picnic on a frozen river

山登りの記録

Chamonix滞在番外編 - 食事(みんなで食事編)

2011-08-08 02:31:48 | Weblog
Chamonix滞在中は基本は自炊。侘しい個人食の合間に、キャンプ場で知り合った方と一緒に食事をさせて頂く機会がありました。自分はお呼ばれされてご馳走になるばかりで甚だ恐縮ですが、ここではその豪華メニューの一端をご紹介。


(由緒正しき日本のカレー)

こちらに撮影に来られているIさんが、日本から持ち込んだカレールーとアルファ化米でカレーライスを作ってくださった。煮込みはボール箱をアルミ箔で断熱処理したもので行う低燃費調理。


(チーズパイとソーセージ)


(野菜のスープ)

Iさんの茹でてくださった大きなソーセージと、K田さんが買ってきてくださったチーズのパイ。パイ生地で包んだ具がチーズ。白ワインが止まらない。
スープはIさんがソーセージの茹で汁にコンソメとハーブを加えて調理、アルコール漬けの異に優しい。



(パリッパリの鶏の丸焼き)

人数が揃ってこそ、一人ではとても手が出ない食材をK田さんが買ってきて下さった。



(スイカ - 買いたかったんだよぉ)

スイカ1玉たったの2.5ユーロ。これも一人では躊躇してしまうものを、ここぞとばかり買いました。葉モノのサラダはK田さんご夫妻から。ありがたいです。



(素麺ですよ!)

日本人のどなたかがベルナデットさんに預けた素麺をK田さんが譲り受けて調理。麺つゆはストレート。他に絹さやの胡麻和えや、地元名産のサラミも。自分はスモークサーモンを持ち込み。


(ピザ、大きいのを2枚、三人で)

K田さん夫妻がChamonix最後の晩。鶏の丸焼きが予約分しか受け付けなかったりで手に入らずにピザに。これもね、小さいサイズがあるとは言え、一人では買い辛いんだね。こっちに来てはじめてのピザはおいしゅうございました。

停滞続きで運動不足なんだけど、おいしくてとってもたくさん食べております、はい。ちょっと頬のお肉が緩んできてます。
ひとりご飯はまたあとで。

2011.08.01 Chamonix 15日目 - Mont Blanc三山 2日目

2011-08-07 18:35:18 | 雪山
(08/01) Cosmiques小屋(01:52)-(03:58)Mont Blanc du Tacul山頂-(09:26)Mont Blanc山頂(09:51)-(12:30)Goûter小屋-Tête Rousse小屋(15:10)-Nid d'Aigle駅(16:50)

少しうとうとした程度で0時半を迎えてしまった。0:45頃に食堂に下りていって朝食。パン4切れ、ジャム、チーズ、丼一杯のコーヒー(予約時に紅茶/コーヒー/チョコレートから選ぶ)と、お代わり自由のオレンジジュース。適当に席に着いてそそくさと済ませ、籠に入っていた自分のテルモスを受け取って部屋に戻る。装備を整えてから下駄箱で靴、スパッツを履く。この時、既に暑すぎて、薄手ダウンを脱ぐことにした。


(靴置き場で準備)


(小屋前でアイゼン履いて出発)

2時前に小屋を出てMont Blanc du Tacul方面を見ると、既にヘッ電の列が登っている。ダブルストックでトレースを追って行くと、相部屋のオーストリア3人Pに追いついた。呼吸はまだ問題ないけれど、無理をせずゆっくりペースに付いて行く。Col du Midiの平地から登りに転ずる手前でストックを仕舞ってピッケルに持ち替える。これは結構正解で、斜度が増してきたところで他のパーティーがストックを仕舞っている箇所で抜かすことが出来た。


(Col du Midiを抜けて登りに転ずる)

Mont Blanc du Taculの西尾根に乗ったところで、トレースは広い尾根を追うものと、右手に切れて行くものに分かれた。尾根を暫く追って気が付いたのは、Mont Blancへの最短ルートのMont Mauditへのコルは右手で、尾根を真っ直ぐ上がって行くとMont Blanc du Taculの山頂へのルートだった。CT的に余裕があったのと、稼いだ標高が勿体無かったので、Taculの山頂は踏むことにする。
山頂直下の簡単な岩場を処理して十字架のあるピークに到着。


(Mont Blanc du Tacul山頂)


Col du Mont Mauditまでは下りなので楽。そこからの登り返しで、Taculまでで一度抜いたパーティーを抜かせて貰う。締まった雪のトレースはしっかりしているけれど、トラバースの箇所などでは雪崩たらやだなと思った。
で、そんなトラバースの一つを越えた先で渋滞ポイントがあり、どうやらここが核心らしい。急な斜度(ガイドブックによると50-55°)を稜線まで詰めるところで、上でフォローのビレイをしているパーティーや、フィックスを張って数人が連なって登っているパーティーが居た。フィックスロープはあったけれど、殆ど埋まっていて使い物にはならなかった。


(トラバースを通過して急斜面に向かう)


(渋滞待ち)

15分くらい待ってからQuarkとピッケルの二本持ちにして取り付いてみると、既にステップは出来ているしアックスはバスバス効くしで問題無し。ビレイポイントの渋滞を右からかわすところだけ岩稜にピックを引っ掛けるようなことをして、最後は小さい雪庇を切り崩した跡を抜けた。


(雪庇を抜けて下を見る)

そして目の前にはMont Blanc。


(Mont Blancが姿を現した)


(Mont Mauditに寄る気力は既に無し)


左手にMont Mauditが見えるけれど、既にここまでの登りで息苦しくなって来たので、淡白に山頂は諦める。斜め下にトラバースしてMont Blancに向かうことに。太陽が上がって来てルートが赤く染まって来た。目の前にはたおやかな山頂があるのみでもう滑落の心配があるようなところはなさそうなんだけど、ここからが低酸素との戦いだった。



まだ500m以上も登らなければならない。100mでも高度を稼ぐのが辛く、休憩をこまめに入れて水を飲む。出発で一緒だったオーストリア3人Pや、ここで団子になった他のパーティーとお互いに励ましあって山頂を目指す。ちょっと歩いては、ダブルストックに寄りかかって頭を胸より下げて深呼吸。眩暈が収まらなければ座って休憩。時間的には追われていなかったのが救いだった。


(なんなんだ、この辛さは!)


(あとほんの少し、でも辛い)

ほうほうの体で山頂に到着。感激というより、もう高度を上げなくて良いのが嬉しかった。


(来たルートをバックに)

オーストリア3人Pが上がってくるのを待って握手。往路を戻る彼らと別れてGoûter稜の下降に入る。
綺麗な稜線上のルートには幅の広いトレースが出来ており、これを快適に下る。下りのなんと楽なことか。Goûter小屋手前で少しの登り返しがあり、ほんの僅かでも高度を上げることがまだまだ辛い。


(Goûter稜の下降)


(なかなかに幅広のトレース)


(Goûter小屋は新しいのを建造中)

Goûter小屋でアイゼンを外して岩稜の下降に入ると、雪はまだ残っており登ってくる人はアイゼンを付けている。残置ワイヤーに体を預けながら下って居るときに、登ってくるガイドからアイゼンが無いと難しいと言われ、安定しているところでアイゼンを履きなおす。登りのパーティーの通過を待っていると下りのガイドパーティーが抜いて来たが、この客が遅いので抜き返し、逃げるように下った。


(Tête Rousseまで雪)


(Grand Couloirもこの通り)

Grand Couloirは雪で埋もれていて心配した落石は無かった。アイゼンのまま、バケツトレースを通過した。Tête Rousse小屋までは雪。ここから尾根筋で始まる下山道には雪は無いのでアイゼンを外す。痛い足の裏を庇いながら、殺風景な中を鉄道駅まで下山した。




(足首に来る下山路、ibexが唯一の癒し系)

Bellvueでケーブルに乗り換え、バスでChamonixに帰幕。

【装備】

  • 衣類: 長袖厚手シャツ、薄手フリース、ヤッケ、厚手股引、フリースズボン、オーバーズボン。予備で薄手ダウン。自分の厳冬期装備からフリースを薄くしたものになる。無風快晴だったので、行動開始からフリースとヤッケのフロントジッパーは開けたまま。常に行動しているので寒さは感じなかった。
  • : La Sportivaの厳冬期用Nepal EVO GTX。軽い夏靴のTrangoにしようか迷ったけれど、寒いと困るのでこちらに。実際、Trangoで登っている人はかなり居たし、Gouterからの登りに至ってはもっと軽量の靴も居た。Midiからのルートの場合、短くても蹴り込むところがあったので、厳冬期用靴の方が安心かと思う。

  • アックス: Quarkと縦走用ストレートシャフト。今回の条件だと縦走用一本でも良かったかも知れないけれど、Quarkがあると安心。また、クレバスに落ちたときのリカバリーにも2本あったほうが良いとのこと。
  • アイゼン: Petzl CharletのVasak。氷はないからこれで十分。
  • その他: 知人から、レスキューの際に困るから、ロープは無くてもハーネスは履いていけと言われた。それに加え、セルフが取れるようにスリングx3、環付きx2、ATCガイドを念のため。





なにしろ天気待ちの山だった。到着時からほぼ2週間、ガイド協会からはずっと雪崩の心配を言われ続け、ルートの状況を尋ねるたびに "Bad.","Forget about it." のネガティブな回答しか得られなかった。その間、テン場で知り合ったパーティーでGoûterから登頂した人も居たけれど、時間に余裕があったので当初予定のルートで天候を待つという選択をした。
結局、計画段階からトレース泥棒に終始したわけだけれど、では自分(達)でトレースがないところに初見で行けるかというと、まずルートファインディングで躓いていただろう。馴れない山域での地形図読み、斜面や広くて丸い尾根に取るルートなど、クレバスを避けるとかいう以前に日本で勉強して来てねと言われているようだった。

2011.07.31 Chamonix 14日目 - Mont Blanc 三山1日目

2011-08-03 22:59:06 | 雪山
好天が続き、そろそろ雪崩の心配も収まってきたようだ。ガイド協会からは新雪が圧雪されるまでに2日掛かると言われていたが、水曜日の新雪はもう収まる筈。
Cosmiques小屋の予約は前日に直接電話。到着日、宿泊日数と名前(名字)を告げるだけで、一人分はすんなりと取ることができた。山小屋の予約したのって、人生初めてだったりする。

(7/31)Aig. du Midi山頂駅(10:58)-(11:30)Cosmiques小屋

日曜日の朝、片道の切符でケーブルカーに乗ってAig. du Midi山頂駅に上がる。テラスで持って来た昼ご飯を食べて、アイゼン以外の装備はここで身に付けた。Valle Blancheの案内に従って出口付近でアイゼンを履いて、ゲートを越えて稜線に。


(テラスから - 左のおっきいのがが Grande Jorasse、右の尖がってんのが Dent du Geant)


(Aig. du Tour - 山頂がなんとなく剱に似てる??)


(さて、出発)


(Mont Blanc du Taculと、右手中段には小屋。)

無風快晴で、歩いている分には長袖シャツで十分なくらい。バケツトレースを30分程で小屋に到着。受付では自分の部屋とベッドの番号を紙に書いて貰った。靴を脱ぐのが面倒臭かったので、そのままの荷物を背負って歩いてくることに。
2週間前はガスに巻かれたMont Blanc du Taculへの登りには今日はばっちりとトレースが付いており、幾つものパーティーが下山してきていた。Taculの岩稜ルートに取り付いているパーティーが居たので近付いて行くと、目の前にばっくりと開いたクレバスが現れた。ロープ無しでトレースの無いところをウロウロするところじゃないみたい。


(Mont Blanc du Taculに付けられたトレース - 赤点で補完してます)


(Taculのどこかのルートを登る人達)


(突然のクレバス)

Taculの左側にちょっとした峰があってトレースが続いていたので、Col du Midiの平坦部に一度戻ってからそちらを見学に行くことにした。高度は3,600mくらい。こちらに到着した時は少しでも高度を上げるような歩きがとても苦しかったけれど、少しは順応が進んでいるのか、大分楽に歩けるようになっていた。


(眺めの良い所まで歩いてきました)


2時間半ほど歩いて小屋に戻る。途中で持ってきたビールを冷やすのは忘れない。

靴を脱いでアイゼン、アックス、ヘルメットやスパッツと一緒に靴置き場に吊るして部屋に上がる。この時はまだ空いていたけれど、普通は靴だけ置いて、他の装備はプラスチックの箱に入れる見たいだった。明日の朝はここで渋滞するわけで、濡れていないハーネスは部屋に入れた。


(下駄箱もかなり埋まってきた)


(部屋は快適)


部屋に荷物を置いたあとはビールの時間。500mlx2本は夕食を待たずに空いてしまった。少しでも睡眠を取っておこうと部屋に戻ってベッドに横になっていると、同宿の3人Pが入室してきた。大声のドイツ語で話す年配の山ヤさんで、隣のベッドの人はイビキも凄かった。やれやれ、今晩はどうなることか。

夕食は18:30から。小屋の食事って、5年前に一度食べたきりで要領が分からない。10分前に行ったら既にテーブルはあらかた埋まっていた。席は決まっていないので自分で探すことになるのだけれど、幾つか断られた末にオランダ人とオーストリア人の3人Pに混ぜてもらった。次からはもう少し早く確保しよう。


(スープとパンとチーズ。スープはお代わりを3杯。チーズは千切ってスープに入れることを教わった。)


(メインは串焼きに焼きトマト、ライス。)


(デザートで〆。コーヒーが欲しければ別に注文。)


(メニューはこのように)

食事が終わったのが20時半。部屋に戻って横になるけれど、全くもって寝付けない。幸いにして部屋は静か、しかし一向に睡魔がやって来ず、ただじっとして時間の過ぎるのを待つ。明日の起床時間は0時半。



(明日のルートに乾杯)


Cosmiques小屋 この小屋はフランス山岳会の経営ではなく、料金は高めだとのこと。それでも朝夕付きで52ユーロ。食事、ベッドやトイレは格段に豪華らしい。他の小屋に泊まったことがないので比較が出来ないけれど、トイレは洋式便座、水洗で紙付きだった。朝食は1時か3時かを選べる。また、前夜に水筒を預けておくと朝食時にお湯を入れておいて貰える。

2011.07.30 Chamonix 13日目 - 朝市

2011-08-02 18:01:25 | Weblog
Chamonixでは毎週土曜日に朝市が開かれます。この日は晴れていたのだけれど、翌日から山なのでのんびりと見学に行ってきました。
Hotel Alpina の近くに沢山のテントが張られて居ます。


(チーズの山。頭から突っ込みたい!)

果物や野菜の他、地元名産であるチーズ、ワイン、燻製肉のお店が目立ちます。


(魚屋さん)

一軒だけあった魚屋さんでは小ぶりのイカが山になって売られていて、あぁ、ニンニクで炒めたらツマミに最高だなぁなんて考えてました、はい、朝の9時から。ムール貝にも惹かれましたが、晩までは持たないのでここは諦め。


(スパイスのお店。唐辛子があれば買ったんだけど...)

結局、なにも買わずに立ち去ってしまいました。一人で消費できる分量がね、なかなか無くて。



昨日から晴天が続いていていよいよ登れそう。Cosmiques小屋の予約を済ませ、夕方に念のためガイド協会にルートの確認に行くとgood trackとの返事が。今まで門前払いを喰らってきたのが嘘のよう。さて、行ってきます。