大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

本当の思いは?

2010年01月26日 | 児童デイサービス
この写真は、Yちゃんの念願叶って、Yかちゃんと遊べた場面の写真です。
Yちゃんと、Yかちゃん、お名前が似ているので、Yちゃんは緑色にしています)


ここに行き着くまでの経過を書きたいと思います。

Yちゃんは3年生、Yかちゃんは2年生の女の子。
それぞれがぽぽろに通いだしてからは長いのですが、同じ水曜日に通うようになってからは、2ヶ月かな。

ぽぽろでのYちゃんは、大人との1対1のかかわりを求めることが多くあります。
先ずはぽぽろ楽しいと思ってくれること、ぽぽろ大好きになってくれることが一番ですのでそこからの出発でok2okなのです。
そのYちゃんが、Yかちゃんと遊びたい、遊んでみたいと思い始めたのは大きな一歩です。
きっと、Yちゃんは、Yかちゃんとずっと前から遊びたかったのでしょう
(よく「女同士」「女だけ」と口にするYちゃんです。ぽぽろは男の子が多いので、女同士で遊びたかったのかな)
「遊ぼう」と言えなくて、言い出せなくて今まできていたようです。


先々週の出来事。
スタッフSさんとトランプをしていたYちゃん
楽しそうだなと思ったYかちゃんが「仲間に入れて」とは言いませんが、近寄ってきました。
きっとYちゃんは、やったーnikoYかちゃんと遊べると思ったに違いありません。でも、逆のことを言ってしまいます。
「あかん!!ここは大人だけ!」
Yかちゃんは泣き出しましたhorori

仲直りしたいはずなのに出来ないまま、帰る時間になってしましました。
仲直りしたいのに帰ってしまう!焦ったYちゃんは、YかちゃんのリュックについていたャPモンのキーホルダーを取ります。
これで、引き止めようと思ったようです。
キーホルダーが無いことには気づかずに、また何か言われるんじゃないかと思ったYかちゃんは、急いで帰ろうとします。
ますます慌てるYちゃん。返す時をチャンスにして謝りたいと思っていたのでしょう。


とりあえず、Yかちゃんにキーホルダーを返して、Yかちゃんは帰って行きます。
私たち、スタッフもキーホルダーのことにはしばらく気づかずにいました。
しばらくたって、キーホルダーを取ったYちゃんの思いに気づかされました。
その場で、Yちゃんの思いにきづいてあげていれば、きっとすっきり仲直りできたのかもしれません。


なかなか、Yちゃんの気持ちは治まりません。
Yかちゃんと仲良くしたかったのに出来なかった自分・謝りたかったのに謝れなかった自分、後悔の念だけが残ります。


「Yかちゃん、かわいいもんね、遊びたかったよね?」私が言うと
「そう!」
「Yかちゃんにあそぼうねってお手紙書いて今度渡したら?」
「えーっeqあかん。いいわ・・・」
「じゃあ書いてあげようか?」
「うん」
「Yかちゃん、こんどいっしょにあそぼうね Yより」と書いて渡すと、
「今度、Yかちゃんのお家に泊まりたいです。って書いてー」






そして、先週の水曜日。
トランプを持って、Yかちゃんに近づきますが、「こら!!」「おい!!」とか言ってしまいます。
「あんたexclamation2ぽぽろのこと好きにならないで、はぽぽろのこと好きだけどね!!ふんsymbol5
とまじめな顔して言ってます。
(ごめん。ちょっと笑ってしまいました。本人は大まじめ。)
Yかちゃん、泣き出しました。
腕を組んで仁王立ちのYちゃん
(でも、きっと、心の中は困ったなー、仲良くしたいなー。)

2人の間に入って、
私「トランプしたいんだってー。Yかちゃんするeq
Yか「うん」
「この中から好きなの選んで!!」
私「ハート?みつば?」
言い方はぶっきらぼうですが、Yかちゃんに好きなものを選ばせてあげて、選んだものを渡していました。

しばらくは、大人が間に入ると思います。
Yちゃんが願っているのは、大好きなお友だちと仲良くしたいexclamation2ただ、それだけなのですexclamation2  



ぽぽろには、お友だちと遊びたくても、うまく言えない子や小さい子をヨシヨシしてあげたくても出来ない子がたくさんいます。

ドーンと後ろから突き飛ばしたり、赤ちゃんに近づいて、バシバシたたいたり、暴言を吐いたり・・・いろいろなかかわり方で、思いを表現します。
表面だけ見れば、乱暴な子、やさしくない子、問題行動になってしまいますが、きっと本当の気持ちや願いはそうではないのだexclamation2と私は思っています。


以前、大阪障害児・者を守る会の播本裕子さんの講演で聞いたお話です。

赤ちゃんを見ると息子さんがニコニコしながら近づいて叩こうとする、(確か叩いたこともあった)
近づこうとする前に、播本さんが息子さんの思いを察知して、「赤ちゃん、かわいいよねー、」と代弁して一緒によしよしをする、この繰り返しが何度か、いや何十回か何百回続き、しばらくしてからは、叩くことなく、ニコニコしながらよしよしと出来るようになったと。

1回や2回で、あきらめずに根気よく、また、息子さんの思いを前向きに捉え、理解してすごく上手に子育てされているなーと感動し、心に残ったお話でした。

困った子ではなく、困っている子たちです。
私たちスタッフも、どう接すれば、どう声をかければ、本当の子どもたちの願いや思いに気づくことが出来るのか?・・・奥の深い話ですが、がんばりますgoosymbol5









あれeqなぜか上半身裸の、Mちゃん、Fくん。そして、お兄ちゃんたちのまねっこして一旦、パンツと靴下を脱いだGくん。down


この、ごっこ遊びの輪に車掌さんとして入ってきたSちゃんのお話を、次回は書きたいと思います。
車掌さんが温泉お宿の準備、食事の用意までしてくれました。わがままなお客でごめんね。(お客は私を含め写真の4人です。)