現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

山本屋本店 エスカ店@名古屋

2005-03-28 | 食べ歩き
万博会場内では、レストランが混雑していてロクな食事にありつけなかったため、名古屋駅西口地下街にある山本屋本店エスカ店にて早めの夕食。名前がよく似ているけど、山本屋総本家(先日、秋葉原で食べたときの記事はこちら。)とは別の店。

中央に大テーブルのカウンター席があり、その周囲に2人と4人のテーブル席という店内。お酒だけのお客様お断りというのも、食事目的の私には嬉しい。

メニューから期間限定のとろ豚味噌煮込みうどんを注文。とろ豚と卵入りの味噌煮込みうどんに、ご飯とお新香が付いて2310円。

ほどなくして、お茶とお新香が運ばれてきた。お新香は数種類の盛り合わせで、あっさりした味にほのかな酸味が加わって美味。なんとお代わり自由で、店員さんが大皿から追加してくれる。けっこう量があったけど、お代わりしてしまった。

お新香を食べているうちに、味噌煮込みうどんが運ばれてきた。ふたを開けるとグツグツと煮立っていて本当に美味しそう。さっそく名古屋の作法にのっとって、穴のない蓋を取り皿にして食べる。他の地方では考えられないほどコシの強い麺に、鰹だしがしっかり効いた八丁味噌のスープが絡まって本当に美味。とろ豚も舌の上でとろけるようで最高。鶏肉よりこっちの方が好みかも。

名古屋の味を堪能し、身も心も温まって新幹線で帰宅。

愛・地球博アートプログラム「幸福のかたち」

2005-03-28 | アート感想@遠征
大阪万博後に生まれた国内外の若手美術作家7名による野外美術展。1970年代に生まれた彼らは、ちょうど私と同じ世代。以前、青山のスパイラルで行われていたプロポーザル展の記事はこちら

アジア諸国のパビリオンが並ぶグローバル・コモン1の入口にあるのは、さとうりさの《player alien》(写真)。カワイイ姿をした高さ6メートルの立体作品だが、胸のパーツが欠け、前方に落ちている。こちらのページでさとうりさ本人が書いているように、人間が持っている何かを無くし、欠けてしまうことへの恐れや不安に対して、「人間は欠けているところがあっても構わないんだよ。」というのがこの作品に込められたメッセージ。作品の穏やかな表情と相まって、思わず目頭が熱くなってしまった。

北・中・南アメリカのパビリオンが並ぶグローバル・コモン2の国連館前にあるのは、名和晃平の《PixCell-Sacred Beast》。名和は様々な物体の表面に透明ビーズをびっしりと貼り付けた《PixCell-…》シリーズを展開していて、この作品はその巨大版。透明なボールがびっしり貼り付いた巨大なトラと錦鯉は圧巻だったけど、やっぱり普通の大きさの作品の方が名和らしい繊細さがあっていいかも。

ヨーロッパ諸国のパビリオンが並ぶグローバル・コモン3のイタリア館裏にあるのは、ハン・ジン=スーの《THE TREE OF A PUBLIC GARDEN》。照明塔に無数の人間のピクトグラムが吊り下がっているけど、遠目にはただの飾りにしか見えず、ちょっと損している感じ。

こちらもヨーロッパ諸国のパビリオンが並ぶグローバル・コモン4の入口付近にあるのは、イヴァナ・ファルコーニの《Guardian Angels》。巨大な小人の立体作品で、スケール感が面白い。でも、雨の日の休憩場所前で人はまばら。

アフリカ諸国のパビリオンが並ぶグローバル・コモン5のアフリカ共同館裏の壁にあるのは、澤田知子の《FACE》。世界各国の民族に変装したセルフポートレート作品で、ある意味万博にふさわしいけど、見逃してしまいそうな場所にあるのが残念。澤田本人は外見のコンプレックスからセルフポートレートを始めたそうだけど、見慣れるとカワイイかも。

西ゲート付近の西調整池の対岸にあるのは、テア・マキパーの《World of Plenty》。動物や人間が集う幸福な風景を表現した巨大な写真作品だけど、池の向こう岸にあって近くで観られないのが残念。

オセアニア&東南アジア諸国のパビリオンが並ぶグローバル・コモン6の中央にあるのは、フェデリコ・エレーロの《World Map》。2つのじゃぶじゃぶ池の底面に、サイズの違う4つの世界地図が色鮮やかに描かれている。さすがに雨降る寒い日に遊ぶ子供はいなかったけど、真夏になると大勢の子供たちが世界を舞台に遊ぶんだろうなあ(笑)。

愛知万博

2005-03-28 | Weblog
愛知万博に行ってきた!

雨の平日を狙って行ったんだけど、これが裏目。前の土日よりも入場者数が多かったらしい。

開場時間直前に瀬戸ゲートに到着。サブ会場のせいか列も短く、手荷物検査の順番もすぐに回ってきて、いよいよ入場。

ゲートと開場をつなぐ橋の上から、黒川紀章プロデュース、日比野克彦デザインの《天水皿n(てんすいさらえぬじょう)》(写真)を観る。確かに大きいけど、インパクトはイマイチ。どうせなら《太陽の塔》みたいにブッ飛んだものを造って欲しかった。

瀬戸ゲートから入った観客のほとんどは、モリゾーゴンドラで長久手会場に移動している。どうやら、長蛇の列が予想される長久手会場のゲートを避け、瀬戸会場を通過して人気パビリオンを目指しているみたい。でも私は瀬戸会場から回る。

整理券配布所で整理券をもらい、瀬戸日本館へ。1階のプロローグ空間で、日本の美を体験した後、2階の円形シアターへ。

群読 叙事詩劇・一粒の種

この劇は33人の演者によるライブで、1日約20回も上演されるらしい。作・演出・音楽・美術は寺山修司主宰の劇団で活躍したJ・A・シーザー、プロデューサーは野田秀樹とともに小劇場ブームを支えた北村明子とスタッフも豪華。日本の自然と伝統を称えつつ、ミュージカルのように息つく暇もなく舞台は進行していくけど、ここでは「群読」が歌の代わり。演者が声を揃えて読み上げた台詞は、ずっしりと重く、不思議な説得力と魅力を感じた。ライブって素晴らしい!

光と風の庭

4階のアートギャラリーでは、作間敏弘と西本剛己によるインスタレーションの展示。屋内の蜜蝋や電球の作品よりも、屋外の大量の風車や動物の行進が良かった。

モリゾーゴンドラに乗り、長久手会場に移動。さすがはメイン会場、人が多い。長蛇の列の企業パビリオンは諦め、中部千年共生村へ。ここの目玉は、杉原有紀の《ミズノバ》。噴水の内側に入ると光が水に映り、幻想的な光景。夏は涼しくていいかも。でも待っている人が多くて、じっくり鑑賞できないのが残念。

あとは、外国館などを適当に観て過ごす。イギリス館では9人の現代美術家による展示があったけど、ここもじっくり鑑賞できる雰囲気じゃなかった。また、《踊るサテュロス》が目玉のイタリア館は、長蛇の列で断念。

後日気づいたんだけど、モリゾー・キッコロメッセには清水寛子の作品があるみたい。ノーチェックだった……。

お目当てのアートプログラム「幸福のかたち」は次の記事にて。