急に 涼しくなりました
これなら 夕飯に お味噌汁が いただけそうだ
意識は まだ 暑い 房総の海に在りました
昨日 母のことを考えてしまったせいか
私がしたかったこと 行きたかった場所
それが 房総
母は お姉ちゃん子でしたから
理想の移住先は 千葉
凄く 素敵な 病院もあって
海がきれいで
おいしいお魚を買いに 母の車いすを押して 出かけていたのです
市場のおじさんと 気兼ねなく話す社交的な母がいて
おいしいお魚 煮つけにしましょうね と 話して
次は 野菜を買いに行って …
おいしくご飯を食べて 早目に寝る
昨日は月が出ていて 窓を開けて眠りました
母と手をつないで 近い未来に「死」があっても
明日は何をしようか お姉さんに会いに行こうか また 海に行こうか
何をしたっていい
私たちは 毎日浮かれていて
でも 母は心配するのです
「私が死んだら 貴女は 独り責められて 居場所もなくて 大変だよ」
そんなことは どうでもよかった
今 母とこうしていられれば
私は何も怖くない
親戚には 「病気の母を 父が強制的に働かせるから逃げた」と
本当のことを云えばいい
それを責める人は きっといない
葬儀を終えたら 私は家を出る
K家の墓にも入らないよ
海に 還りたいな
山でもいいな
自由になりたいな
この重たい身体を手放したら どんな風に 動けるんだろう … ?
でも それは ただの夢 妄想
私は 独り泣いた
母はいない
後悔だけが 胸に残る。