京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「麦秋至」

2016-05-31 09:27:33 | 時計修理

五月三十一日。仏滅「麦時至る」日
明日はマーズアタックの日。火星人来襲する予定。

「手のひらに脂汗を、目の下にクマを!」いよいよ就職面接解禁!収穫の日だ。
学生生活4年間で一番緊張する。手と足がいっしょに動き出す日。
後年、振り返り懐かしく思えるような思い出をつくりましょう。

面接官の担当していたころ時計業界なのでまず面接会場までの経路と時間を聞く。
世間話のように新幹線の到着時間から会場入りまでの時間を聞くことで本人の時間と空間の把握状況を見る。

この答えがあいまいで甘いと入社後のトレーニングが厳しくなる。結果、辞めてしまうことになるので早々と切り上げます。
時間にゆるい会社に行ったほうがいい。
ロジスティックのスピード感覚は時計業界にとって重要なのです。
トヨタグループでは一人一人にストップウオッチを支給して時間の感覚を身に着けてもらうような部署もある。

また面接日にはなぜか事故、トラブルが多く発生するのは面接官も十分把握していることです。遅れそうになると途中からこまめに連絡を入れるためにあらかじめ連絡先を把握しておくことです。これは入社後も同じだ。
今日は仏滅!明日はマーズアタックで衣替えの日。2日が信長忌。トラブル予想日なのです。

ちなみに私のお気に入りの会社ではレンゴー紙器、凸版印刷さんなど意外と地味目。
パッケージデザインなどでお付き合いのあった各社なのだが地味な会社ほど馴染むと温かい。

 時計業界のようなパイがこれ以上の拡大を見込めない衰退産業に挑むのは度胸がいる。
時計関連企業の中でもウエラブル情報端末や先端医療のグループの部署なら優遇されるが機械式時計の部門を希望するなら地獄の日々が待っているでしょう。

先日シチズンがスイス時計の名門フレデリック・コンスタント社を買収したがこの費用を回収できるめどが立つまでどれだけの人の首が飛ぶか?想像するだけで怖い。
今後、時計業界は高級付加価値産業をめざすしかない。カルティエのリシュモングループをキャッチアップするのが一番手っ取り早いので会社後と買ったのでしょう。戦略は正しい。

写真のニクソンを10本売るよりカルティエ・タンクフランセなど高額品を1本売る方がグローバル社会では経済的に有利になるのは売り場に立っていると当たり前のことだと解る。
製品の原価はそれ程の差がない世界でダイヤ一つにしても時計に使う小さなダイヤの価値は低い。違いは歴史的高度な加工技術と文化哲学、デザインなど目に見えないもののレベルに圧倒的な差がある。会社ごと買った方が安く上がるが日本人社員が付加価値を理解できるかが問題でしょう。

面接会場に着けていく時計は父親が着けているオメガ、ロンジンが無難か?20世紀初頭のウオルサム、テクノスなら話が弾むのね~?「こいつはアメリカ時計の文化、歴史をわかっとる!」

もちろん受け狙いではセイコー社の面接にはセイコー鉄道時計、シチズンの面接にはポールスミスの今年バージョンか?
それぞれの業界が持っている時間の感覚に合わせて流れに乗りましょ!

昨日の日経新聞で「日本の学生時代の4年間の学習時間は欧米に比べて極端に低い。」とあった。一体どこの大学を調べていっているのか不思議です。
今出川三大学(東から京大、同志社、立命館)の学生さん達を見ている限り記事は眉唾物と思ったほうがいい。彼らは必死に勉強しています。

私の経験上、高校までの基礎的一般教養の能力は日本が優れている。そのレベルに追いつくだけでも欧米の学生は努力がいる。この姿を見て判断しては間違いでしょう。
数学の分野でも微分、積分、順列組み合わせを高校生までで終えている国は少ない。
まして化学、生物の部門でもはるかに勝っている。

こんな学生さんたちが面接に来るのだ!勢い慎重に丁寧に気を使いましょう。

恒例、面接官役の日に限って私のお腹の調子がおかしくなる。今では下痢止めや抗アレルギーの薬があるが昔はひたすらトイレを探す日々でしたね~。
東京駅、新大阪駅、名古屋駅のいつも空いているトイレの場所にはかなり詳しいのだ!こんな自慢しか出来ないのが悲しい。

明日は水曜日!お休みの日ですが月の始め!〆きりの関係で仲間修理の集中日だ!
うっかり休むところでした。
貴船神社のお祭りの日なので早めにお参りしてお昼前には工房へ戻ります。
ご利用くださいませ~!














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