一番苦しい場所です。先生「ごっくんして!」、「ウッ、オエッ・・・」やっぱオエってするじゃないですか!左目から涙がでます。でも苦しいのはそこまででした。喉に大きな物が入っている感覚はずっとありますが、カメラが食道、胃に入っていく感覚は分かりませんでした。たぶん一番奥までカメラが入ったのでしょう。今度は鼻から抜いていくのが分かります。串を打たれた魚の気持です。カメラの先端からは水と空気が出せるらしく絶えず「ジュルジュル、シューシュー」という音がして、映画「エイリアン」が頭の中に浮かびます。てなことを考えていたらスポっと鼻からカメラが出て、部屋の電気がついて、終了・・・となりました。
直ぐに診察室で結果発表です。机の上には私の胃の中を写した写真が置いてあります。先生、写真の上にマジックで矢印を無言で書いてくれます。えっ!その突起は?・・・、まさか、やっぱり・・・。先生、搾り出すような声で「良性です」「まったくキレイです。」「ご安心を」。・・・・・・・・・・よかった・・・・・・・・。
着替えをし、麻酔が切れるまでの諸注意(飲食をしない!)を受けて病院を出たのが9時32分でした。その日の出社を12時にしてたので、ちょっと肩すかしでした。まあ、それから麻酔が切れる1時間は喉が気持悪くてずっとタオルで口を覆ってましたけどね。
以上が、まったく落ちがない体験記です。ちなみに胃カメラは日本人が発明した物。オリンパスの人が作った技術だとか。真田広之のCMでやってるやつですね。今回私に突っ込まれたのがオリンパス製かは分かりませんでしたが、凄い技術には違いないですね。必要なら組織サンプルを採ることができる鉗子もついています(まさにエイリアン)。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿