Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

諏訪哲二『学校のモンスター』

2008年02月04日 | Weblog
諏訪哲二『学校のモンスター』中央公論新社,2007年。構成は次の通り。
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第一章 学校から逃げ出す教師たち
 学校が悲鳴をあげている,ほか
第二章 おとなになろうとしない!
 異形の子ども,ほか
第三章 教師vs生徒,学校vs親の現場
 複雑怪奇な「粘り勝ち」事例,ほか
第四章 さよなら「金八先生」
 それはおぞましい話だ,ほか
第五章 「自立」とは何であろうか
 話が理解できないわけ,ほか
第六章 成長しなくなった若者をめぐってー速水敏彦,水谷修を批判する
 
第七章 「モンスター」たちに蹂躙される学校
 評定の「3」を「4」に上げろ!,ほか
第八章 ポストモダン空間の中の子ども
 「ノリだよ,ノリ」,ほか
第九章 自立や自主や独立を求めることは,実はとても非人間的である
 
第十章 「オレ様」を超えて
 「思ったとおりにはならないよ」,ほか
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著者は「プロ教師の会」代表だ。自分や職業に対する厳しさを確かに持つ「プロフェッショナル」と呼ばれる人にしか書けない文章だと思う。教育において夢を持ち夢を語ることはなにより大切だが,少なくとも指導者にとって,それは事実に対する冷静で正確な分析のうえにあって初めて生きるものではないか。教師だけでなく,子どもに関わるあらゆる大人に,そして子ども時代の記憶がある全ての人,そう,若者にもぜひ読んでほしい。

※とはいえ,滅入ってくるのもまた事実で・・・今,合衆国大統領候補として注目を浴びるオバマ氏の演説のように希望が持てるものであってほしいという願いもまた,よくわかるのだ。上に書いたこととは矛盾するのだけれど。

[OBAMA SPEECHES]
http://www.barackobama.com/speeches/index.php
コメント
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