現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

鴻池朋子展@大原美術館・児島虎次郎記念館

2006-05-04 | アート感想@遠征
続いて、倉敷アイビースクエア内にある児島寅次郎記念館へ。

MOTで観た《第4章 帰還-シリウスの曳航-》を皮切りに、森美術館で観た《第3章 遭難》、ミヅマで観た《第2章 巨人》と、鴻池朋子は4つの絵画による“物語”を逆順で発表してきたけど、今回ついに《第1章》を発表!しかも、既発表の3作品も並べて展示されていて壮観だった。

チラシや鴻池朋子展HPで公開されているイメージは、《第1章》の中央付近を切り取ったほんの一部(以下ネタバレのため、一部伏字)。○が舞うなか、薄暗い○に囲まれた○の上に○○の塊が浮遊している。その○○の塊から○。○のようなものが生えている、もしくは○。○が○○の塊に吸収されているようにもみえる。これから起こる“物語”を予感させるとともに、“物語”の終結も表現しているような絵画だった。

1章~4章の順の“物語”なんだけど、逆順でも“物語”は成立しそうだし、1章と4章がつながって環状の“物語”になっているようにもみえる。残念だったのは、スペースの関係で1章と2~4章とでL字型に展示してあったこと。正方形の展示室を使って、四方の壁にそれぞれの絵画を展示すれば、もっと“物語”の世界に浸れる展示になったのではないかと感じた。

このほか、絵本『みみお』の原画もこちらで展示。

さて、前の記事でちらっと書いた『Chapter #0』なんだけど、2会場に展示された作品すべてと倉敷の街全体を包み込む第0章の作品という設定で、配られた地図を頼りに倉敷の街を観客が探索するというもの。地図は作家本人による細かい描きこみだけど、道の形を除くと実際の街とは全く別のものが描いてあり、まさにパラレルワールドといった感じ。この地図を頼りに倉敷の街を歩くと、街が全く別の世界に見えてくるよう。なかでも阿知神社と倉敷貯金箱博物館がオススメ。

このほか、工房Ikukoでも鴻池朋子個展『阿知に不時着』も開催していた(こちらは5月7日終了)。以前、ミヅマで観たインクジェットのマルチプルなどを展示。

大原美術館(倉敷) 有隣荘(平成18年春の特別公開)・児島寅次郎記念館にて、5月28日まで(月曜休館)。


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