池袋犬儒派

自称「賢者の樽」から池袋・目白・練馬界隈をうろつくフーテン上がり昭和男の記録

アビダルマ哲学要諦(20)

2024-05-31 13:02:19 | 日記

注釈書

アビダンマ論書は、解説と例証によって聖典本文を解読するための足場を築くことを目的に、膨大な量の注釈文献が作られた。この種の著作として最も重要なのは、ブッダゴーサ師による権威のある注釈書であり、三つがある。1つはアッタサーリニー(Atthasalinī)で「「解説するもの」の意味であり、法集論(ダンマサンガニー)の注釈書である。2つ目のサンモーハヴィローダニー(Sammohavinodanī)は「思い違いを晴らすひもの」の意味で、分別論(Vibhanga)の注釈書である。3つ目のパンチャッパカラナ・アッタカター(Pañcappakarana Atthakathā)は他の五論への注釈をまとめたものである。清浄道論(Visuddhimagga)も、ブッダゴーサによって著された同類の書物である。 この書物は、主に瞑想への百科事典的ガイドブックとなっているが、「理解の土壌」に関する諸章(XIV-XVII)では内省力を高める前に習得しておかなければならない理論を概説しており、したがって実質的にコンパクトなアビダンマ論となっている。

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