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現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

会田誠・小沢剛・山口晃@大原美術館・有隣荘(倉敷)

2005-04-29 | アート感想@遠征
倉敷の大原美術館に行ってきた。

平成17年 有隣荘 春の特別公開「会田誠・小沢剛・山口晃」

本館の斜向かいにある有隣荘(写真)が舞台の展覧会。この建物は、大原家の別邸として建てられた後、倉敷の迎賓館的な役割を担った由緒ある建物。現在は年に2回だけ公開しているみたいだけど、そんな建物を使って現代アート、しかも「取扱注意」の作家を含む展覧会を開催するとはスゴい。

1階の洋間は小沢剛《ベジタブル・ウェポン》シリーズの部屋。《羊肉火鍋/北京》や《プチェイロ/リオデジャネイロ》などの写真や映像もあったけど、今回の目玉はなんと言っても《ばら寿司/倉敷》。野菜と魚で作った銃に無理やりご飯を詰め込むシーンが面白かった。

廊下を通って和室に行くと、会田誠の《おにぎり仮面》が部屋の中央に鎮座。さすがに仮面をかぶっているのは本人じゃなくて人形だけど、風情ある建物とのギャップに頭がクラクラしてきた。今回の目玉の《愛ちゃん盆栽》シリーズは、加藤愛とのコラボで、《ほおずき》、《しだ》、《松》の3作品。盆栽から伸びた枝ごとに可愛らしい顔がついている姿は、はっきり言って異様。でも、和室の空間にあまりにも馴染んでいるのが不思議。他にも英語に対する複雑な感情を表現した《Untitled》や、臼井良平や卯城竜太らの作品もあって、内容盛りだくさんの部屋だった。

2階は山口晃のスペース。この展覧会のための新作《倉敷金刀比羅図》は、瀬戸大橋を中心に倉敷・金刀比羅までを描いたもの。なぜか瀬戸大橋は江戸時代っぽいデザインで、実際には橋が架かっていない近隣の島まで橋が架かっているのも面白い。相変わらず精緻な描き込みで観ていて飽きない作品だった。《青年の部屋》は、若き日の大原總一郎の部屋をイメージしたインスタレーション。古い机や本棚には、昔の学生が読んだような難しそうな本が並んでいるが、なぜかポテトチップやペットボトルのお茶(2リットル)があるのが可笑しかった。

5月8日まで、会期中無休。

続いて本館、大原美術館はこれで3回目だけど、国内随一のコレクションは本当に観応えがある。新収蔵作品では、やなぎみわと田島悦子の作品が印象に残った。あと、私のお気に入りの分館地下も良かった。ここは来るたびに新たな発見があって楽しい。

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