ぽんちゃんの買ってし魔王な日々

ことあるごとに「買ってし魔王」が降臨する、ぽんちゃん(観音旭光の両刀使い)の物欲の日々を、周囲にばれない程度に語ります。

K-3 Mark III のユーザーレビューを供養してみる

2021-06-05 16:00:00 | 一眼レフデジカメ
さて、K-3 Mark IIIを少し使ってみて、AF周りを中心に色々解ってきたことがある。それをPENTAXのユーザーレビューに投稿してみたのだが、記念品のホットシューは送られてきたものの、他社比較が祟り掲載はされなかった。ただ、結構レビュー作成に時間がかかっており、同人誌にするには分量が足らないし、自力で通信販売するほどのものでもないと考え、超久々にブログへ投稿してみるものである。まあ、気軽にご笑覧いただきたい。


タイトル ようやく出てきたPENTAX動体撮影機

製品コンセプト
[5段階評価]★★★★
[コメント]
5段階評価についてはあくまでK-3 Mark IIIに限定した評価です。今まで敢えて他社から一歩引いていたが、今後も一眼レフカメラの良さを知らしめるため、動体の被写体を光学ファインダーで追いつつ高速連写で撮影するというコンセプトをPENTAXとしてようやく実現したカメラ。実のところ、CanonのEOS 7D Mark IIやNikonのD500とほぼ同じコンセプトを2000万画素ではなく2600万画素で実現したものであるが、EOS 7D Mark IIは6.5年前、D500も5年前の機種である。一方、CanonはEOS 90Dという近いコンセプトの3000万画素オーバーの機種が1.5年前に出て来ている中で、立ち位置をファインダーと操作性の官能性に求めた機種とは言えると思う。ただ、ライバル機で上げた機種は、製造するメーカーがミラーレスカメラへ急激に軸足を移しており、恐らく一眼レフカメラとしての後継機は出ない。その結果、その官能性を武器に、残留者として受け皿になるポテンシャルをK-3 Mark IIIは持っていると思うが、システムとして高速かつ正確にピントを合わすことが出来るレンズを供給することも忘れずに行う必要がある。また、フルサイズとしてK-1系を出していながら、フラッグシップをAPS-C機として出してきたところの全体的なカメララインナップの乱れは感じる。APS-Cのレンズのラインナップが揃っていることを考えてAPS-C機としたとは思うが、世の中はフルサイズを上位と考えるので、フルサイズとしてのフラッグシップK-1 Mark IIIが必要に思う。

光学ファインダー
[5段階評価]★★★★★
[コメント]
これは中々他社が追い付かないところ。とにかく、APS-CフォーマットなのにK-1/K-1 Mark IIと同じ広さのファインダーで、明るい上にピントの山が見えやすいこと。更にO-ME53を付けると、K-1/K-1 Mark II以上に広い画面を見せる下克上まで起こしてしまう。そしてピントの山が見えやすいおかげで、MFのオールドレンズでもピント合わせが苦にならない。AFにおいても、合焦のマークが出なくともマット面で合焦が判る。Canonでは出来ない技で、MF時の正確なピントが今一判らない上に、EOS 90Dは液晶表示がKiss系を流用しているため水平表示などの手抜きが多い。Nikonは直接比較可能なボディを所有していないため、あくまで想像となるが、ファインダー倍率でK-3 Mark IIIの方が有利という所か。

画質
[5段階評価]★★★★
[コメント]
画素数的には微増で3200万画素のEOS 90D には敵わないが、入手可能な撮像素子の問題から致し方ないところ。実際の写真については、いつものPENTAXらしい画質で、色も出て階調も有り安心感がある。高感度も強いので、動体撮影のためシャッター速度を上げて、吊られて感度が上がってもISOが4桁台なら画像が気になるほどざらつく心配もない。

動体性能
[5段階評価]★★★★
[コメント]
これは、K-3 Mark III最大の改善点と言って良いと思う。特に、三脚使用時などカメラを振り回さない時を前提であれば、AF-Cに「オートエリア」設定としておけば、カメラ側で動体を認識して動体を追従するようAFが駆動する。レンズはPLM搭載レンズが最適と思われるが、カプラーによるボディ内モーター駆動の古いレンズでも追従する。手持ち撮影でカメラを振り回す場合は、AF-Cの「オートエリア」だと背景も流れて動体を認識できずに追従できないことから、AF-Cの「セレクトエリア拡大」として選択測距点を動体先頭に置くと撮影の歩留まりは上がる。民航飛行機撮影の場合は、AF-Cの「オートエリア」で問題ないが、被写体認識は効かないようで、一番測距しやすいポイントで合掌するようである。何れにしろ、測距点の大幅増・高速連写時のAF追従を含め、PENTAXとしては段違いの進歩だと思う。CanonやNikonなどと比較して追い抜いた感はないにしても、追いついた感はある。「よくやった」と言って良いかもしれない。
ただ、要注意点としては、ボディとレンズとのピントの相性はシビアなので、撮影前に事前にピント位置の調整を行い、AF微調整で合わせておく必要がある。これを癖付けておかないと、ピンボケ写真続出になりかねないので注意。あと、AF-Cの2コマ目以降の動作設定を「フォーカス優先」にすると大幅に連続撮影時のコマ速が大幅に落ちるので、AF周りの設定については「オート」にしておくしかない。「オート」にしておけば、コマ速は秒11コマをキープしていると思われる快適な撮影が可能。また、那須塩原駅で本線を300km/hで通過する東北新幹線を撮影したが、HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE以外はカプラー駆動のsmc PENTAX-FA★ 80-200mm F2.8ED[IF]やDC搭載のHD PENTAX-D FA★70-200mm F2.8ED DC AWも300km/hにレンズ側が追従できず、1回AFが合焦すると2~3コマ外れて再度合焦するということを繰り返す。レンズ設計時には、ここまで高速・精密駆動するとは考えていなかったのだろうが、もう少し先を見越してほしかったとは思う。

操作性
[5段階評価]★★★★★
[コメント]
箱から出して、設定もせずに普通に使ってもPENTAXの優れた操作性を堪能できる。また、AF測距点の選択のため「測距点レバー」と言う名のジョイスティックがようやく付いた。ただ、操作性の真骨頂はスマートファンクションのボタンとダイヤルにあり、これにより色々な変更をスマートファンクションダイヤルに呼び出せるようになった。これがかなり便利で、私はUser AFをメインに使っているが、操作の柔軟性が非常に高い。問題点としては、余りにも色々変えられるために、自分にしっくりくる設定を得るのに時間が掛かってしまう。手に入れて1か月の状況では設定できている訳もなく、恐らくはいつまでも試行錯誤になるだろうと思われる。また、他社では測距点レバーのジョイスティックでメニュー画面のカーソルを前後左右に動かせるが、K-3 Mark IIIで出来ないのは残念。設定メニューの動きが横から縦に変わって、前後ダイヤルでの操作は縦横が変わるため直観性に欠けるので、ファームアップで測距点レバーでの十字操作も出来るようにして欲しいとは思っている。

デザイン
[5段階評価]★★★★
[コメント]
ペンタ部の額が極力出っ張らないデザインで、銀塩MF時代の一眼レフカメラの名機MXやMEを彷彿とさせるクラシカルだけど一眼レフカメラとしての王道を感じる良いデザインと思う。一方で、額が極力出っ張って欲しい1%に含まれる嗜好も持つ私としては、今回堪えきれずに発売日当日に買ってしまったが、額が極力出っ張ったリーゼント付き製品が出ることも期待したい。ただ、じゃあ出てきたら買えるかというと、IYHerというアイデンティティからヒトバシラー上等の人間であるが故に、KPは何とか買い替えできたけど、K-1 Mark IIは資金的に厳しい所で、K-3 Mark IIIも厳しいだろうなと考えると悩ましい・・・。

総合評価
[5段階評価]★★★★★
[コメント]
ユーザー側としては「けーさんざんマタサレター」と名付けるぐらい散々待たされた訳だが、待った甲斐があり、良い製品に仕上がっていると思う。他社はミラーレスカメラへの移行が急である中、光学ファインダーを見て動体ターゲットを撮影できるカメラとしては最新であり、官能性の高い優れたファインダーでユーザーに使う気を起こさせるカメラだと思う。

その他
[コメント]
付言となるが、35mmフルサイズ用を含めて測距スピードの速いレンズを増やして欲しい。あと、APS-C機をフラッグシップとしたのは、素人目にはラインナップの混乱に感じるので、ぜひフルサイズでのフラッグシップをK-1の次期モデルK-1 Mark IIIとして、K-3 Mark IIIの延長線上で出して欲しい。その際には、AF-Cでもコマ速が落ちないようにすることと、デュアルスロットは、CFExpress BやAとは言わないが、どちらもSDXCのUHS-IIを使えるようにして欲しい。
コメント
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