うさの珍道中

株式、時事を中心としたジャンルにこだわらない話題を何の脈絡も無く勝手放題に。あっちへふらふら、こっちへふらふら

PBRについて

2006年09月29日 00時53分25秒 | 個別銘柄分析、比較など
一昨日書きこしてくれたので早速、テレウェイブ見たらテクニカル的には絶好の位置ですね。
一時的な反発かどうかはわかりませんでしたが若干幅を抜けました。
スイング狙いのテクニカルでは日本レップを扱ってます。
他には優待銘柄の入れ替えなどをやっていました。
今日は、久しぶりに昔のような記事を書いてみましょう。
なぜに書かなくなったかと言うと、ようするにワザワザ書く気がなくなったからです。理由は容易に想像できると思いますが、それだけではなく他の人が書いてくれるぐらい有名銘柄になりましたので、他の人が書いてくれるなら私はもともと競争意識が希薄で天才的にナマケモノなので別にそれでもいいです(笑)

とはいえ、気楽に読んでもらう為にBGMでもかけてくださいな。
http://www.youtube.com/watch?v=-SgFQp7BYkg

PBR(純資産倍率)というものがありますが、これについてはたびたび質問を受けています。
もちろんそれはダヴィンチの特徴ゆえにダヴィンチホルダーの宿命でしょうが、これと営業キャッシュフローが、ダヴィンチに関してそれなりに根拠のある気になる点ではあるでしょう。(それは重々承知しています)

結論から申し上げると僕の場合はどちらもダヴィンチのケースに関しては個人的にはほとんど重視していません。
なぜかというとPBRは確かに有効な指標で、当のダヴィンチの金子社長自体がファンドにて修正PBRで株式投資も行っています。まあ、これに関してはあまりうまくいっていない状況ですが、だからといって金子社長の投資法が間違っている訳でもなく、だからといってダヴィンチだけをエコ贔屓している訳でもなく、ダヴィンチという企業を評価する上でそれほど重要な指標であるとは思えないからです。

その前にそもそもPBRとは何であるのか?
というと、私自身も詳しくは知りませんがPrice Bookvalue Ratioの頭文字だったと思います。意味は株価を会社の一株あたりの財産で割ったものであると言われます。
株価に対し一株辺りの純資産の方が多ければ当然それは割安であり、PBRがあまりにも低い場合には仮に会社が倒産してもその清算した価値が高いので会社の財産を処分してそれ以上の資産を受け取る「残余財産分配請求権」からみた投資とも言えます。
ではなぜにダヴィンチに関してはそれを重視しないと思えるか?という点ですが、

まず第一に景気の動向があります。
ホンの3年前ですが日本経済は株式を始める絶好の状況でした。
当時は信用リスクが過度に警戒された相場でヤフーファイナンスとかで5年、10年チャートを見ればすぐにわかりますが、今から考えると信じられないぐらい安い株価で有名企業がいつ倒産するかが懸念されるという状況ですからPERがあまり役に立たない相場だったといえます。
そんな中では、PBRは清算価値を「ある程度まで」担保してくれる指標ですので非常に有効な指標でした。
具体的な例としてはダヴィンチに関してPBRを考えたことはそれほどありませんが、例えば中部鋼鈑という会社がありますがこの会社に投資しようと思った時はPBRを参考にしました。
つまり、おおまかにいってPBRは企業のゴーイングコンサーンとしての前提に疑義があるそういう状況で始めて有効だということです。

第二にダヴィンチのみならず不動産ファンド関連企業では、そもそも会社本体で物権を取得することが「一時的」ではあっても長期に会社本体で保有することはそもそもリスクマネジメントの観点からよほどの「二度と手に入らないような優良物件」でもない限り、ビジネスモデルにそもそも矛盾しています。
個別のケースに言及する気は一切ありませんが、そのような会社はむしろ疑うべきでしょう。

第三に現行の会計制度は年々改善されているとはいえある程度まで発生主義会計に基づいていますので、そもそも純資産倍率という名前にありながらかっての英国のように元となる会計が解散価値を求めた会計ではないので、例えば現金はともかく株式や債券、土地が流動性の問題から極めてボラティリティの高い一時的な数字に過ぎないことを他ならぬ皆さんがよく知っていますよね(笑)。
それゆえ、株式には時価主義、土地にも時価主義という方向で90年代から変えています。個人的には愛国心からは遅すぎた改革だと思ってますが。

ただ、これも所詮決算期末の「時価」に過ぎませんよね。
例えば自己株式は、決算期間と今では全然「時価」が違うはずです。また逆の意味でも土地もこの半年間で驚くほど「時価」が違うはずです。
ちなみに特許権、著作権、営業権、ソフトウェアの無形固定資産などはもっとブラックボックスで何もわかりません。

さらに同じ時間でも株や不動産ですが「時価」が異なっているんですよね。
例えば不動産の時価は細かいものまで含めると非常にたくさんあります、株に関しても実はケースによって多数あります。
これに関しては、日本国の会計制度で許された範疇ならば、経営者が裁量で選べます。よくある誤解ですが監査法人には情報開示に不適切だからといって強制的に修正することはできないのです。せいぜい意見しか言えない、その程度の権限しかないわけです。だから最終的に投資は仮定の下の数字よりも、経営者を自分の人生経験で見て信用できる人かどうか?だから定性分析こそがもっとも重視すべきことです。
話を元に戻して例えば中部鋼鈑の場合、実は財務諸表の土地の項目に比較的に早い時期に取得した土地があります。
1年以上株を保有する長期投資家にとって昨年11月以降のダヴィンチの株価の上昇同様、バブル前夜の上昇バブル後の値下がりで見てもそれ以前に土地を買っていた人は誰も損をしていないわけで、むしろ莫大な含み益が貯まっています。
中部鋼鈑の場合も簿価の少なく見積もって2倍の土地であることが近隣に住んだ生活感覚からわかります。
PBRのみで投資したわけではありませんが、もしもの時の少なくとも損はしないだろうという投資の決断に影響した面は大いにあります。
そして、詳しくは言いませんが経営陣への信頼と株価が見合わなくなったときに売却しています。
実はこの投資はたいした成果ではありません。この時期は誰でも儲かった。
例えば銀行株では60倍なんて銘柄もあり、さんざん叩かれていますがどんきぃさんこそがこの時期に実に素晴らしいトラックレコードを持っている歴戦の投資家です。
私自身は長期、短期、割安、成長、新興、東証大型、外国、いろいろやっていますが結局そのどれもがある程度は例え短期でも大局観を持っている投資家しか生き残れないと思っています。
だから、長期投資を主力とし万人向けの長期投資でも限られたバフェットの投資法しか他人にお薦め出来ないと、そういうことです。

オマケを2つ

金子社長は修正PBRでファンドのマネーを投資しています。
現時点で評価するのは早すぎて詮無き事ですが、日頃株に携わる我々なら現時点で容易に想像できますがハッキリ言って含み損でしょう。
「そして、金子社長に貴方が1個人投資家なら今のダヴィンチに投資するか?」と質問したとしましょう。
これは、究極の質問ですがある意味他人に投資を薦められた時にこれだけを聞けば十分とも言えます。
「すると答えるでしょう」
しかし「修正PBRで見て今のダヴィンチに投資するか?」と言えばそりゃあNOでしょう(笑)。逆に言えばYESと言ったらそりゃあジョークですね(笑)
粉飾決算でもあれば話は別ですが、ダヴィンチは「アドバイザー」なので付加価値創造型の企業です。フィンテックなどもそうですが付加価値型の企業のフロントランナー的な立場ですので、「EPS成長力に見合った適正なPER」というのはありますが、PBRはホトンド意味がないでしょう。この後オマケ2でその究極の理由を語ります。
ところで、金子社長の修正PBRの具体的な手法にはとても興味があります。
なぜならそれは不動産と言うものに対する評価のノウハウ、経歴そのもので今まさに人生でのお仕事を成し遂げようと言う世代の人に是非聞いておきたいことでもあります。著書などで拝見する限り、ビジネスへの姿勢、外国で働くと言うこと、国際文化への比較考察、外国人との結婚、生きてきた人生そのものがとても参考になる方ですのでちょっと思い入れが強すぎるかもしれませんが、そもそも情熱がなければ投資も仕事も後世に残る仕事はできないと思うからです。
ああ、それとなぜに「金子社長は修正PBRでファンドのマネーを投資していることについて現時点で評価するのは早すぎて詮無き」か、せっかく一生懸命仕事している経営陣に株主が自爆テロのように余計なプレッシャーをかけない様に具体的に明記しておきますが、
「そもそもファンドの期間何年ですか?」
「不動産の開発で具体的に成果が出るのどれぐらいかかる?」
「そもそも自分でも修正PBRで投資するのに結果が出るのがそんなに早いものでしょうか?(苦笑)」
「そもそもファンドの出資者でもない株主に途中の段階で質問する権利なんかあるでしょうか?(エージェンシー理論)」
といったところです。

オマケ2

ダヴィンチのPBRはだいたい13倍、アセットマネージャーのPBRは3.76倍だったかな?
そしてとても重要なことですが仮に僕がダヴィンチのCFOに就任したとします(爆)
そして、株主としてではなくCFOとして会社のことを考えます。
まっとにかくそういう前提で話を進めます。

うさCFO
「社長、アセットマネージャーに比べて、PBRの高さが投資家の間で問題になっています。なかにはバブルだ~と騒いでる輩までいるようです。」

社長
「しかたがありませんね~PBRを上げる上で何か有効な方法を考えてください」

うさCFO
「現時点で当社のPBRは約13倍、時価総額が約1800億です。
当社は、株主資本比率もだいぶ低下していますし、一定水準を維持した投資案件も多数ありますから、EPS自体もアセット同様またはそれ以上に上昇させることができるでしょう。ROE、ROAの水準も証券市場で随一の高さです。
また、以前の資金調達時より既に二年以上経過しています。
同業他社であるアセットやケネディクスの事例から比較して、投資家には十分納得されるでしょう。金融環境は非常によいですが、不動産市況の値上がり傾向、金利の先高感からここで資金調達は理にかなったポイントです。
仮に常識の範囲内で時価総額の1割程度180億の新株を発行すれば、150億程度は集まるでしょう。
そうすればただその現金を持っているだけでPBRは半分の6倍台の水準まで落ちるでしょう。
もちろんEPSの最大化の観点から使い道は考えないといけませんが、まあ借入金の返済でも「株主資本比率が低いーと騒いでる投資家」もいますから常識の範囲内でしょう。
ですが、このさいド~ンとMSCBでも発行して時価総額の3割ぐらい調達しましょうよ(笑)アセットのように年2回1割づつ発行しても数年でキャッシュリッチ企業の出来上がりです。
その資金でもって、ここに敵対的TOBでもかけましょうよ
http://profile.yahoo.co.jp/biz/fundamental/8301.html
これはもちろん冗談ですがMSCBならば金男さんもモモンガさんも即座に用意すると大変乗り気です(笑)
どうせ今のダヴィンチは信用規制がかかるぐらい短期投機家ばかりなのでみんな派手にやったほうが「祭りだー」とか騒いで大喜びですよ。
大丈夫、新政権は保守だから中韓には強く出れても、ポールソンさん(金男OB)に出てもらえば靴でも舐めますって・・・。
しかしながら、当社は投資としての当社株式の魅力を重視しており、EPSの最大化を最重要経営目標に掲げています。
これを変更してアセットマネージャーのように会社としての規模を大きくする(アジアNo1投資銀行を目指す)方向へ経営目標を変化させましょう。
そうすれば、毎年2回程度の公募増資が経営目標に矛盾しなくなります。
Let,s  資金調達 !・・・」

社長「・・・・・・・」

さて、どっちがいいか良く考えてくださいね。