京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「選択時間」

2016-11-12 09:24:09 | 時計修理

11月12日。昨日の11日は警告通り危ない時計がそろってやってきました。
まずは写真セイコー懐中時計が二本来た。
電池はSR43SWの高額電池使用しています。これを1000円でやる。このモデルに電池を使ってしまうとロレックス・クオーツが来た時のために補充しておかないといけません。赤字だ!

一番の問題はウラブタ取り付け。大きな時計用に締め付けアダプターを以前作っていたのだが見当たらない。
探し回ってやっと見つけた時には30分以上経過していました。時計を修理する時間より工具を探す時間が長い最悪な状態でした。

次にロレックス・デイトナの修理依頼が来た。
これはお断りしました。
ゼニス・エルプリメロの機械なので問題なく修理はできるのですが防水性のテストができないので悔しく見送りします。
修理後にユーザーが風呂、プールなどに時計を着けたまま入ることもあるのモデルなのでクレームになると保証が効かない。
100万円以上の価格なので10万円程度の修理料金ならロレックス修理がお得だ。大阪ロレックスを紹介してお帰り頂く。
サブマリーナ、T・HEUERなどのダイバーウオッチ修理依頼には防水テストのことを十分に説明して受けています。

ダメ押しにソーラーウオッチの電池交換?やらコピー品の依頼が次々と来る。仏滅三隣亡のような日に何とか爆発を抑えて耐えました。
クールダウンのチェロ演奏でなかなか進まないのには困った。

選択の時間。修理を受けるか、お断りするか?当然お客様のメリットを考慮して判断します。
難しいのはその境目にある時計です。
メーカーから修理不可能として戻され最後に工房に来るモデルなど、結局受けてしまい無駄な時間になることも多い。
修理直後にお客様が壊してしまうことも多い。
「自転車でこけたら壊れた!」と戻ってくるモデルもありました。バクチのようなものですね~。

アメリカでは大統領の選択がありました。
市場経済原理主義社会とグローバル社会のコラボ状態で成功している人とその被害者との争いの構造が見えました。
私の仕事は時計修理業なので被害者のほうです。
2000年前後に始まったグローバル社会で研修生受け入れが始まりは国内で中国人窃盗団による盗難が急激に増えました。盗難事件のたびに地方のお店へ飛んできます。
京都、神戸、岡山など日常的に被害に遭う。挙句の果てに大晦日の夜に本店の壁を破られた。
お正月にNHKニュースで売り場をかたずけていた私の笑顔が写っていたのでそれを見ていた仲間たちや親戚一同がびっくりしてしまう。
当然、天下りの役員は雲隠れしているかオロオロするだけなので早急に切り抜けないといけません。
福袋を売りつくし、年の初めに時計を気持ちよく買っていただくためには笑顔でお迎えするのです。被害を受けた怒りはまだ消えていません。

中国人の爆買いでもう買えてるじゃないか!と言われるが時計修理部門は逆なのです。
時計が中国製造に移って素材が悪化、製造過程も旋盤くずが残るなど格段に悪くなりました。電池交換作業ですら別の技術が必要になります。
最近はドイツ製、北欧の製品まで中国製に変わってきました。

今回のアメリカの選挙結果でこのようなグローバル社会の被害に遭っていない若者や経営者荷は信じられない出来事だったのでしょう。

京都へ戻り醍醐寺の花見へ行くと見渡す限り中国人観光客。大声で騒ぎ中には道端で唾を吐く人もいて時代の変わりようにびっくりした覚えがある。怒りのぶつけ先がないのだ。

新聞やメディアは相変わらずトランプ支持派はボンクラでブルーカラーとのアナウンスが続きます。市場原理主義社会なのでしょうがないのだ。
グローバル社会から派生した事件事故の体験をする人はマイナーなのだと寂しく思います。

明日13日はサトウハチロー忌です。
あの懐かしい日々にしがみつくのではなく時代に飛び込んでいく勇気がいるね!
今日は快晴!気合を入れて仕事にかかります。








コメント
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