今日から、ノーベル賞の医学・生理学賞を皮切りに、明日の物理学賞、明後日の化学賞と発表が続きます。
まあ、毎年のお祭り騒ぎで、うちの職場でもチェック体制が取られます。もっとも、今の職場では意味が無いので、個人的にチェックしているだけですが。ただ、例年と違うのは、今年はあちこちのマスコミから、今年はiPS細胞を作り出した京都大学の山中伸弥先生が今年ノーベル賞を取ると言っています。しかし、私はその話は無いと見ています。
と言うのも、ノーベル賞のうち理学系の賞は、大体のケースでは、何かしらの形で学問の世界、場合によっては一般の世界にある程度広がってから受賞しているのが傾向としてあるからです。
iPS細胞を作り出した京都大学の山中伸弥先生の業績は、(現時点でですが)「今まで出来ないとされていた、通常の分化した動物細胞をリセットして、分化前の幹細胞へ戻すことが出来る」ことを実証したと言う点に有ります。その一点の業績をもってノーベル賞級の成果を上げていると私も思いますが、世の中への広がりは、iPS細胞が作り出されてから、まだ5年を超えていないと言うことを考えると、これからと言うところです。そう言う意味では、もちろん将来的にはノーベル賞を確実に取られるでしょうが、まだ早くて、世の中の普及状況を見て10~20年後に受賞されると思います。
その傍証としては、今日のノーベル医学・生理学賞が、体外人工授精技術を開発したイギリスのRobert G. Edwards博士だった点です。Robert G. Edwards博士の体外受精による最初の出産が1978年で、それから人工授精で約400万人が生まれてきている今日まで32年経っています。評価されるまでには、これだけの時間が掛かると言うことです。
そんな感じで言うと、山中伸弥先生はまだまだ早い訳で、今年ノーベル賞を受賞すると思わずに、長い目で見て欲しいところです。
と、今年は山中伸弥先生がノーベル賞の有力候補だと煽っている新聞記事に嫌味を言ってみました。
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