うさの珍道中

株式、時事を中心としたジャンルにこだわらない話題を何の脈絡も無く勝手放題に。あっちへふらふら、こっちへふらふら

スルガコーポレーション 株主総会

2008年06月26日 15時09分08秒 | 個別銘柄分析、比較など
今日は朝から雨でしたが、横浜のスルガコーポレーション(1880)の株主総会に行ってきました。
ちなみに昨日のダヴィンチほーるでぃんぐの株主総会は、質問しようと思ったら質疑応答の機会が無く、10分程度、一瞬で終わりました。
せっかくの機会なので資金調達環境とか新ファンド組成の話とか、オーストラリアの話、そうそう武蔵小山のツインタワーの話(笑)とか聞いてみようと思っていたのでがっかりでした。
まあ、三月に総会開いたばかりなので状況が変わっていないといいのですが正直言って心配なところではありますよね。
50人程度と4年ぐらい前の総会と同じ程度の人数なので、普段いえないことも聞けるのではないかと期待してはいたんですけど。

ダヴィンチはおいといてスルガコーポレーションです。
出席者はまあ300~500人ぐらいかなー結構たくさん来ていました。
3月末の基準日前後に株価が急落し、反騰があっただけに自分と同じ30代ぐらいの若い方もチラホラ着ていましたが、基本的には投資家は熟年世代ですね。
まあ、他人事のように話していますけど自分も基本はスルガにのみ関してはPBRとPERとそれにVIX指数などから三月頃に売買していた、投機家といわれても仕方がないトレーディングですね。
実際、1単位だけ残した優待や配当も全て中止、総会会場でオレンジピールのチョコレートがもらえるだけです(笑)
でも実は僕、このオレンジピールのチョコ好物なんです。小さい頃から男のクセに甘いもの好きです(笑)
スルガコーポレーション(以下スルガとします)それだけは気が利いてました(笑)

まず最初に不祥事当時の経営者、岩田社長から型通りの謝罪から始まりましたが、まあ意地悪な見方をすれば他の不祥事会社よりもちょっと謝罪回数が少なく、社長も演技している印象を受けました。
ただし、通常の会社であればオーナーではなくサラリーマン社長なのでその意味では創業者でもあり無配、株価下落の苦しさは社長も味わっていることだけは評価できると思います。
でも、同情もそこまでですね。
おとといのニュースで民事再生適用の申請をしましたけど、実際のところ民事再生許可であるならば大分救いがあるのですが、場合によっては減資、あるいはマイカルのように民事再生希望するもそうならなくて結局会社更生になったように債権者や各関係者の合意が出来ない場合も有ります。
そもそも反社会勢力の関係者とのつながりがキッカケでしたしね。その手の人たちがそんな簡単に合意するのか?疑問です。
まあ、蛇の道は・・と言いますが、それを物件取得でやったからこそ今日の事態ですしね。
また、株主総会召集通知に同封されていたP/L・B/Sの数字上では増収・大幅黒字ですけど、キャッシュフロー見てみないとお金が入ってくる・入って来ないというのは分からないはずなのです。

しかしヒントがいくつかあります。
ヒントと言えるのが新任の監査法人の意見表明が「継続企業の前提に重大な疑義」であること。
「継続~」の意見表明の時は、監査の基準だか実務指針でたいてい「試査」でなくて「精査」をすることになっていたと思います。
よって「簿価」でなく、いわゆる「時価」で精査した結果、継続性に問題があるという結論になったということです。
つまり実際には大幅に資産が相当目減りしているということですね(何しろ値がつかない不動産だから)

また、社債がねデフォルトです。これもまたマイカル以来とか。
社債権者は「債権者」なので、「株主」より会社法上の優先度が高いのですけど、債権者でデフォルトなら、株主はお手上げです。
事実上、配当が撤回された時点で最期の投資元本の回収可能性が消えたことになると思います。

経営陣が過去最高益、再上場の可能性をしきりに言っていましたが、そんなのは債権者の同意を得て民事再生が「許可」された場合にのみ可能なだけで、民事再生には現行の経営陣の温存という裏の意味もありますから、反社会勢力と関わった経営陣が、名義上の「辞任」のポーズだけで裁判所や警察が訴追を緩めるとは考えがたいような気もします。
事実、終始辞任されるはずの経営者が楽観的というよりも、全てが理想的に展開した場合のみに可能な再上場(それも何年かかるかわからない)の話を力説されるのは、どうも上手すぎる話のような気がします。
あの長銀ですら、破綻時には債務超過ではないと力説してましたからね。
そもそも辞任する人が新経営陣に変わって見通しを述べると言うのは矛盾しています。社会的責任を取ったとは到底言えないでしょう。

ともあれ株主もまた反社会的な利益の上げ方で上げた業績によって株価が動いているはずですから、責任を取らなければなりません。すなわち紙切れになっても文句を言えません。
清算配当や再上場というのは法律家や債権のプロが手を出す世界でして、素人には結局のところ何も分かりません。
新O本監査法人も結局逃げちゃって、株主総会には新任監査法人の責任者しか出てきませんが、召集通知に添付の議案の方には監査報酬などがちゃっかり記載されてました。
ある意味ハゲタカです。

わざわざ横浜まで出て行ってスルガの総会に出たのは、会社が終わるときはこういう物だと再認識に行ったということです。
株式市場で株を買わない人間、株で儲けた経験も無い人間の資産コンサル、株でまったく損したことが無い人の投資論など聞くに値しません。
経営者も、しまいには自分は無関係なのにソレを日経の過剰報道が・・・ぐらいの愚痴を言ってました。
しかし辞めるはずの人が会社の未来・将来を語り・・・、あるいは本当に社長の言うとおりに再上場するのが簡単ならば、株主総会後に民事再生を申請すれば良いのでは?という疑問は解けません。

そういえば4年前スルガを一回買ったことがあるのですが、その時は1800円ぐらいだったかな、モンゴルの案件が非常に気に入ったからです。
この事業の現状だけが興味がありましたから、そういう意味では良かったです。
ただし、おおよそ見当はついていましたけどね。なぜなら創業者の息子と思しき若い人物がモンゴル事業の担当だからです。
温存というか、モンゴルの実績を元に社長就任とか、いろんな推測が出来ますが、まあそういうことです。
社長の話よりも「状況証拠」と言えるかもしれません。

また、お土産目当てで出席し株主総会が長くなるのを嫌う向きもありますが、「選挙」と「総会」は民主主義の基本で後から文句を言っても遅い、すなわち前回までの総会で適切なコーポレートガバナンスを働かせなければ大変なことになるということを教訓としたいと思います。
以上長々と読んでくださりありがとうございました。


なかのひと

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15 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
(4304)Eストアー (ケイシン)
2008-06-26 17:49:29
私の願望というか希望の銘柄です。
リスクは高い銘柄です。

こういう銘柄が成長すると
個人的には嬉しいのです(笑)

今年の後半戦についての展望は、
世界との相対的な日本株のパフォーマンスは
強気でおります。「木」だけでなく、
「森」も意外と強いのでは?
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Unknown (tokumei)
2008-06-26 21:17:46
ヤクザつながりは、ここだけなのでしょうか?隠れているだけなのでは?ちゃんと相場以上の立退料も支払っていたのに、どうしてここまで叩かれて、倒産しないといけないんでしょう?
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Unknown (うさ)
2008-06-26 22:28:23
ベトナム大好きさん

私もベトナムについては勉強中ですので対等な立場で皆さんと一緒に勉強させてください

ケイシンさん

率直に言って、今の時点ではなぜEストアなのかわかりません。まして評判がイマイチのテレウェOブの出資を受けているような・・・
しかしです。秘かに尊敬するケイシンさんのことだから何かあるに違いないと思い考えあぐねてます

tokumeiさん

おっしゃることは良くわかります。
不動産業界の問題は日本全体の問題とも言えるし、また世界でも全てではないしろマOィア或いは政府自体がマフOア貸しているケースも含めて散見されます。
一方で不動産復活の立役者、不動産流動化、証券化は非常に高度な法律、金融制度の賜物です。そういう国では前述の古い制度は少なくとも目だちません。
つまり日本の場合はどっちか中途半端な状態なのですよね。
確かにスルガだけというのはあります。
少なくとも関係の無い企業のほうが少ない、それ専門の専門家が組織にいたりするケースもあるでしょう。
しかし少なくとも私は知りませんし、知っていてもあなたがtokumeiであるのと同様、私もまたtokumeiでしかありえません。残念ながら。
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Unknown (ジオ)
2008-06-27 08:32:19
分析読ませていただきました。
経営陣は都合の良い妄想を描いているような感じですね。
再上場というケースもまれにありますが、そんなのあてにできませんからね。
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すみません (ケイシン)
2008-06-27 12:52:13
個人的な願望銘柄(笑)でして、
他人様に推奨するよう銘柄ではありません。

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アーバン (フラット)
2008-06-27 13:40:47
300円割を拾いました。スルガの連想+CB+NY安で下落でしょうが、いくら何でも安すぎます。LCラインを守れば、そんなにリスクはないと思います。
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(3067)あいHD (ケイシン)
2008-06-27 17:26:12
これも個人的な妄想銘柄の一つです(笑)
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お久しぶりです (にゃんぱち)
2008-06-27 21:35:23
こんにちは。以前に数度書き込みさせていただいたにゃんぱちです。お久しぶりです。

先日、生まれてから2度目株主総会にの出席してきたのですが、感想は“面白くなかった”です。(苦笑)
初めて行った株主総会がダヴィンチで、それがすごく面白いと感じていたので、なんだか物足りないと感じました。

私はデイトレードが出来る才能がないと自覚しているので、すぐに利益の出ることを期待していないのですが、最近下げすぎているので少々辛くなってきました。が、自分の直感(笑←笑えないかも~)をもうしばらくは信じてみたいと思います。

ちょっと話は変わりますが、新しいブルーベリーを育ているみたいですね。以前のブルーベリーは葉枯れしてしまったみたいですが、春先は枝や根がグングン伸びようとするので、鉢植えだとどうしても植物自体が窮屈に感じるみたいです。
・伸びた枝を切って、根を掘り起こしてほぐして再度植え直してあげる。(だけど、これだと実をつけるまで成長しない)
・新しく大きな鉢に根をほぐして植え替える。(更に植物を成長させ実を得ることが可能だけど、更に植え替えが必要なこともある)
実を得るって大変そうだけど、うささんは自分で育てたブルーベリーを食べそうな気がします。女の直感です!(あー、でも、この直感は私の株取引にはあまり役に立っていませーん。てへ。
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Unknown (うさ)
2008-06-27 22:37:49
ジオさん

はじめまして。
民事再生では、経営陣の温存が許容されていますので、おそらく其れが狙いだと思います。
なぜなら終始「辞任する」とおっしゃっていた方が未来を語っておられたからです。
どちらにせよ上場廃止になってからでは大儲けの可能性もありますが、西武やマイカルなどの例からも楽観できる状況ではないです。
楽観できる分野は、モンゴル事業ぐらいだと思います。

ケイシンさん

ケイシンさんの注目であれば歓迎ですよー
三人寄れば文殊の知恵ブログを目指してますので(笑)
でも3067だと某飲食業で、ふぐだけに当ってもシャレになりません(爆)

フラットさん

おっしゃるとおりだと思います。
その上で自分ならどうするかを書くかというと
二番底を狙っていきますね。
というのも下落第二章が世界で起こっているような気がします。
今回の市場のテーマはインフレです。
本来不動産にはプラスのはずですが、杓子定規に考えず柔軟に行きたいなと僕は思っています。
特に自分が南米がインフレ傾向を示していることがNYには打撃でしたが、これは侮れないと思います。
それとむしろCBは朗報でしょう。
スルガがなぜダメかといえばそれは資金調達が出来ない黒字破綻だからです。
調達できたということは、非常に意味があることです。
ただし成長率の下落、希薄化は最大限見込んで200円ぐらいを狙おうと自分は思っています。
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Unknown (うさ)
2008-06-27 22:48:07
にゃんぱちさん

初めて行った総会がダヴィンチというのは、とても幸運だと思います。というのも自分自身も株主総会に出てみて、「株主も経営者も何か質が違う」と感じたからです。
最近はダヴィンチも知られるようになり、会場も大型化し、以前のような総会には二度とならないのかもしれませんが、第二のダヴィンチを発見する時には、ビビッと来る様なそんな気がします。
高度成長期の日本にはそういった会社が自然とたくさんあったのでしょうね。

ブルーベリーも鉢植えは弱く、寿命も短いのですね。
植物育てているといろんなことが分かります。
植物のことが分かる人ほど株に向いている人は無いと僕は思います。
何しろ一株、二株と数えますし、上手に育てれば増えますしね
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