
昨日ブログに投稿した庭に咲いたは花々を花入れに活けてみました。

絶滅危惧種のクマガイソウ・・・。

雨の中での採取のため濡れているのも情緒がありますね。

同じく牡丹・・。

帰宅した家内のチェックが入りました。

むむ~、なるほどね。

さて魑魅魍魎たる作品群の平福百穂の作品ですが、とくに松を描いた作品には工芸品(印刷、もしくは手彩色)も多くありますので要注意です。このたびは筋の良さそうな作品を入手しましたので紹介します。

戌午五月墨松図 平福百穂筆 大正7年 その139
絖本水墨淡彩軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:横500*縦1525 画サイズ:横375*縦370

年季のある作品は平福百穂では稀ですので、とても貴重です。大正7年の作ですので、この後に昭和期に向けて近代南画と称される画風に変化していきます。


絖本に描かれていますが、下地の線が出ていることから羽織の裏地かなにかのために依頼されて描いたかもしれません。

前述のように平福百穂の工芸作品で松を描いた作品が、かなりの数出回っていますので、要注意です。下記の作品はその代表的なもので、工芸作品と説明のある作品はいいのですが、全く説明のないもののあります。
淡彩松図 平福百穂筆 大正10年頃 工芸品
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 平福一郎鑑定二重箱
全体サイズ:縦1370*横705 画サイズ:縦*横

この作品は印刷・・・なのに平福一郎の鑑定箱?に収められています。さもに肉筆のように偽っている悪質なものに思えますが、これは工芸品として認定しているという証のようです。
落款には「三宿草堂」とあり、原画は印章から大正年間の作と推定されます。この作品は平福一郎の箱書と合わせての作品が複数存在するようです。平福一郎の箱書は確認が必要でありますが、工芸品としてのもの、悪意のあるものと両方あるようです。


この印刷の作品に限らず平福百穂の工芸作品は手彩色を含めてかなり巧妙にできていますので要注意です。