夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

富士 伝竹久夢二筆

2017-07-21 00:01:00 | 掛け軸
学生時代に学業をそっちのけで? 勤しんだ山登り。最初はALK(トーク、ウォーク、歩くをかけた)という同好会から始め、そのうちワンゲルの友人と本格的に登山を始めましたが、なんといって軍資金がない。

学生時代はデートしても途中で軍資金がなくなるという状態でしたので、ましてや登山に使うお金などまるでなかった。そこで選んだバイトのひとつが現在の宅急便のようなもの。

お中元、お歳暮の配達に現在のような宅急便がなかったのでデパートの荷受場に朝早く行き、自転車で配るというバイトです。一升瓶のような荷物には目もくれず、ハンカチのような小さなもので数をこなすという作戦です。大小にかかわらず一個につき100円のバイト料金でした。しかも団地への配達は避け、高級住宅地で一軒あたりの数が多いものを狙う・・・  朝早くいかないとそのようなものはなくなるので、朝4時頃からのバイトで、一回りしたら授業へ・・、意外に真面目な優等生?

さて刀匠は「良業物」にリストアップされている刀剣で、柴田刀剣でも筋の良い作品と評価されています。ヒントは大阪二代です。



拵え共々、貴重刀剣の認定を受けています。



吉兆紋の鍔、拵えもよろしいかと・・。



形式的になる前の草創期の簾刃です。刀剣は角度を変えてみないと刃紋が見えにくいので写真では解りにくいですね。

 

刀剣柴田に依頼し研ぎ直したばかりの作ですが、ここまで説明するとマニアの方は誰の作かお解りですね。

さて本日は「伝」竹久夢二の作品の紹介です。

富士 伝竹久夢二筆
紙本水彩軸装共箱 
全体サイズ:縦1290*横630 画サイズ:縦350*横495



夢二の明治末から大正初期にかけての作品と推察されます。



明治42年8月に富士山に夢二は妻のたまきを伴って富士登山をしています。この頃、夢二はかなりの数の風景画を水彩で描いているため、富士を描いている可能性は高いと思われます。作風は夢二草創期の作風をみせている作品と思われます。



落款の字体はこの頃に一致し、作品の印章はこの白丸印は使用しています。

  

あまりにも著名な竹久夢二ですので、本作品はあくまでも「伝」の作とご理解ください。



富士を見ながら刀剣を見入る。日本人に生まれてよかったと思うひと時です。



水彩絵の具をたっぷりと利かした作品、図の不自然さはどこ吹く風・・・。

感じるのはバイトも骨董も情報の把握とその対応、行動の速さが肝要ということ。このことを身に染みていないと、ぐずぐずと情報分析だけに時を費やし、行動することが不安になり何もしないことなかれに陥るようです。



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