京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間

2014-09-15 09:21:31 | 時計修理

9月15日「敬老の日」の眠れる京都時間。
西陣に住む私の町内会ではお年寄りが居るご家庭にお赤飯を配ります。
女性が多い。義母が住む街中の町内でも7名の高齢者すべてが女性です。

京都では「お婆ちゃん!」とよそさんのお年寄りを呼ぶのはだめ!
「奥さん!」と呼びかけます。
「お婆ちゃん!」と呼びかけると「あんたのおばあちゃんとは違うでぇ~!」と怒られるのです。
「お年寄り向き」で販売した時計は全く売れませんでした。
「見易い!つけやすい安心時計」として売り出したら在庫がさばけた。敬老の心理だ。

その女性たちが時計を壊します。
手巻き時計のユーザーが多いのも物持ちのいい京都女性の特徴だ。

病気で元気なお年寄りが多いので2週間に一度薬をもらいに行くために時計を使う。
自分の力が非力だと信じ込んでいるのかリューズを力いっぱい引き出す。
それで簡単に巻真やレバーが折れてしまう事故が頻発する。
1~2万円の修理費がかかるので家族からは2000円程度のクオーツ時計の購入を勧められる。
高級時計の手巻き時計を修理しても再度故障の恐れがあるため私も買い替えを勧める事になるのです。
 時計の運命はお孫さんがちゃっかりとカルティエやオメガなど手巻きのアンティークを頂くことになる。
私たち時計師はこれがどきどきする。

G-SHOCK世代の人たちは時計を乱暴に使う。
振動が手元に来るロードバイクなど使うとすぐに壊れるのです。
機械式時計は50以上の部品を使うので壊れやすい。クオーツ時計はその半分ほどの部品で稼動できるので物理的に故障が少ない。

それでも機械式時計から出るかすかな音が気持ちいい。
「カンカン」となる音を聴いて安らかに眠りたいものです。

眠れない時計師の話。
アメリカ人時計師。暗算が出来ないのでファンドに預けたお金や預金通帳の利息の計算をしていると計算ミスが続くので疲れ果てて眠る。

フランス人 プルースト「失われた時を求めて」の1~2ページで完全に眠れる。
「バック」(バカロレア)試験を頂点として哲学のスキルは限りなく落ちていくのだ。

ドイツ人 ブルックナーの音楽を聴いて寝ると退屈なのですぐに眼を閉じてしまいます。
イギリス人は天気予報を考える。明日は雨!あさっても雨、その次も雨。その内あきらめて寝ついてしまいます。

「日本人にはオペラを聞かせろ!すぐに寝るぞ~。」と言われた!

2~3万円の高額チケットの公演でも日本人は気持ちよく寝込んでいるオヤジが多い!これには引っ越し公演など出演者が驚く。
3時間の公演時間に3万円のチケットでは1時間100ドルだ。世界で一番高い安眠料金になる?
舞台から熟睡している客が見えるのだからたまらない、時折起きる拍手にビックリして眼を覚ましてしまうと怒られそうなのだ。

今日は「敬老の日」
ボランティアで銀行のみなさんに混ぜてもらって特養ホームに出かけていました。
チェロの演奏もそれなりに静かな曲を選ぶ。
終わったあと「あんた!うるそうて眠れへんがぁね~!」怒られた事がある。
また「最後の「鳥の歌」の18のE音を外したね~!」とチェックが入ることもある。
恐るべしお年寄り!

私もそのうちにこの年齢になると精一杯、嫌味なクソジジーになるのが楽しみじゃ~!
さ~てと。
3連休は工房に来る人は観光客が多いのでほとんどの客は見学者だ。
時計の説明が長くなるので今日は覚悟して出てきましたよ~ん!











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