BS NHKテレビの「江戸あばんぎゃるど」という番組を観られた方は多いと思います。今週の水曜日で第2週目でしたが、外国人からの観点から日本美術を説明しています。当方にとってはほとんどベーシックな作品の基本的なことですが、解りやすく説明しています。基本的なことを知らない日本人は多いと思いますので、NHKオンデマンドで配信中らしいので観てない方は観たほうがいいでしょう。外国人の過大評価とも思える日本美術への心酔ぶりがまた面白いものです。
番組の意図はガラス越しの日本美術展示へのアンチテーゼ?もあります。日本の美術館のガラス越しの作品鑑賞には辟易としている小生は大賛成! (しかもルール、マナー好きの日本人はガラスにちょっと触っただけで係員が飛んでくる )
ただ取り上げている作品が、あまりにも著名な作品過ぎてつまらないのが難点でしょうね。
さて本日はちょっと珍しい器形の磁州窯の作品を入手したので紹介します。
磁州窯 白磁鉄絵褐彩人物・兎文壺
13世紀~14世紀 誂箱
口径178*胴幅270*高さ270
磁州窯は河北省磁県で活動した宋、元時代の窯で、灰白色の半磁質素地に白土を化粧掛けして上から鉄絵を施した作品、施した厚手の黒釉を掻き落とす作品などを残しています。
磁州窯のこの手の作品は朝鮮に伝わると粉引、刷毛目などの粉青沙器に発展しました。
江戸時代の瀬戸鉄絵行燈皿なども磁州窯が起源のようです。この手の作品は民芸味が真骨頂だと思います。
気取ったところもなく、酒器として限定されることもなく普段使いに使える気軽さが魅力です。 壺の内側は褐釉で全面に施されています。
人物がひょうきんにのびやかに描かれています。
ウサギの描きも実にのびやかですね。
絵筆のスピード感ある勢いが本作品の魅力となっています。
この器形は何に使ったのでしょうか?
このような磁州窯の作品は非常に珍しいと思います。ご存知のようなに磁州窯とは華北地方一帯で制作された白化粧を施した民窯(宋~明時代)です。磁州窯の日本出土例は数が少なく、かえって朝鮮半島の高麗古墳に多く出土が見られますが、そのせいか絵高麗と言われる高麗の鉄絵青磁や、李朝初期の刷毛目、粉引にその影響が強く表れて御手本になっていたと推測されます。
しかしながら、日本でも桃山時代から、志野、織部の技法手本となり、江戸時代は尾形乾山、青木木米等、この磁州窯が、やはり手本となっている作品が在る事から鉄絵に関して当時、磁州窯の物が間違いなく日本に将来されていたと思われます。(茶道具等伝世品有り)
このような器形の作品には下記の作品があります。一般的には牡丹の絵文様が多く、出光美術館蔵の「白磁鉄絵褐彩牡丹壺」に関しては、同手と言って良く、こちらは元~明時代の特徴を顕著に表現してると思います。
牡丹が描かれた作品より本日の作品のほうが数段面白味がありますと思うのは贔屓目でしょうね。
本作品と同様に人物などが描かれた作品には「東京国立博物館蔵 白磁鉄絵褐彩人物図壺」があるようですが、現状では当方に写真がなく調査中です。
磁州窯の作品と思われる作品は下記の作品らがブログに紹介されています。気の向くままに愉しそうな作品を蒐集してみました。
磁州窯? 白地鉄絵草・福文水指
宋時代 合箱入
口径110*胴径165*高さ115
水指に使っています。
珍しい筒茶碗の作品です。ま~筆立てのようなものとして作ったのでしょう。
鉄絵草紋筒茶碗 磁州窯
合箱
口径90*胴径100*高台径69*高さ125
この手の筒茶碗はよくありますが、なんとも茶を点てづらいのが難点・・。
梅瓶の形をした「氏素性の解らぬ作品」は蒐集のかなり初期の段階で入手した作品で、男の隠れ家にて花入れとして高麗梅瓶とともに使っています。
磁州窯白地草紋鉄絵梅瓶
胴幅:165*高さ292
磁州では地震があるのかないのか分かりませんが、いつも地震で倒れないかと心配しています。
現在は保存箱のないので展示室に飾って愉しんでおります。
やはりこの人物の絵が楽しい。
そして兎の絵もまた何とも言えない洒脱さがあります。数多く作って描いた職人のなせるもの、初期伊万里・古伊万里や古染付と同じ美ですね。
古きに学ぶとはこのことか・・。まじめにこつこつとやってきた者の熟練さに敵う者はいない。この基本を忘れた者のなんと多いことか。目先の利や仕事がつらいとすぐに辞めてしまう若者には将来はない。
番組の意図はガラス越しの日本美術展示へのアンチテーゼ?もあります。日本の美術館のガラス越しの作品鑑賞には辟易としている小生は大賛成! (しかもルール、マナー好きの日本人はガラスにちょっと触っただけで係員が飛んでくる )
ただ取り上げている作品が、あまりにも著名な作品過ぎてつまらないのが難点でしょうね。
さて本日はちょっと珍しい器形の磁州窯の作品を入手したので紹介します。
磁州窯 白磁鉄絵褐彩人物・兎文壺
13世紀~14世紀 誂箱
口径178*胴幅270*高さ270
磁州窯は河北省磁県で活動した宋、元時代の窯で、灰白色の半磁質素地に白土を化粧掛けして上から鉄絵を施した作品、施した厚手の黒釉を掻き落とす作品などを残しています。
磁州窯のこの手の作品は朝鮮に伝わると粉引、刷毛目などの粉青沙器に発展しました。
江戸時代の瀬戸鉄絵行燈皿なども磁州窯が起源のようです。この手の作品は民芸味が真骨頂だと思います。
気取ったところもなく、酒器として限定されることもなく普段使いに使える気軽さが魅力です。 壺の内側は褐釉で全面に施されています。
人物がひょうきんにのびやかに描かれています。
ウサギの描きも実にのびやかですね。
絵筆のスピード感ある勢いが本作品の魅力となっています。
この器形は何に使ったのでしょうか?
このような磁州窯の作品は非常に珍しいと思います。ご存知のようなに磁州窯とは華北地方一帯で制作された白化粧を施した民窯(宋~明時代)です。磁州窯の日本出土例は数が少なく、かえって朝鮮半島の高麗古墳に多く出土が見られますが、そのせいか絵高麗と言われる高麗の鉄絵青磁や、李朝初期の刷毛目、粉引にその影響が強く表れて御手本になっていたと推測されます。
しかしながら、日本でも桃山時代から、志野、織部の技法手本となり、江戸時代は尾形乾山、青木木米等、この磁州窯が、やはり手本となっている作品が在る事から鉄絵に関して当時、磁州窯の物が間違いなく日本に将来されていたと思われます。(茶道具等伝世品有り)
このような器形の作品には下記の作品があります。一般的には牡丹の絵文様が多く、出光美術館蔵の「白磁鉄絵褐彩牡丹壺」に関しては、同手と言って良く、こちらは元~明時代の特徴を顕著に表現してると思います。
牡丹が描かれた作品より本日の作品のほうが数段面白味がありますと思うのは贔屓目でしょうね。
本作品と同様に人物などが描かれた作品には「東京国立博物館蔵 白磁鉄絵褐彩人物図壺」があるようですが、現状では当方に写真がなく調査中です。
磁州窯の作品と思われる作品は下記の作品らがブログに紹介されています。気の向くままに愉しそうな作品を蒐集してみました。
磁州窯? 白地鉄絵草・福文水指
宋時代 合箱入
口径110*胴径165*高さ115
水指に使っています。
珍しい筒茶碗の作品です。ま~筆立てのようなものとして作ったのでしょう。
鉄絵草紋筒茶碗 磁州窯
合箱
口径90*胴径100*高台径69*高さ125
この手の筒茶碗はよくありますが、なんとも茶を点てづらいのが難点・・。
梅瓶の形をした「氏素性の解らぬ作品」は蒐集のかなり初期の段階で入手した作品で、男の隠れ家にて花入れとして高麗梅瓶とともに使っています。
磁州窯白地草紋鉄絵梅瓶
胴幅:165*高さ292
磁州では地震があるのかないのか分かりませんが、いつも地震で倒れないかと心配しています。
現在は保存箱のないので展示室に飾って愉しんでおります。
やはりこの人物の絵が楽しい。
そして兎の絵もまた何とも言えない洒脱さがあります。数多く作って描いた職人のなせるもの、初期伊万里・古伊万里や古染付と同じ美ですね。
古きに学ぶとはこのことか・・。まじめにこつこつとやってきた者の熟練さに敵う者はいない。この基本を忘れた者のなんと多いことか。目先の利や仕事がつらいとすぐに辞めてしまう若者には将来はない。