
本日紹介する作品は木下孝則の作品中でもとくにお気に入りの作品です。日動画廊の取り扱いの作品ですが、木下孝則の画歴にも何度か登場する「室内婦人」の作品と推定しています。

お気に入りの作品 白い本を読む婦人(室内婦人)
木下孝則画 1957年(昭和32年) その33
日動画廊取り扱い 油彩額装 左上サイン 黄袋+タトウ
額サイズ:縦790*横690 画サイズ:縦606*横500 F12号

大きさも12号と少し大きめの作品です。

64歳頃の作品で最盛期の作品と思われます。女性の気品ある美しさが際立つ作品ですね。

画中のサインは下記のとおりです。

まずらしくネームプレートがありますが、個展以外へ出展された作品と推定されます。

シンワアートオークションや日動画廊のシールは下記の写真のとおりです。


日動画廊のシールから1957年(昭和32年)の作と解かります。

木下孝則の「室内婦人」の出展履歴は下記のとおりです。ただし同一作品かどうかは不明ですが、かなり出来の良い作品ですので、同一作品のように推定しています。
昭和30年 神奈川県立近代美術館で木下孝則自薦展を開き、34点を出品。
第17回一水会展「読書婦人」「婦人像」。
11月第11回日展に参事、審査員として「室内婦人」を出品。
昭和31年6月 木下孝則個展(上野松坂屋)9月
第18回一水会展に「M君像」「バレーダンサー」「室内婦人」を出品。
10月、第12回日展に参事、審査員として「読書」を出品。同年「諏訪奨氏像」「油壺」等を制作。

この当時の作品はキャンパス裏が無防備ですね。草土舎に依頼して裏面にボードを取り付けています。

タトウも段ボールタトウ(下記写真)から布タトウに替えています。

いつも繰り返しになりますが、取り扱い時に破損しないために額の作品には黄袋とタトウが必ず必要です。