焼津名物 “炎の弾丸男!!”    【富士山通信 Vol.2】

“百見は一体(体験)に如かず”を信条とし、持続可能な人類、世の中を目指し、人間性の向上と楽しい人生を目指すパワフルな鮪屋

マグロが食べられなくなるってぇ? そりゃこのマグロだけだよ!

2006年10月16日 | 旬鮮お魚情報!!

毎度 焼津名物 炎の弾丸男!!でござる。

 業界話が長くなりますので興味のある方だけ読んで下され!

 以前多くのメディアが「マグロが食べられなくなる!」なんて報道した。
確かNHKでも、ちょっと前のなんかの番組でもやっていたかと。

ここで『マグロ業界の最前線で働く』人のおこぼれで商売をさせてもらっている我輩からマグロ業界の現状を少しお話ししましょう!

 春先からマグロ業界は
 ・原油高
  ・国内外のマグロ延縄船の減船
  ・資源の枯渇
  ・漁の低迷

などを理由にこれからマグロが無くなる!といってワイワイ騒ぎ立て物凄い勢いで各種のマグロ(マグロには、ホンマグロ、インド(南)マグロ、鉢マグロ、キハダマグロ、ビン長マグロ・・・)相場が上昇した。

 商社系大手は少しでもマグロを確保しようと他よりも高い値段でマグロ船を一船買いで買い集め、「年末に向かって必ず無くなる!」といっていままで一船買いしたものを下々の中小零細企業に売ってくれていたのに一切売らないで囲ったりした。
 
 そんなでメディアも大手さんの情報を真に受けて「マグロが無くなる!」なんて騒ぎ立て、一般の人たちまで「マグロがなくなるんだって??」なんてことを口にするようになったのはご存知の通りだ。

 もっとも生産者に近いサイドで相場が上がれば当然のことながら消費者に提供する末端価格もそれに伴い上昇をしたのは確かなのだが、あくまでも生産者サイドのご都合、憶測による値段上昇。
デフレ脱出なんていっているがやっぱり消費者は値段に敏感だし、末端のお店も利幅の薄いものは売ろうとはせず、マグロの売り場面積を極端に減らし、他のもので棚を埋めるようになってしまった。
さらにメディアで「マグロが高い!」なんて報道するもんだから消費者の深層心理に「マグロが高くなった!」というイメージを植えつけてしまったのか、業界が期待している8月のお盆休みの期間にも全く売れなかった。

そして更に、更に、業界でもマグロの水揚げが減るぞ!減るぞといったにもかかわらず、毎月平年どおりの船上在庫や水揚げ予定があり「無くなる、無くなる言ったのはなんだったんだぁ?」なんてことになり、物凄い勢いであげたのと同じぐらいのペースで、特にセリなどをやる市場の相場が一気に下がっていった。

 我輩が主に扱う大鉢マグロ(40k以上のもの)は、春先一番安い魚が500円/kgだったものが6月半ばには一気に800円(最高は820円)まで急上昇し、そこをピークに徐々に下落し始めお盆休み明けには600円まで急降下した。

マグロ業界で数ヶ月の間に300円も相場が変動することはあまり無く、今回の相場で上げ相場で大もうけした人、高掴みして大損している人、上げ相場で儲かったけど、深追いしすぎて儲けた分を全て吐き出した人と様々だ。

個人的に儲けたり損したりするのはいいが、何よりも末端から「別に高くて、売れなくて、儲からないマグロをあえて売る必要が無い!」ってそっぽを向かれてしまったのが我がマグロ業界にとっては大きな打撃に!!

 そんなでいまマグロあんまり売れてません、「信用回復?っていうか消費回復」にむけて何とか安くして売ろうと必死になっております。

っと長い前振りになりましたが(汗 そう、ここまでが前振り)
「マグロが無くなる!」なんて騒いだが、本当に漁獲規制などが厳しくなって需給のバランスが崩れそうなのは、本日のメディアなどで報道されているミナミマグロなのである。

 確かに漁獲数量がかなり減り、規制に対する監視も厳しくなるようで・・・

しかし、他のまぐろ、こと量販店で販売しているような普段食べるようなバチマグロやキハダマグロはいまのところミナミマグロほど逼迫した状態には有りませんし、一時よりは末端での価格も安くなっているはずなので
是非晩酌の肴にどうぞ!

ってーかぁ、業界人からの切なるお願い!!

このままじゃぁ我輩、正月に食べる餅が買えねぇーーーだぁ。

鮪、鮪、鮪~♪♪ 鮪を食べるとーーーー♪♪
何にもならない!??
いえいえ頭がよくなりますぅ!

では・・・

コメント (6)
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