現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

「アートと話す/アートを話す」ほか@初台

2006-01-19 | アート感想@関東
初台にある東京オペラシティ アートギャラリーに行ってきた。


アートと話す/アートを話す バウハウスからコンテンポラリー:ダイムラー・クライスラー・アート・コレクション

ダイムラー・クライスラー・アート・コレクションのうち、バウハウスの巨匠から若手まで、約50人の作家による約100点の作品を展示。作品を観るのが楽しくなるワークブックを、無料で貸し出してくれるのも嬉しい。

この展覧会で私が最も気に入ったのは、ジョン・M・アームレーダーの《してはいけない》。チラシにも写真が載っているこの作品は、工業製品を並べたインスタレーション。どこかで見たような便器があるなあ、と思って近づいてみると……!!思わず笑ってしまった。理由を知りたい方は、作品目録の「素材・技法」欄をご覧あれ。

自動車メーカーのコレクションだけあって、クルマに関係した作品が多い。そんな中で私が一番気に入ったのは、カースティン・モッシャーの映像作品《カーメン》シリーズ。ほふく前進をする兵士のオモチャに、クルマの模型がかぶせてあって、クルマがノコノコ歩いているような姿がとってもユーモラス。このクルマが焚き火に突っ込んだり、本物のクルマに轢かれたりするのもシュールで面白い。あと、この作品のスペルは《Carmen》だけど、どうやらビゼーのオペラとは関係ないみたい。

このほかの作品では、ゲルヴァルト・ロッケンシャウプの《6つのアニメーション》や、ダニエル・ビュレンの《正方形とダンス》が良かった。

東京オペラシティ アートギャラリー(3Fギャラリー1&2)にて、
3月26日まで、月曜休館(2/20開、2/12休館)。


project N24 小林 浩

単色のグラデーションでぬいぐるみをリアルに描いたアクリル絵画。グラデーションは地図の等高線のように1色ずつシャープに塗り分けられていて、それぞれの色がこんもりと盛り上がっている。近くでは何の絵かわからないけど、絵から徐々に離れていったとき、急にリアルなぬいぐるみが浮かび上がってくる感覚が面白い。この作家は、写真をコンピュータ処理したイメージを、アクリル絵具でキャンバスに写し取っているとのこと。

東京オペラシティ アートギャラリー(4Fコリドール)にて、
3月26日まで、月曜休館(2/20開、2/12休館)。


ついでにオペラシティの近くにあるギャラリーへ。ケンジタキギャラリーの展示が良かった。


小柳裕 新作展

「VOCA展2004」で奨励賞を受賞した、77年生まれの作家の個展。「VOCA展」に出展したものと同じ《エーテル》シリーズの油彩が10点ほど。団地、分譲住宅、踏切、公園といった、どこにでもあるような風景が多少ピンボケ気味に描かれていて、観ていて何だか懐かしい。この年代の都市出身者にとっては、このような風景が原風景なのかも。あと、画面の四隅が丸くなっている作品は、昔のテレビを観ているような感覚。

ケンジタキギャラリー(初台)にて、2月18日まで、日・月・祝休廊。


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2 コメント

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Unknown (はろるど)
2006-03-26 13:00:43
小林さんのぬいぐるみ、とっても良かったですよね。

projectNはいつも面白い作家さんを紹介しているので、

毎回楽しみにしています。

今回は本企画展より面白かったかも?!
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はろるどさんへ (pizz)
2006-03-27 06:59:13
コメント&TBありがとうございます。

確かに、今回の企画展は少し散漫な感じがしましたが、

それ以上に小林さんの絵はインパクトがありましたね。

今後のご活躍も楽しみです。

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