当たり前ですが、初心者の立場にならねば本ブログの社会的存在意義も薄れると思ってます。前回、渇を入れさせてもらいましたがベテランの方の反応が多かったですね。やはり、戦闘経験のあるものはきっかけさえあればシャバから現役にすぐ戻るものです。動きだしたら迅速でしょうから、もういろいろ分析をされていることでしょう。
一方初心者は気合が入ったものの何をしていいかわからないという所でしょう。
そこで、まずはこの経験の差を私の体験談を通じて埋めてもらいたいと思います。
まず、帰国した私には出国前のITバブルで稼いだお金が約500万しか残っていませんでしたが再出発には十分だと思っていました。2003年ごろです。
おりしも株価は最悪の状況で倒産リスクからありえない価格で株価が放置されていました。この時期は低い株価の企業ほど、すなわちベンジャミングレアム式の割安株が絶大な威力を発揮し、買った株の2つがずっと持てば10倍以上というとんでもない株価になりました。
が、既に割安株投資からバフェットやフィッシャー理論の影響を受け始めていたので、確かに予想PERがあまりにも低ければ(上記十倍銘柄は当時0.5~3倍)短期的に一気に再評価されるが、それによる上昇は十年はとても続かない、再評価されるまでの期間でしかないと本質に気づいていまして、ROEが高く継続的にEPSが成長する株に投資するべきだと結論付けました。
なぜならそれこそが株式を債権とみなした時の長期の複利効果を生み出す決定的重要ポイントだからです。
では、EPSの継続成長とはどこを見ればいいのでしょう?
それは、1.潜在市場の大きさ2.ライバル、競争原理の存在です。
当然、潜在市場が大きければ大きいほど成長は続きます。またライバルがいれば競争原理によって利益が薄くなります。
これはやや経営学的な考え方ですからフィッシャーやバフェットの理論が優れている点はこの辺です。
さて、2003年当時私は成長株投資と割安株部門と二つにハッキリ分類(今でもそうですが)して投資していまして成長株として一体何を買ったか?ですが残念ながらダヴィンチを発見する能力は無くアルバイトタイムスとアーバンコーポレイションでした。がこの両社ともに割安株部門が一年で10倍という驚異的な成績を上げているのに比べ、やはりこちらは成長株ですので知名度も無く出足は遅くたいしてあがらずに2~5倍ほどしか上がりませんでした。
なぜだろう?と考えますと企業としてはどう考えても成長株の特にアーバンの経営陣のほうが魅力でした。ましてや、経営学を修めた身としては当然競争原理が働いて勝ち残ってほしい、国の将来のためにもと強く思ってましたから。結果に納得が出来ていませんでした。
この疑問は、今ではハッキリわかります。2003年当時は金融相場で企業の倒産リスクがより重要になったのです。つまり決算書などが何の意味も無い数字の集合体に見えたのです。よって、こういう景気回復の初期段階では割安株が一番化けるんです。
ですが、今は正反対にこれから経済の成長と共に或いはそれ以上に成長できる銘柄が一番高株価になるという意味です。これが2005年始めからそういう相場になったように思います。だから、ダヴィンチが上がったんです。
今の時期は成長株投資です。これを天の時と考えてます。
やや、長く持ちすぎた感があったアーバンなどが有名になりすぎたのや時価総額が大きくなりすぎたのを機に、もう一度ダイヤの原石を求めてフージャースという株に移りました。
これは同社の社長が特色をだしながら低コスト経営に力をいれ、そのために完成在庫を少なくし、女性に絞ったマンション開発など積極的な経営が目だったからです。
また、成長株が不本意ではあったもの魅力的な経営者や魅力的な企業下には魅力的な人たちが多く集まり、後から思えば多くの成功された個人投資家さんがちょうどブログを書き始めた頃でとても楽しかったです。特に掲示板を通じて発見したんですがDAIBOUCHOUさんやokenzumoさんやinatoraさんのブログなどで今ではすっかり有名人になってしまった方や会員化したブログもありますが彼が掲示板なんかに顔を出すと大変よく研究しているなぁといつも感心して読んでいました。そんな雰囲気なので何よりも投資をしていてとても楽しかった記憶があります。
さて、そんな訳でフージャースは2004年の半ばまで保有したりしていたのですが2004年には株式分割相場という一種のバブルがおき、ITや介護の会社が軒並み短期間で爆上げしました。これはとんでもないパワーでして一週間ほどで今のIDU以上のスピードで5連続ストップ高で二倍になるなど新興市場では頭のおかしな相場が続き、私もうまく乗って成長株を半分売って二倍ほどに一気に増やしたのですが、その頃分割相場も若干下火になり始めたときに株式分割を発表したダヴィンチに目をつけます。結果として、分割銘柄としてのダヴィンチはすぐには暴騰しなくて失敗で、塩漬けすることになりました。
ちょうど資金調達で株価も下がっていたのでダヴィンチについて詳しく調べるうちにこれはトンでもない成長力を秘めた企業だと思いました。ついに本物のバフェット銘柄を見つけ11月に8万円台で全力大量注文入れたときにはものすごい含み損にもビクビクしましたがついに本当にバフェットが買うタイミングで買うことが出来たと興奮して眠れませんでした。結果はみなさんの知るとうりです。
今後何があろうと税金が増えるだけなので絶対売りませんし、こういうものは十年持ったら戦慄の結果が待っているでしょう。
さて、私がここまで大きく財産を増やすことが出来たのは、2003年という天の時と成長株の一番おいしい時期を上手くつまみ食いできたという点につきます。
さて、初心者のために私が今現在の株価で一番お奨めなのは8910サンシティです。
実は同社のことはフージャース掲示板で散々推奨する人がいて会社とは関係なくダーティな印象があったのですが、両社は売り上げの規模、時価総額で近い位置にありよきライバルでした。
実際2004年当時の業績を比べてみますとフージャースが売上高208億に対し、サンシティは216億、それに対し売上原価はそれぞれ163億、167億でほぼ一緒。違うのは販売管理費(販売などに伴う営業員や宣伝のコスト)でそれぞれ18億と29億で明らかにフージャースのほうが効率的な営業をしていました。
また、フージャースの株主資本比率(銀行などの借金の少なさ)はマンデベにしては堅実経営で40%弱、サンシティは業界のごく平均20%弱でこの結果が営業外費用の支払利息が株主資本比率が少ないすなわち借金の多いサンシティがフージャースの2倍近い利息を払っています。
それが為にほぼ同じ売上高にもかかわらず、両社は利益においてそれぞれ15億、9億と倍近い差が開き、2004年度中の業績に関してはこの時点では明らかにフージャースが上で株価にも如実にその結果が反映され、フージャースが分割、東証一部への昇格などを通じて昨年、今年大きく株価を上げたことが裏付けられます。
それゆえ投資したのですし株価、東証二部など原因なくして差がついたわけではありません。
一方サンシティはその間何をしていたのか?
それが最近判明しつつあり、開示情報を洗い直すことで詳細な全貌が見えてきました。
一言で言えばサンシティはフージャースのようなマンションデベ専業から、不動産流動化企業との提携、REITへの物件供給を通じて不動産流動化事業へと変貌しようとしていたのです。
以下で具体的に立証していきましょう。
まず上述のフージャース圧倒的有利と指摘した損益計算書の中に解約違約金収入というのがあります。これをみますとフージャースはサンシティの二倍お金が入ってきてます。
これは元手ゼロでお金が入って来るので多いほうが素晴らしいと言いたい所ですが世の中、長短両面があります。
これはとりもなおさず、後で冷静になったマンションの購入者がお金払ってでも解約するほど物件の質が劣ったということを想像させます。
これは短期的にはぼろ儲けですが例えば他の業者はともかくPLを見る限りではサンシティの方が同じエリアにあれば早く売れてしまうのではないかと考えてしまいます。
今現在のHPをみますと両社のエリアはすぐ隣まで接しており、フージャースがお膝元の埼玉に迫られていることが良くわかります。
また、PLではなく貸借対照表(BS)を見ると予想どうりフージャースの方は借金が少ない堅実経営でサンシティの30%しかありませんが、私ども経営や会計の世界ではこれを負債比率と言って、負債(借金)が少ないと会社は不況でつぶれにくいが好景気のときは出遅れることを意味します。つまり防衛向きです。
タダ単に無借金であれば良いだけでは名古屋的な経営ともいいますが無能な経営者です。これを最適資本構成の課題といいます。
さて、フージャースとサンシティはBSみますと販売用不動産と仕掛販売用不動産などの会計上の営業用財産がフージャース0.08億(8百万円)と124億です。一方サンシティは35億と81億です。
仕掛りとは作業中とか建設中の意味であり、フージャースはどうも低コスト経営、借金の少ない支払利息の少ない経営の為に努力するあまり将来の建設予定地を直接的な不動産取引にて抑えることにあまり熱心でない、すなわち他のマンデベと異なる用地契約の取得が予想されます。
これは経営手法の問題なので一長一短で好みの分かれるところですが今現在不動産市況は非常によく、交通など利便性の良い土地の仕入れが競合する意味では不利は否めません。又、その契約上の勘定科目と思われるBS上の財産から、業界の慣習による平均的から水準から逆算して用地の取得が2005年度中にピークが来てしまうということを懸念させます。
一方、サンシティはまず先に土地を押さえるというやや過剰ともいえる(悪く言えば泥臭い)投資、流動化用の大型用地、サンライズ用のマンション販売の用地取得により大きな支払利息を我慢せざるを得なかったために利益が減り、株価で差をつけられたことが見えてきました。
サンシティはマンデベ専業から、不動産流動化企業との提携、REITへの物件供給を通じて不動産流動化事業へと力をいれようとしていたのです。
http://www.suncity-web.co.jp/datas/p_data/p20040301.pdf
今現在不動産流動化へ参入するマンデベは多いですがその多くが俄か組みであるのに対し、サンシティは不動産流動化に参入するに当たって非常に時間をかけた形跡があります。同時に証券化のプロフェッショナルと組むという身の程を忘れていない判断もしています。すなわち他社のREITと一線を画すようにリプラス、LCP、プロスペクトといったREIT事業のプロと組むことにより参入する賢明さを持ち合わせていました。
そのことが例えば個別の物件の質に反映されており
http://www.suncity-web.co.jp/index2.html
の右下、一棟売物件の利回りが値引きなしでも8%以上と高利回りになっています。
ゆえにREIT以外でも個人の不動産投資家、地方の金持ちに需要が大きいと思いますし、上場REITの利回りからは明らかに高値で売れそうです。
又、IRをみますと既に完成し、ギリギリ(笑)今年度中に売却された八幡の大型商業施設のLCPのREITへの売り上げ46.9億がまったく通期予想に織り込まれておらず
http://www.suncity-web.co.jp/datas/p_data/p20051026.pdf
上方修正も期待できます。
すなわち、サンシティは同じ売り上げでもより利益率の高いサンライズ事業に全力を注力し、その為に丸二年近い時間とコストをかけたが為に業績がいままで見劣りしたと予想できます。
その努力も実りつつある現在再評価の余地が大きいのです。
IRを見ますればサンライズ事業の為に中古ビルの取得とバリューアップを行っており、有老ホームなども取得しており、これらの事業だけで
http://www.suncity-web.co.jp/datas/p_data/p20050704.pdf
http://www.suncity-web.co.jp/datas/p_data/p20050914.pdf
上記五カ年計画
http://www.suncity-web.co.jp/datas/p_data/p20040301.pdf
の2005年度サンライズ事業の売り上げ目標26億を十分達成可能なレベルです。
ところがこの計画では次2006年度となっております46.5億の売り上げも八幡の商業施設によって既に達成しているのです。
と同時に次の大型施設の着工が決まっており
http://www.suncity-web.co.jp/datas/p_data/p20050707.pdf
規模がさらに大きく60億ですから売却価格は70~80億、利益にして10~20億も積み上がることになります。この手の事業は時間がかかるので他にも多数既に取りかかっていることと思います。
したがって、この中期経営計画は既に一年以上前倒し達成されています。
また、サンライズ事業はどうしても個人向けのマンション販売事業と違い営業員や豪華CGなどの宣伝費用がかかりませんので利益率も軒並み高くなります。
仮に従来のマンション販売事業のみでサンライズ事業の利益を得ようと思えば例えばレキシントンの46.9億であれば実に100億円分ものマンションを販売しなければなりません。昨年売り上げが200億の会社にいきなり100億も売り上げの上積みがあったに等しいのです。
この事業が如何に効率的かわかっていただけると思います。
又、商業施設の場合は行政との密接な連携が不可欠ですがそのようなものは一朝一夕に出来るものではなく長年の時間と信頼関係が必要です。
それゆえ前期までの売り上げ、EPS共に30%成長に比べ
、売り上げ伸びもさることながらサンライズ事業の利益成長力がマンション販売の単純に二倍の効率で積み上がりますから非常に有望なわけです。
そして、これはマンデベに投資してきたからこそ理解できるのですが、これは勝ち組アーバンコーポレーションの確立したビジネスモデルです。
それゆえ、かってのアーバンと似た高成長が期待できる一方、ところが市場は正当にその努力を評価せずに株価は以前とあまり変わらない位置にあります。
また、時価総額で500億以下であり、企業の本質とは関係ないですが株価的にもっとも妙味の時期にちょうどあたります。非常に株として面白いのです。
さて、ここまではホトンドが企業の評価でした。私が言いたいのは何かというと。初心者の皆さんは既に成功した皆さんの銘柄に乗るのもひとつの手でしょう。
しかしながら年初の値段から比較するにアーバン、フージャース、いずれも2.5倍程度にしかなっていません。
上記を上回る成績を上げたのは今年に関しては一回も乗り換えていないので全くもってダヴィンチ単独の4~5倍という恐るべきパフォーマンスです。
まだ見ぬ無名のそういう銘柄を求める姿勢、慢心せずに厳しくともオンリーワンを見つけ出す気合をベテランの皆さんには要求したわけです。
それは、上記に上げた両銘柄でも有名すぎる感があります。
かならずもっといい銘柄がどこかにあります。
初心者にはスタートダッシュが必要だと思います。最初の一年がわずかでもパフォーマンスが落ちれば十年後には埋めがたい資産の差になります。初心者のみなさんは既に数千万、数億持っている投資家さんとは置かれた状況、残された期間が違うのです。時期も違います。既に活性化した市場ですから。
よって、全能力で持ってこれと思える株を探すことに全力を尽くしてください。
昨日からNoppin's stock cafeさんとリンクしました。
このブログはダヴィンチなどの知的で冷静な分析をされるnoppinさんのブログです。リンクしていただいて大変誇らしく思います。
ぜひ一回ご覧になってください。