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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

鶏之図 その2 伝伊藤若冲筆

2012-06-05 06:33:28 | 掛け軸
人間は欲を出すと碌なことにはならないようです。株にて儲けようと思うと値下がりし、為替で儲けようと思うと為替損をこうむり、ちょっとかっこよく見せようと思うとピエロになり、人生ままならぬものです。

とにかく自然体が良いようです。「桃栗8年・・・、我一生。」という武者小路実篤の言葉通り、いつになったら体得できるやら・・

鶏之図 その2 伝伊藤若冲筆
紙本水墨 まくり
画サイズ:縦1080*横500



「鶏之図 その1(再登場) 伊藤若沖筆」の続編です。



羽などの描き方の「筋目描き」と称されるところまで良く描けています。上部の蘭の描き方も洒脱です。



さて問題は印章です。

 


「藤女釣印」と「若冲居士」の組み合わせであり、「藤女釣印」印の四方に欠損がなく、また、「若冲居士」印の外周の右側にも欠損がない。これは両印章の最初期の状態であり、若冲が50歳前後の作品であるものと推察されますが、どうも若干印章に参考文献と違う部分があります。


参考作品:思文閣「和の美」第457号作品NO31 「鶏図」





印章は下の写真です。本作品との違いがわかるでしょうか?
 

この手の印章はときおりみかけます。しかもよく出来ている作品にあるようです。筋目描きまで取り込んでいますが、印章が違う以上は真作とは認められません。

伊藤若冲の投稿第一作目とも比較してみてもわかります。

しかし、よく描けています

程度の低い彩色画の若冲は贋作は作りやすいですので、こちらも要注意です。


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