六本木ヒルズに行ってきた。写真は展望台から見た東京タワーと東京湾。
東京―ベルリン/ベルリン―東京展
19世紀末から繰り広げられてきた、東京とベルリンの文化・芸術的交流の軌跡をたどる展覧会。美術・建築・写真・デザイン・演劇など約500点の作品・資料を、年代ごとに分けた11のセクションで展示。これだけの量を一点ずつ丹念に観ると時間的にも体力的にも辛そうだったので、戦後の3セクションをじっくり鑑賞。
9. 復興の時代1945-1950年代
実験工房の写真作品や、岡本太郎や河原温の絵画など、国内のコレクションが中心の展示。どこかで観た作品ばかりだったけど、なかなか豪華なラインアップ。
10. フルクサス、ポップアートと新表現主義―1960年代の前衛芸術
先日亡くなったナムジュン・パイクのパフォーマンス写真や、ヨーゼフ・ボイスとのパフォーマンス映像が印象的だった。このほか、草間彌生、タイガー立石、横尾忠則の作品もこのセクション。
11. ベルリンの今―壁崩壊後の現代美術
このセクションの展示が私にとって最も面白かった(予想どおり)。今回はドイツの現代アートばかりだったけど、この展覧会がベルリンに巡回する際は、日本の現代アートにも焦点が当てられるとのこと。私としてはその方が良かったかも。でも、いくつか印象に残る作品があった。
キャンディス・ブレイツの《キング(M・ジャクソンの肖像)》は、16面の縦長スクリーンを横一列に並べた映像作品。それぞれの画面では、一般公募で選ばれた16人のファンが、アルバム「スリラー」の音楽にあわせて歌ったり、踊ったりしている。歌手になりきってノリノリで踊っている人がいる一方で、ほとんど直立不動で歌っている人がいるのが観ていて面白い。でも、様々な人種・性別の人たちが息をピッタリあわせて歌っているのが、(私の推測だけど)別々に撮影したものを重ねたものだと気づいたとき、ちょっと不気味なものを感じてしまった。また、曲間の時間のすごし方も、まさに十人十色(十六人十六色?)なのでお見逃しなく。
マルティン・リープシャーの《フィルハーモニー1》は、オーケストラの演奏会が行われているホールを撮影した360度のパノラマ写真。そこには奏者・観客など無数の人が写っているけど、それら全員が作家本人の自作自演というのがなんとも奇妙な光景。真剣な表情の奏者たちと、かなり行儀の悪い観客たち(もちろん全て作家本人)という対比も面白い。あと、弦楽器の構え方が比較的サマになっていたのも、個人的にポイントが高かった。
このほか、本展のために制作した壁画に旧作絵画を組み合わせたフランツ・アッカーマンの《ゴールデン・トゥリー》や、かつて社会主義体制の象徴であったが、アスベスト除去工事のために廃墟となった「共和国宮殿」を扱ったフランク・ティールやニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニの作品が印象に残った。
森美術館にて、5月7日まで(会期中無休)。
東京―ベルリン/ベルリン―東京展
19世紀末から繰り広げられてきた、東京とベルリンの文化・芸術的交流の軌跡をたどる展覧会。美術・建築・写真・デザイン・演劇など約500点の作品・資料を、年代ごとに分けた11のセクションで展示。これだけの量を一点ずつ丹念に観ると時間的にも体力的にも辛そうだったので、戦後の3セクションをじっくり鑑賞。
9. 復興の時代1945-1950年代
実験工房の写真作品や、岡本太郎や河原温の絵画など、国内のコレクションが中心の展示。どこかで観た作品ばかりだったけど、なかなか豪華なラインアップ。
10. フルクサス、ポップアートと新表現主義―1960年代の前衛芸術
先日亡くなったナムジュン・パイクのパフォーマンス写真や、ヨーゼフ・ボイスとのパフォーマンス映像が印象的だった。このほか、草間彌生、タイガー立石、横尾忠則の作品もこのセクション。
11. ベルリンの今―壁崩壊後の現代美術
このセクションの展示が私にとって最も面白かった(予想どおり)。今回はドイツの現代アートばかりだったけど、この展覧会がベルリンに巡回する際は、日本の現代アートにも焦点が当てられるとのこと。私としてはその方が良かったかも。でも、いくつか印象に残る作品があった。
キャンディス・ブレイツの《キング(M・ジャクソンの肖像)》は、16面の縦長スクリーンを横一列に並べた映像作品。それぞれの画面では、一般公募で選ばれた16人のファンが、アルバム「スリラー」の音楽にあわせて歌ったり、踊ったりしている。歌手になりきってノリノリで踊っている人がいる一方で、ほとんど直立不動で歌っている人がいるのが観ていて面白い。でも、様々な人種・性別の人たちが息をピッタリあわせて歌っているのが、(私の推測だけど)別々に撮影したものを重ねたものだと気づいたとき、ちょっと不気味なものを感じてしまった。また、曲間の時間のすごし方も、まさに十人十色(十六人十六色?)なのでお見逃しなく。
マルティン・リープシャーの《フィルハーモニー1》は、オーケストラの演奏会が行われているホールを撮影した360度のパノラマ写真。そこには奏者・観客など無数の人が写っているけど、それら全員が作家本人の自作自演というのがなんとも奇妙な光景。真剣な表情の奏者たちと、かなり行儀の悪い観客たち(もちろん全て作家本人)という対比も面白い。あと、弦楽器の構え方が比較的サマになっていたのも、個人的にポイントが高かった。
このほか、本展のために制作した壁画に旧作絵画を組み合わせたフランツ・アッカーマンの《ゴールデン・トゥリー》や、かつて社会主義体制の象徴であったが、アスベスト除去工事のために廃墟となった「共和国宮殿」を扱ったフランク・ティールやニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニの作品が印象に残った。
森美術館にて、5月7日まで(会期中無休)。