占星術思いつきメモ(天体位相研究カルデア)

占星術に関して思いついたことを書き留めるブログ。西洋占星術による地震予測、金融占星術の研究をしています。

カーディナルクライマックスと木星

2009-10-26 01:42:40 | カーディナルクライマックス
前々号ではカーディナルクライマックスの時代に土星が果たす役割について述べた。今回は木星について考える。木星はカーディナルクライマックスを構成する天体ではない。しかし2008年から2011年までの激動の時代にあって、実は鍵を握っている天体は木星ではないかというのが本稿の主旨である。
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木星のサイン移動
2009/01/05 みずがめ
2010/01/18 うお
2010/06/06 おひつじ
2010/09/09 うお(逆行)
2011/01/23 おひつじ
2011/06/04 おうし
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2009年の木星を取り巻く環境で最も特徴的であったのが、サインみずがめにおいて海王星と合を形成したことである。この合は2009年のほとんどの期間で有効であった。また同時にノースノードもみずがめで木星と合を2月頃に成立させた。この3つの感受点の働きが今年の金融経済の基盤を担ったといってもよい。

従来の解釈では木星-海王星の合はインフレを表し、当初は占星術の世界でもそう見られていた。好景気の時代もあったが、アジア通貨危機などバブル崩壊を招いたこともあり、解釈は一筋縄ではいかなかった(過去記事:木星-海王星と経済効果)。結果は株価は2月を底にしたV字回復の動きとなり、おそらくこの傾向は年末まで続く。今年の木星海王星の合はなぜこんなにうまくいったのか。

◆木星-海王星-ノードの合◆
前回木星-海王星が合となった1997年のアジア通貨危機では、ノースノードに火星、サウスノードに土星が合を形成する時期であり、事態はあくまでノード軸天体が主役であった。今年のノードは木星と合となる時期を通過しており、ノードの示す危機に木星が緩衝効果を果たしたと考えられる。しかし金融危機の本質が改善したというのではなく、量的緩和による未曾有の通貨発行量により平衡が保たれているのである。これが木星-海王星の合が果たした効果であった。これがなけれ金融界は忽ちキャッシュの底が付き崩壊していただろう。米連銀が公開するバランスシートでは10月現在で約2000兆円規模の債券を購入している。

これだけ通貨を発行しながらインフレにならなかった要因は、通貨発行者と実体経済の間にまたがる金融市場という巨大なバッファエリアの存在にある。米連銀などは大量の債券を買取りそれに見合う通貨を大量に金融機関に投下したが、それは現金として一般社会にはほとんど流れず金融市場の中だけで動いたと見られている。体力を回復した金融機関が法外なボーナスを支給して批判をくらったほどである。先進国の実体経済は以前と変わらず、デフレ圧力の方に針が振れている。

今年の木星-海王星-ノードの合を図像的に意識するのに、以下のような風景が思い浮かんだ。
(グレートブルーホール:Wikipedia)

--海中の鍾乳洞が陥没して出来た巨大な縦穴の上を船が航行している。--

ノードは縦穴(=膨大な負債)、木星-海王星は縦穴を満たす海水(=膨大なキャッシュ)である。船は縦穴の上を何事もなく進む事ができる。これが水のない陸上であれば、車は縦穴に突っ込み決して生きて戻る事はないのである。

◆海王星-天王星のミューチャルレセプション◆
もう一つ、おそらくこれが本質的な理由なのだろう。サインみずがめにある海王星と、サインうおにある天王星は2003年よりミューチャルレセプションの関係にある。これは海王星がみずがめの支配星である天王星に、天王星がうおの支配星である海王星に互いに影響を与え合い、強力な関係で結ばれる状態を指している。木星は2009年に入りみずがめに入居した。ということは木星は海王星に対してのみならず、ミューチャルレセプションの関係にある天王星にも作用したと考えられるのではないだろうか。

天王星、ここでやっとカーディナルクライマックス天体と木星の関係が浮かび上がった。ということは2009年に入って木星はカーディナルクライマックスを構成する天体に効力を与え始めたといえそうだ。振り返れば2008年の金融危機の際には木星はサインやぎにあったが、冥王星はまだサインいてを進行中で未だカーディナルクライマックス天体に有効な作用を与える位置になかった。木星は来年うおにイングレス、再来年おひつじにイングレスし天王星と合を形成する。前々号の記事で解説した2009~2011年の激動期に、木星は激動のフラッグシップを果たす天王星と強く結ばれる。これは占星学においては古き体制を排して新たな進化と成長のエネルギーが高まる大きな好機の到来を意味するのである。

カーディナルクライマックスを提唱したレイモンド・A・メリマン氏は10年前から現在の金融危機を予見し自らの著書で訴えていたのは間違いない。ただこの時期での木星の働きについては氏の文章からは余り読み取ることができない。FRBや米国の始源図との関係からやや悲観的な解説となっているのだが、もしかすると悲観的すぎたのかもしれない。今年の筆者の金融に対する意識もメリマン氏のイメージに引きずられてしまっていた。今は木星の効果を信じるほかなかろうと思っている。

木星が来年うおにイングレスした後も、うおの支配星である海王星との関係は続く。量的緩和がいきなり金融引き締めに転換する事はない。天文学的数字の負債額も、FRBが腹の中で消化してしまうのではないだろうか。書き換えられるのは実体のある生活ではなく、経済学の教科書の方ではないだろうかとも思うのである。

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