私の店の斜向かいの四つ角の交差点に、間口の広いタバコ屋さんが有る。
今は“ジャンボ宝くじ発売中”の横断幕が間口いっぱいに張られています。
タバコと言えば、昔の人はキセルで1~2服して、タバコを詰め変えて吸っていたが、私も小さい頃に、キセルをくわえ、大人の真似をして、余りにもヤニ臭い味に、顔をしかめた事が有った。
子供の頃、父に頼まれて、よくお使いをして、タバコを買いに行っていた。
両切りの‘しんせい'とか‘いこい'と云う銘柄だった。
タバコ屋の小さな窓口に向かい、
「ごめんください。しんせいください。」「はーい」
なんて事はないが、お使いするのが楽しかった。
何時しか気付くと、父もフィルター付のタバコに変わり、仕事場から出て来る父を見て、「フィルターが焦げてるヨ!」と何時も見つけると言っていた。
吸うと言うよりも、口寂しいのか、何時もくわえた間々だった。
ハイライトとか、はっかの少し入った物を吸っていた気がするが、はっかパイプもくわえていたが、父も母も何時しかピタリとタバコを辞めていた。
私も健康の為と家族に攻められ、止めようと思っていたが、風邪で2日ほど寝込んだ事を契機に、禁煙ガムなど、ジャンジャン噛んで止めた。
家中がタバコをカートンで買っていたのだが、全員ピタリと買わないのだから、タバコ屋の前を通るのが決まりが悪い。
3年位して、新型の機械を入れたのだが、これが気苦労が多く大変で、つい一服、飲み会で一服と、元に戻ってしまった。
何時でも止められると高を括っていたが、これが2度目は中々止められない。
しかし、転機が訪れる。
何の事は無い、売上げ不振で有る。小遣い減れば、止めていた。
何が健康のためだ、そんな事言っている内は止められない。
今まで気付かなかった、ニコチンの臭いも気付く様になるし、飲みに行っても、料理も美味しく食べられる。
今までは、ニコチンと一緒に食べてたよナ。
タバコの思いでは色々有るのだが、そんなタバコ屋の前に看板が立てられた。
謹んでお知らせ申し上げます
明治以来三代に亘る長い間皆様方のご愛顧に支えられながら、茲まで商を続けさせて頂きましたことは、有難く深く感謝申し上げます。
さて作今商売は特に厳しいものがあり、且つまた高令にも達したことなどから今後のことについて熟慮を重ねた結果、もうこれが限界かと考えられ止むなく廃業を決意いたしました。従えまして十二月末日を以って閉店させて頂きたく謹んでお知らせ申し上げます。省みますれば、今日まで延引と続けさせて頂きましたことは、ひとえに皆様方のご厚情の賜ものと有難く重ねて厚くお礼を申し上げます。
敬具
平成十九年十一月吉日 渡○たばこセンター店主
昔は専売で、ここのタバコ屋は町一番の売上げだった。
煙で四階建てのビルが建つのかと感心したものだ。
記念に宝くじを、ここで買うのも最後かと思い、ご主人に聞くと
「○○さん私も、もう80になりますから」
ビルの階段の上り下りも大変だ。
商店街で造った「アーケード残金150万の手続きをしましたし」
アーケードの負担金も角地だから大きいよナー。
後を遣りたいと云う方は?「だめですネ私なんか古い人間なんで、タバコ屋なんて、出せばすぐ売れると思っていて」
「いい時遣ったんですね」
「今は財務省なんですよ、許可下りるのに2ヶ月かかるようです」
継続してタバコ屋を別の人が遣る事が、簡単には出来ないのだそうだ。
商店街から、見慣れた風景が又一つ消えていきます。
ここも元旦の他は、年中無休だった。
こちらこそお世話になりました。長い間、ご苦労様でした。
今は“ジャンボ宝くじ発売中”の横断幕が間口いっぱいに張られています。
タバコと言えば、昔の人はキセルで1~2服して、タバコを詰め変えて吸っていたが、私も小さい頃に、キセルをくわえ、大人の真似をして、余りにもヤニ臭い味に、顔をしかめた事が有った。
子供の頃、父に頼まれて、よくお使いをして、タバコを買いに行っていた。
両切りの‘しんせい'とか‘いこい'と云う銘柄だった。
タバコ屋の小さな窓口に向かい、
「ごめんください。しんせいください。」「はーい」
なんて事はないが、お使いするのが楽しかった。
何時しか気付くと、父もフィルター付のタバコに変わり、仕事場から出て来る父を見て、「フィルターが焦げてるヨ!」と何時も見つけると言っていた。
吸うと言うよりも、口寂しいのか、何時もくわえた間々だった。
ハイライトとか、はっかの少し入った物を吸っていた気がするが、はっかパイプもくわえていたが、父も母も何時しかピタリとタバコを辞めていた。
私も健康の為と家族に攻められ、止めようと思っていたが、風邪で2日ほど寝込んだ事を契機に、禁煙ガムなど、ジャンジャン噛んで止めた。
家中がタバコをカートンで買っていたのだが、全員ピタリと買わないのだから、タバコ屋の前を通るのが決まりが悪い。
3年位して、新型の機械を入れたのだが、これが気苦労が多く大変で、つい一服、飲み会で一服と、元に戻ってしまった。
何時でも止められると高を括っていたが、これが2度目は中々止められない。
しかし、転機が訪れる。
何の事は無い、売上げ不振で有る。小遣い減れば、止めていた。
何が健康のためだ、そんな事言っている内は止められない。
今まで気付かなかった、ニコチンの臭いも気付く様になるし、飲みに行っても、料理も美味しく食べられる。
今までは、ニコチンと一緒に食べてたよナ。
タバコの思いでは色々有るのだが、そんなタバコ屋の前に看板が立てられた。
謹んでお知らせ申し上げます
明治以来三代に亘る長い間皆様方のご愛顧に支えられながら、茲まで商を続けさせて頂きましたことは、有難く深く感謝申し上げます。
さて作今商売は特に厳しいものがあり、且つまた高令にも達したことなどから今後のことについて熟慮を重ねた結果、もうこれが限界かと考えられ止むなく廃業を決意いたしました。従えまして十二月末日を以って閉店させて頂きたく謹んでお知らせ申し上げます。省みますれば、今日まで延引と続けさせて頂きましたことは、ひとえに皆様方のご厚情の賜ものと有難く重ねて厚くお礼を申し上げます。
敬具
平成十九年十一月吉日 渡○たばこセンター店主
昔は専売で、ここのタバコ屋は町一番の売上げだった。
煙で四階建てのビルが建つのかと感心したものだ。
記念に宝くじを、ここで買うのも最後かと思い、ご主人に聞くと
「○○さん私も、もう80になりますから」
ビルの階段の上り下りも大変だ。
商店街で造った「アーケード残金150万の手続きをしましたし」
アーケードの負担金も角地だから大きいよナー。
後を遣りたいと云う方は?「だめですネ私なんか古い人間なんで、タバコ屋なんて、出せばすぐ売れると思っていて」
「いい時遣ったんですね」
「今は財務省なんですよ、許可下りるのに2ヶ月かかるようです」
継続してタバコ屋を別の人が遣る事が、簡単には出来ないのだそうだ。
商店街から、見慣れた風景が又一つ消えていきます。
ここも元旦の他は、年中無休だった。
こちらこそお世話になりました。長い間、ご苦労様でした。