〔反抗期? いや、寂しいんじゃないですか?〕
朝、いきなりもめごとが‥
ミズキ達が起きてこないので起こしに行ったら、
「なんでもっと早く起こさないのよ?!」
って、ミズキがふてくされてしまった。
それから、先に起きてもう食べはじめているミオに、
一緒に登校する友達に「遅れる」って電話して、
私のサラダにドレッシングかけて‥とか、
なにやら、色々言ってるので、
「自分で起きなかったミズキが悪い。
自分の世話をミオに押しつけんな。電話も自分でしろ」
と一喝した。
ミズキがこれに逆ギレして、
バタンバタン音を立てて荒ぶっているので、
私は妹に、「もうこれからは私もビシバシ言わせてもらうから」と告。
ミズキはもう私たちと食事もしたくなかったらしく、
朝食を二階に持って上がってしまった。
これにより、妹もシャウト。
「降りてきて下でみんなと食べな!」
しかし、降りてこない。
「ミオはもうあいつに合わせて待ってることないんだからね」
と、妹が言う。「あいつは自分が良ければいいんだから」
お前もな。
とにかく、
一緒に起きてやらん親も悪いだろ。
ミズキが自分の部屋にドアがないのでつけて欲しいと言っていた。
それに鍵もとりつけて欲しいらしいのだ。
それで、もう親とは一緒に寝ない! という少女の心情を慮ってくれ。
「絶対、ひきこもるつもりだ。
私、今日みたいのが続いたら、きっとキレてドアをぶち壊してしまうよ」
ドアでなく、今いっその事、
あんたらの間に立っている心の壁をぶち壊してくれよ!
ミオは埼玉の従姉妹とメールのやりとりをしていた。
どんだけナナちゃんラブなの、このコ‥
まあ、とにかくいつものように、
二人並んで学校に行ったので、途中で喧嘩でもしなきゃいいがなと思った。
これは由々しき問題ですぞ。
朝からぐったりさ。
〔闇市〕
父の母親の話はあまり聞いたことがなかった。
この武石で米を作り、電車に乗って東京へ出て、米を売る。
闇市で商売をしていたらしい。
米を売ったお金で上野の市場に出て、
魚やお菓子を買い、武石に戻って村人と物々交換をして生活していたという。
父から初めて聞いたコヨばあちゃんの生き様。
そうして、六人の子供を育てあげた。
ひとりは死産で、フユキさんという仏様が仏壇にいらっしゃる。
旦那、つまり父の親父は、
当時珍しかったアンゴラというウサギを扱った商売をしていた。
そして、お妾さんと一緒になってしまったので、
コヨばあちゃんは苦労人なのだ。
父は一束一円の薪を運ぶバイトをして、
母親を助けていたんだって。
丸子まではバスで往復10円の時代。
今は循環タクシーで片道300円のその道をたどって、
今日の私は、心療内科に向かった。
朝、いきなりもめごとが‥
ミズキ達が起きてこないので起こしに行ったら、
「なんでもっと早く起こさないのよ?!」
って、ミズキがふてくされてしまった。
それから、先に起きてもう食べはじめているミオに、
一緒に登校する友達に「遅れる」って電話して、
私のサラダにドレッシングかけて‥とか、
なにやら、色々言ってるので、
「自分で起きなかったミズキが悪い。
自分の世話をミオに押しつけんな。電話も自分でしろ」
と一喝した。
ミズキがこれに逆ギレして、
バタンバタン音を立てて荒ぶっているので、
私は妹に、「もうこれからは私もビシバシ言わせてもらうから」と告。
ミズキはもう私たちと食事もしたくなかったらしく、
朝食を二階に持って上がってしまった。
これにより、妹もシャウト。
「降りてきて下でみんなと食べな!」
しかし、降りてこない。
「ミオはもうあいつに合わせて待ってることないんだからね」
と、妹が言う。「あいつは自分が良ければいいんだから」
お前もな。
とにかく、
一緒に起きてやらん親も悪いだろ。
ミズキが自分の部屋にドアがないのでつけて欲しいと言っていた。
それに鍵もとりつけて欲しいらしいのだ。
それで、もう親とは一緒に寝ない! という少女の心情を慮ってくれ。
「絶対、ひきこもるつもりだ。
私、今日みたいのが続いたら、きっとキレてドアをぶち壊してしまうよ」
ドアでなく、今いっその事、
あんたらの間に立っている心の壁をぶち壊してくれよ!
ミオは埼玉の従姉妹とメールのやりとりをしていた。
どんだけナナちゃんラブなの、このコ‥
まあ、とにかくいつものように、
二人並んで学校に行ったので、途中で喧嘩でもしなきゃいいがなと思った。
これは由々しき問題ですぞ。
朝からぐったりさ。
〔闇市〕
父の母親の話はあまり聞いたことがなかった。
この武石で米を作り、電車に乗って東京へ出て、米を売る。
闇市で商売をしていたらしい。
米を売ったお金で上野の市場に出て、
魚やお菓子を買い、武石に戻って村人と物々交換をして生活していたという。
父から初めて聞いたコヨばあちゃんの生き様。
そうして、六人の子供を育てあげた。
ひとりは死産で、フユキさんという仏様が仏壇にいらっしゃる。
旦那、つまり父の親父は、
当時珍しかったアンゴラというウサギを扱った商売をしていた。
そして、お妾さんと一緒になってしまったので、
コヨばあちゃんは苦労人なのだ。
父は一束一円の薪を運ぶバイトをして、
母親を助けていたんだって。
丸子まではバスで往復10円の時代。
今は循環タクシーで片道300円のその道をたどって、
今日の私は、心療内科に向かった。