現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

鴻池朋子展@大原美術館・有隣荘

2006-05-04 | アート感想@遠征
倉敷の大原美術館に行ってきた。

鴻池朋子 第0章 -世界はいつも密やかで 素晴らしく 謎めいている-

大原美術館本館から川を挟んで向かい側にある有隣荘(大原家旧別邸)と、倉敷アイビースクエア内にある児島虎次郎記念館で行われている特別展。有隣荘の公開は年2回だけで、昨年春は「会田誠・小沢剛・山口晃」展を開催。「歴史的な建物+現代アート」って、なかなか刺激的な組み合わせ。

まず有隣荘へ。こちらの展示は、鴻池朋子が4つの絵画(後述)で描いた“物語”から抜け出してきた狼たちが、巨大なオブジェとなって家中に棲み付くといったもの。1階洋間、1階和室、2階和室の3部屋で、複数の作品によるインスタレーション作品を展示。

1階洋間は《幾つもの森を抜け やがて地上を照らし出す》という展示。部屋の中央には、全身鏡張りの巨大な狼が力強く歩く姿がある。その狼の後ろ足を見ると、脱皮した皮を引きずるように、もしくは狼たちが鏡張りの狼にしがみつくかのように、何頭もの狼の毛皮が鏡張りの狼の足元から後方に伸びている。部屋全体を眺めると、温室や暖炉などに、鏡の破片が重なり合わないように敷き詰められていて、鏡張りの狼のイメージを増幅させているかのよう。

1階和室は《風蕭蕭と窓を鳴らし 愁雨凄凄たる夜》という展示。まるでナイフの雨が降っているかのように、部屋全体に透明プラスチック製のナイフがぶら下がっている。床には鳥の巣のようなもので縁取りされた楕円形のスクリーンがあって、おそらくMOTで観たものと同じ鉛筆画アニメーション(12分)を映写。

2階和室は《月はしばらく雲に覆われる》という展示。畳の上には苔のようなものが敷かれていて、その上にはMOTで観た《第4章 帰還-シリウスの曳航-》に出てきた巨大な狼たちの玉が!かなりインパクトのある作品だった。ディティールも凝っていて面白い。

有隣荘の窓から外を見上げると、煙突や木に腰掛けた下半身だけの子供の姿が!さすがにこれにはビックリ。これは《わが家の瞳孔のうちにひそむもの》という作品。私は5体見つけたけど、全部で何体あるんだろうか?

このほか廊下などに、アニメーションドローイングや《Chapter#0》(後述)の原画の展示もあり。

続く。


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2 コメント

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うらやましいです。 (kino)
2006-05-11 22:22:46
倉敷いったんですね、羨ましいです。

去年に引き継ぎ、現代アートの展覧会をしているようで

新聞評でもよい評価のようです。



それにしてもミズマの作家ばっかりですね。

コネかな。
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kinoさんへ (pizz)
2006-05-12 07:46:12
名古屋への帰省ついでに、ちょっと足を伸ばしてきました。

私にとって、遠征するだけの価値がある展覧会だったと思います。



前回に引き続き、ミヅマさんのところの協力ですね。

私の趣味に最も近いギャラリーの一つなので、嬉しいです。

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