腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

スーパーマリオ 3Dランド

2011年11月20日 22時58分24秒 | ニンテンドー3DSゲーム感想文
2011年もそろそろ残り少なくなってきたが……ことゲーム業界に限ると、今年はとにかく「ニンテンドー3DSに振り回された」一年だった。

まず2月末に発売日を迎えたものの、世間の期待度は発表時から明らかに下がっていて、重い空気が俺にも感じられた。
非常に強気な価格設定でありながら、ロンチタイトルは貧弱と言っていいレベルで、単純にハードを買う理由が見当たらない。
3Dの魅力は広告では伝わらず、それを除いたグラフィック性能はPSPと変わらないレベル。見栄えが、しない。
また外観が旧DSと殆ど変わらず、「DSのマイナーチェンジ」と見られがちな事も何気に大きいと思う。
任天堂の新ハードということで各地に行列が出来る程度の盛り上がりは見せたが、活況には程遠い船出だった。

で、それから僅か十日余りで、日本を東日本大震災が襲った。
あの阪神大震災を遥かに上回る死傷者を出し、原発事故の誘発により単純な自然災害でもなくなり、今もその爪痕は全く癒えていない。
こんな状況で世間に「任天堂の新ハードで遊ぶか」などという流れが訪れるわけもなく、3DSの売上は急降下カーブで止まった。
いや、震災はあくまで一因だろう。上に書いた本体価格やソフト不足など、他にも落ちる理由は多くあった。そして上がる理由は見当たらなかった。
3DSが売れないのは日本に限らず、世界中で同じだったことも、震災だけが原因ではないことを示している。
3DSの不評は民族性の壁を越えた世界的現象だったのだ。任天堂の戦略がどれだけダメだったのか、誰の目にも明らかである。
そのくせ岩田社長は強気の態度を崩さず、「社長が訊く」でも以前と変わらぬ態度で宮本氏らと対談を重ねていた。
任天堂が好調な時はそれでも良かったが、俺は「こんだけ醜態を晒しているくせに何をニヤけてんだ」と反感を抱いてしまった。
全力を尽くし、やるべきことをやっていても売れてないなら、それは仕方ない。この世に絶対なんてないんだから。
だが任天堂の3DS販売戦略にはそういった「熱意」が全く見られず、寧ろDSの大成功に胡坐をかいた慢心がチラつくばかりだった。
程なくしてハード週販台数はPSPやPS3にあっさり抜かれ、ソフトはワゴンにうずたかく積み上がられるという、発売数ヶ月で末期的状況に。
当然ながら任天堂の株価は止め処なく下がり、何と言うか会社の格が音を立てて崩れていくようだった。
ハッキリ言って3DSは任天堂に何も益をもたらさず、それどころか30年以上かけて築き上げた偉大なブランドを半年足らずでぶち壊してくれたように思う。


……が、ここで任天堂は思い切った手を打った。10000円の値下げである。
発売から半年も経たない時期に、10000円、40%もの大幅値下げ。ネットでは3DS所持者・非所持者を問わず、賛否両論が渦巻いた。
この件については、俺も否定寄りに色んな事を思い、ここでウダウダグダグダと書き連ねたりもした。ああそりゃもう、ネチネチとな。
だがこの決定は、任天堂が3DSに示して初めての「熱意」であることも確かだった。
こんな事をすれば世間の大批判を食らうのは火を見るより明らか。また当然利益は激減し、それどころか売れば赤字の状態に陥る。
しかしそれでも、値下げは必要だった。任天堂は、岩田社長はそう判断した。そして、自ら血を流す決断を下した。
この決定の後、岩田氏は盛大なバッシングを食らったが、それから決して逃げようとはしなかった。俺はこの点見事だと思う。
3DS立ち上げ大失敗の責任は、岩田氏にあると言っていい。だが氏はその責を正面から受け止めている。少なくとも今の所は。
オリンパスや大王製紙の社長会長と比べれば雲泥の差がある。まぁこれはアッチが屑過ぎるから比べるのは失礼かもしれんが。
今更何を言っても発売前からやり直す事はできない。ならここはゲーオタとして、昔からの任天堂ファンとして、今一度前を向こう。
どうせ俺は任天堂から離れられないんだしな。何があろうと付いていくだけさ。前向きなのか後ろ向きなのか分からん……。


で、そんな岩田氏が値下げ後に事あるごとに言及していたのが、「年末の大爆発」だった。
大幅値下げをしたことで、ハードはぐっと手頃な価格となった。値段で躊躇させる問題は概ね解決したと言っていい。
なら、次はソフトの充実だ。安いハードに魅力的なソフトが揃えば、自然にハードは売れる。同時にソフトが売れる。
それは更なるハード購入者を呼び、それが重ねてソフト購入者を作る。かつてDSで発生した理想的な循環、売上の大爆発。
つまり「年末にかけて必ず魅力溢れるソフトを揃える。値下げの批判は甘んじて受けるが、どうか年末を見て頂きたい」ということだ。
事実、自社だけでなくサードから「モンハン3G」を引っ張ってくるなど、任天堂は3DSソフトの充実に全力を注ぎ始めた。
結果はまだ分からないが、確かに現時点で用意でき得る最大限のソフトを自社他社問わず揃えたように見受けられる。
衝撃的値下げから、熱意は衰えないまま感じている。まだ信じられる。後は結果が伴うことを願うばかりだ……。



「スーパーマリオ 3Dランド」は、この「年末の大爆発」の起爆剤であると同時に、中核を為す役割を担った重要なタイトルである。
マリオと言えば、誰もが知ってる任天堂の顔キャラ。
そのマリオの正統シリーズ最新作、3DS版である。この大事な仕事をこなせるのは今作しかない。
かつてDSの「NEWスーパーマリオブラザーズ」が尋常でない超ヒットを飛ばし、
ただでさえ絶好調だったDSを無敵状態にした経験からも、期待は非常に大きい。
11月3日、任天堂の社運をかけた「年末」が始まった。その先鋒でありマリオの最新作、俺にプレーしない理由はない。
やるさ。俺にとっても、ここが3DSの新たなスタートだ。



今作はタイトルが示す通り、所謂「3Dマリオ」である。64時代に登場し、以後正統マリオであり続けた3Dマリオシリーズ最新作だ。
3Dマリオは総じて評価が高く、実際無茶苦茶面白い。俺自身も大好きだ。
イラ付くことも多いのだが、それも面白さの一部になってると言うか。
Wiiにおける「スーパーマリオギャラクシー」2本は、ライト層寄りになったと言われる近年の任天堂ソフトにおいて、
「ゲーム」の意地を見せ付けた快作・秀作・傑作であると断言する。あらゆる面でハイレベルで、とことん面白い。
今作はそんな3Dマリオの最新作である。これが面白くないはずがない。3Dマリオのファンとして安心して購入できる作品だ。

……だが、3Dマリオが極めて高品質である事に異論の余地はないものの、
旧来の2Dマリオと似て非なるゲーム性は、長年任天堂の課題だった。
2Dであれば、足場に飛び乗るのも敵を踏み潰すのも、横軸だけを気にしていればいい。誰にでも分かり易く、慣れ易い。
しかし3Dは文字通り3次元空間であり、ジャンプも360度方向に可能になる。
これで軸を合わせて思い通りに飛ぶことは容易ではない。
ハッキリ言えば、3Dマリオは難しいのだ。
これは単純な難度の話ではなく、ゲームシステムの根本に慣れ親しむことが難しいのである。
面白いというのは極端な話当たり前で、「万人向け」を実現するには「分かり易さ」が必要なのだ。
そしてそれは簡単なようでとても難しい。
3Dマリオが面白い事は断言できるが、親しみ易さが2Dと比べて大きく劣っていることもまた動かし難い事実なのだ。
任天堂もこの点は重々承知し、特にマリギャラシリーズでは散々対策をしていた。導入解説のおまけDVDを同梱までしていた。
しかし、これらの取り組みは結果的にあまり上手く行っていないのだろう。
2Dと3Dのマリオファンはますます乖離していき、近年の重要課題となっていたようである。


今作は、その課題を克服し、「2Dマリオと3Dマリオの架け橋」となることを念頭に製作されたらしい。
作りは3Dだが、プレー感覚はとことん2Dを意識し、言わば「2.5次元」。
2Dマリオファンは3Dを敬遠しており、事実売上は3Dが2Dに比べて大幅に劣っていて、その出来栄えが数字に反映されていない。
ここで2Dマリオファンを3Dに呼び込むことが出来れば、今作に限らず将来的にも大きな収穫になる。
同じマリオなのは確かだから、2Dマリオファンを3Dに誘うことは決して不可能ではないはずだ。
そしてそれを実現できれば、マリオは更なる飛躍・大爆発を遂げられる。3Dマリオには大きな可能性が眠っているのである。
今作は3DSの命運だけでなく、こんな重大使命も背負わされているのである。とことん重要な一本だな……。


さてプレーを始めると、操作感覚はやはり3Dマリオのそれだった。
3Dマリオは難しいと書いたが、俺自身は3Dも2Dも等しく遊んでいるので、導入で困惑する事はまるでなかった。
寧ろもう少し新鮮味が欲しかったかもしれん。モーションはちゃんと作り直したのかな……。
2Dへの配慮で、Bダッシュ(今はボタンが違うがしきたりに従う)が復活した。
自動で助走が付かないので、使い分けないといけない。
だが今作のダッシュは加速が小さく、ノーマル走りとの差が見た目で分かり辛い。2Dと同じ感覚ではプレーできないと思う。
もっと最高速度を上げて欲しかったが、調整上難しいのかなぁ。2Dマリオの疾走感は残念ながら感じられなかった。
またマリギャラにあったスピンアタックは削除され、代わりにパワーアップ状態が概ね永続するようになった。
つまりノーマル状態だとマリギャラより弱いが、しっぽやファイアマリオになると非常に楽になる作りというわけだ。
パワーアップは頻繁に出来るので、総合的には強く楽になってると思う。その分チビマリオにまで落ちると寂しい事この上ないが。
ダメージのライフ制も撤廃され、2Dマリオのパワーダウンルールが採用された。これはどっちが良いとも決め難いな。
操作性は別に悪くないが、リモコン+ヌンチャクのWiiスタイルと比べると、やはり携帯機でアクションはやり難いと感じる。
俺はDSを持つ際、常時人差し指をLボタンに添えているので、今作ではこのボタンを暴発させてしまう事が多かった。


いよいよステージ攻略開始。ワールドが1~8まであり、各ワールドに6ステージが用意されている。
基本的にステージを飛ばして進む事はできず、攻略は順繰りにやっていく必要がある。
旧3Dマリオで用意されていた物語性はほぼ排除され、いきなりピーチ姫が攫われたので助けに行く、とこれだけである。
まぁマリオにそんなもん要らんというのも分かるので、これはこれでいいだろう。
それにしても、マリオが助けに来ればマリオと、ルイージが来ればルイージと手を取り合って踊り、
姫様抱っこでのほほんと助けられていくピーチさんは一体何なんだろう。実はとんでもないビッチさんなんじゃないか?
助けてもらうのはどちらでもいいとして、恋人はマリオ固定だとそろそろ宣言しておかないと色々不味いと思う。
マリオとルイージが不仲なのは実はこの女の存在が原因ではなかろうか。まぁ不仲説は俺の妄想だけどさ。



ゲーム内容を結論から言うと、「宣伝文句に偽りなし」である。
システムは完全に3Dだが、プレー感覚やフィールドの作りは2Dに近く、そう作ってあることをひしひしと感じた。
俺自身は3Dにも慣れているので、これが3Dに不慣れな人に優しい作りなのかどうかは、正直判断できない。
だがそこに配慮をしていることは強く感じた。マリギャラでも強く感じたが、今作ではこれを「最重要課題」にまで格上げしていたと思う。


そしてそんな2.5次元の新たなるマリオは……やっぱり、とても面白いな。この一言に尽きる。さすがだよ。
元々3Dマリオには「多彩なネタで楽しませる」という要素が濃かった。フィールドの作りやギミックのアイデアが面白かったのである。
今作はそこを継承し、どのステージもネタに溢れた面白いものが揃っている。マリギャラ2でも驚かされたが、今回も同レベルの濃さだった。
それでいて、作りは2.5次元。3Dマリオ初体験の人には、今作のネタまたネタのステージはおもちゃ箱のようで非常に楽しめることと思う。
ゲームのコンセプトと内容がガッチリ噛み合っている。レベルの高い仕事だ。素晴らしい。これぞ俺の好きな任天堂である。


でも俺個人の感想は……まぁ「普通に面白かった」だな。極上の楽しさは正直得られなかった。
上に書いたように、2.5次元のコンセプトを除けば、今作は概ねマリギャラ2の方向性で作られていると感じる。
確かにネタ満載でどのステージも楽しめるが、それもマリギャラの延長線上にある楽しさだった。「マリギャラ2.5」て感じだろうか。
作品自体にかかっている重圧は異常に大きいが、俺にとっては良くも悪くも「いつもの3Dマリオ」だったように思う。
まぁ、何度も書くように今作は2.5次元を目指し、2Dマリオファンを3Dに連れて来るのが目的で作られた作品である。
どんなマリオもどんとオッケーな俺はある意味訴求対象ではないのだ。それは言い過ぎか。
良作である事は間違いない。面白かったよ、とても。でも、サイコーと並べ連ねるほどではなかった。うーん。



このやや消化不良な感想は、今作の難度が全体的に低めであることが原因の一つだ。
ネットの方々で言われている通り、今作は旧3Dマリオに比べて全体的に簡単だ。
理由はもちろん、初心者への配慮である。2Dマリオファンを3Dに引っ張ってくるには、旧来の難度では難しすぎる。
だから作りを2.5次元にするのは当然として、更に難度を下げ、「誰にでも遊べる」を目指す。
序盤をプレーするだけで、そんな製作者の意図が読み取れた。3Dマリオどころか「ニューマリオWii」と比べても易しかった。
大マリオからスタートしたり、ちび状態から木の葉やフラワーを取ると一気に最強になれるのも、昔にはなかった甘い処置である。
唯一、溶岩に落ちると即ミスなのは妙に厳しいと思った。ダメージ扱いでいいと思うんだが……。


また近年の任天堂ソフト恒例の過剰なお助け要素も健在だ。いや寧ろパワーアップし、歴代最高の「おもてなし」を施してくれる。
5回ミスすれば、無敵このは登場。無敵である。落下死しなければ負ける要素ないんで。スーパーマリオ3Dランド。
10回ミスすれば、パタパタの羽登場。取ればゴールまでひとっ飛び。最早ゲームの要素ないんで。スーパーマリオ3Dランド。
俺には狂気の沙汰としか思えないんだが、これは任天堂が自信を持って示す「万人向け」の対応であるらしい。
これがスーパーマリオ3Dランド。新たなマリオの出発点となるべく生まれた作品。


マリオに限らず、アクションゲームというものは、いやテレビゲームというものは、「失敗してナンボ」のものではないのか。
ミスしてミスしてミスして、学んで知って経験積んで、とうとうクリアーした時の達成感と喜び。一番原始的なゲームの面白さ。
なのに何故、自らこれを否定するのか。ゴール前にひとっ飛び? じゃあ端からコースなんて用意するなよ。OPEDだけで売りやがれ。
岩田氏はスーパーマリオを「体育会系ゲーム」と呼んでいる。まさに俺が思うマリオとぴったりだ。
ただ、何度も死んでやり直すのは辛いものだから、死に様をデフォルメするなどの配慮をし、再挑戦の気持ちを削り取らないようにする。
岩田氏曰く「にっこり笑って、さあもう一回」である。素晴らしい考えである。全面的に同意する。
……なのに、何故なんだ。何故無敵このはなんだ。何故パタパタの羽なんだ。それがゲームなのか。それが面白いのか。
言ってることとやってることがまるで違う。こうまでするのが初心者への配慮なのか。こうまでしないと初心者は去っていくのか。
だったらそんな初心者とやらなぞ捨て置け、と言うのは、俺が単なるいちユーザーに過ぎないからなのだろう。向こうは商売なのだ。
だが、それならそれで、この腐れ配慮が「体育会系ゲーム」の愛好者をどれだけ不快にしているかを分かっているのか。
こんなのは配慮じゃない。最早介護だ。ゆとり仕様? 痴呆仕様とでも呼べ。暴言? 知るかボケ。
使わなきゃいいって話じゃない。存在するだけで不快なのだ。どうしてもやりたいなら、設定で可否できるようにしやがれ。
ちなみに無敵このはを一回でも出現させると、セーブデータの☆が光らなくなり、ダメプレーヤーの烙印を押される。
今作ではたった5回連続ミスしただけで無敵このはが登場する。終盤のステージでは5回の死なんてあっさり到達してしまうのに。
ホント、初心者以外への配慮は一切無駄と言われてるかのようだ。非常に気に入らない。不愉快だ。



俺はマリオの美点の一つに「難度設定がないこと」があると思っていた。
イージーノーマルハードといったゲーム前のモード選択がなく、誰もが同じゲームに挑み、同じゲームを遊ぶ。
それでいて、誰もが楽しめる。まさに万人向け。昔はどのゲームもそうだったが、現在でもこれを貫き通すのは凄いことだと。
……が、最近のマリオにも確かに難度設定は無いが、ある意味ベリーイージーより酷い仕様を搭載している。かつての面影は皆無だ。
ここんとこの任天堂は業績が急落しているが、古くからのファンとして、ゲーム開発力までが落ちているとはまだ思いたくない。
だが、昔のような「真の万人向け」ゲームを作ることはもう不可能なのだろう。今作でそれを痛感した。
不愉快極まる初心者様への土下座方針は、もう任天堂の社是となっているのだ。言い過ぎとは思わない。
強制されてない分、避ける方法はある。なら目に入ることは我慢し、避けていくしかない。
今作では無敵このはもパタパタの羽も当然使わなかった。出現を避けることまではしなかったが、ガン無視を決め込んだ。
嫌な事からは目を逸らす。人生の鉄則である。俺も大人になったってことか。はぁ……。



難度が下がったのは間違いないが、終盤に向かうとそれなりに難しくなり、鼻歌交じりにやれるほどではない。
皆大好き「にんしんゲーム天国」のにんしんさんが相当失望してたが、彼は非常にゲームが上手いのだと思う。
俺のレベルでは、マリギャラよりは楽だが、苦戦する所は苦戦した。それでももう少し歯応えが欲しかったが……。
ただ今作の難しさは殆どが「スターメダルの収集」にあるので、これを無視してクリアーだけを目指すならもっと楽になるだろう。
スターメダルは各ステージに三つ用意されているお馴染みの収集要素で、俺も今作をプレーする以上、完全収集を目標に進めた。
終盤はかなり嫌らしい場所に設置してあることもあり、取りに行って死ぬ事も多い。だがそれが、面白いのだ。
ちなみに一番探索に苦労したのは、表2-2の3枚目だな。3日くらいかかってしまった。
スターメダルは基本ステージで収集することになるが、おまけのエキストラステージでも数十枚入手可能なので、
ステージで何枚か諦めても全面に挑戦する事は可能である。メダル全収集をしても、名誉だけで実利はない。
この点も随分甘いと言うか、中途半端だと思う。せめて最終ステージは、ステージメダル制覇を挑戦条件にしてほしかった。


今作はクリア条件が「ポールに掴まる」と2Dマリオに準拠したものになっている。もちろんこれも配慮の一つだ。
だが、3Dマリオでもマリギャラからは「探索」要素をほぼ排除し、ステージを進んでいけば最後にスターが置いてある作りになっていた。
つまりポールと実質は殆ど変わらない。これは別に変更点と呼ぶほどではないと思う。面白いとも思わないし。
またクッパとの対決法も、「倒す」ではなく「溶岩に落とす」と2D準拠のシステムになっている。
個人的には倒す方が好きなので、これでは対決が盛り上がらないなーと思っていたが、実際は割と迫力があって燃えた。
特に最終対決ではゾンビのように追ってくるクッパとの鬼ごっこにかなりドキドキワクワクした。ありゃ楽しかった。
見せ方の勝利だった。今作での2D配慮で唯一大いに気に入った点である。


ゲームはEDを迎えると、スペシャルステージ、裏面に挑戦できるようになる。
これは概ね表ステージのアレンジで、数も表と同じだけ用意されている。
ただし、難度は大幅アップし、表と違っていくらミスしてもお助けアイテムが登場することはない。
今作の難度に不満だったプレーヤーには、ようやく歯応えを感じられることだろう。それでもマリギャラほどではないが。

スペシャルステージでも表と同様、ステージクリアーよりスターコイン収集の方に苦労させられる。
表より更に嫌らしい場所に設置され、ステージ難度が上がった事もあり、終盤はマリギャラを思い出す必死さでやった。
ただステージが基本的に表のアレンジで、「ネタ」の面白さが消えてしまっているので、やや退屈だったかもしれない。
表は面白さ、裏は難しさってとこだろうか。別に裏の作りが手抜きってわけでもないんだけどな。

裏を少し進めると、ルイージが使用可能になる。ルイージはいつも通り、マリオより滑り易いがジャンプが高いという性能になっている。
ジャンプの高さはポール最上段に掴まる際にとても役立つので、これを達成するのはルイージの方が向いている。
まぁ所詮マリオのマイナーチェンジなので、新たな楽しみが出来るというほどではないが。


表と裏のステージを全てクリアーし、スターコインを全て収集。俺はここで今作を完全クリアーしたと思った。
だが、クリアしたのでネットを解禁した所、「全ステージをマリオルイージ両方でクリア&ポール最上段」の達成が、
真の最終ステージ出現条件であることが判明。ほぼマリオだけでゲームをしていたので、ルイージでやり直すはめになった。
この条件は……まぁマリギャラ2ほど理不尽ではないが、自力ではなかなか気付き難いと思う。
表裏を全部やるほどのプレーヤーには、その存在くらい教えてくれてもいいだろうに。何故こんなに隠すのだろう。はぁ。
ルイージで再度クリアーしていくのは面倒だったが、スターコインを無視できるので、難度は格段に低かった。
今作は単純にステージだけを見ると、やはりかなり簡単なゲームなんだなぁ。

で、真の最終ステージこと王冠ステージは……スターコインは無いものの他と比べて長く、非常に難度が高い。
何十体ものマリオをあっという間に谷底に落下させてしまい、さすがに最後だけあって本気だなと思った。
やっぱゲームはこうでないといかん。全部これでも困るが、要所要所はこうでないと。
最後の最後で、俺のような腐れゲーオタにもちょびっとだけ媚びてくれる。だから俺は任天堂から離れられない。
やれやれである。うへへ、マリオ大好き。


王冠ステージは糞難しいが、途中からは開発者からのメッセージがステージに描かれるなど、最後のお祭りの様相を示す。
そしてラストポールの天辺に掴まって……スーパーマリオ3Dランド、クリアーナリ。後にルイージでも達成し、完全クリアーナリ。
なんだかんだあったが、発売から2週間ほど、楽しめたよ。買ってよかったと思う。
少し疲れたらスリープで休憩し、10分後にすぐ続きから開始する……こんな遊び方は携帯機ならではだった。
書き忘れたが、ステージはどれも非常にコンパクトで、大体2~3分でクリアーできるようになっている。
携帯機としての作りはバッチリだと思う。今作はそういった配慮は本当に素晴らしい。



グラフィックや音楽は……どうなんだろうな。不満はないが、褒める気もしなかった。
3DS最大の特長・立体視に関しては、最大限活用してあり、序盤から迫力あるシーンの連続だった。
特に「高い所から落ちる~~」といった演出は見事で、「おおっ!」と良質の叫び声を挙げさせられること多数。
ようやく、ようやく、ようやく、ニンテンドー3DSらしいソフトが現れたと言えるだろう。
ようやく、ようやく、ようやく、ようやく、である。本来ならハード発売と同時にこのレベルの作品が必要だったのだ。
嗚呼、嬉しいはずなのに悲しい。もうあの頃には戻れないんだなぁ。


……ただ、今作の見事な3D機能活用も、結局は「演出」に関してだけだった。ゲーム性に影響を与えていたわけではない。
実際、今作は3Dボリュームをゼロにしても、つまり3D機能を使わずとも普通に遊ぶことができる。もちろん迫力は激減するが。
俺はニンテンドー3DSの3D機能は、演出は元より「ゲーム性」の為に採用されたとずっと信じていた。
そして今作こそがそれを見せてくれる、と。これぞ3Dゲームのお手本だ! とばかりにぶち上げてくれるもんだと。
今回で、もうすっぱり諦めた。諦めさせられた。3D機能でゲームは広がらない。迫力は増しても、新たなゲーム性は生まれない。
まぁ何と言うか、俺は「3D機能を活かしたゲーム」を、ずっと所謂「ホログラム」のようなもんだと想像していた。
ホログラムならこちらの視点により絵が変わるから、ちょっと考えるだけで様々なネタが思いつく。ゲームが幾らでも広がる。
だが3DSの3D機能は「ただ飛び出して見える」だけである。横から見たりしたら、絵が変わるどころかブレまくる。
どうやら根本的に何か思い違いをしていたようだ。今更何を言ってんだと自分でも思うが、今更気付いたんだ。ごめんなさい。
しかしそうなると、やはり任天堂が3DSを発売した事に改めて強い疑問を抱いてしまった。
任天堂よ、岩田社長よ、宮本氏よ、あなた方は3DSで一体何をやりたかったんですか?
3D演出をやりたかったんですか? 新たな見せ方を追及したかったんですか?
確かに今作は3D機能と相性が良い。それは分かる。でもさ、ちょっと違うんではないか?
嗚呼、今更だなぁ。もう引き返せない。はぁ……。




今作は初週で30数万本を売り、2週目もまずまず。年末に向けて順調なスタートを切ったと言っていいだろう。
だが俺は、もちろん年末の売上にも注目するが、今作の売れ方に本当に求められているのは「ジワ売れ」だと思う。
任天堂ソフト最大の特長であり美徳であるジワ売れは、そのソフトの価値を保つだけでなく、ハード普及にも大変効果がある。
ジワ売れ作品の存在は新規ハードユーザーが増えている証拠、つまりそのハードの市場が生きている証なのだ。
DSでもWiiでも、いやもっと過去の任天堂ハードでも、任天堂ジワ売れソフトは大黒柱として活躍してきた。
3DS市場を安泰なものにする為には、ジワ売れソフトを生み出すことが何より急務である。
今作と、もうすぐ発売される「マリオカート7」にはこの役割を強く期待していると、先日岩田氏がどこかで語っていた。
俺もそうあるべきだと思う。そしてその存在感は十分にあると思う。現時点での売上はどうでもいい。100万本弱がラインか。
だが半年後も一年後も、売上ランキングの20位くらいにずっとい続けて欲しい。今作でそれで出来なきゃ、3DSは……!!


しかしそれを実現するのは大変である。なんでって、今作は3Dマリオだからだ。
3Dマリオが2Dと比べて売上で大きく劣るのは、もう数字でハッキリしている。総数でも、ジワ売れ度でもだ。
国内マリギャラシリーズはどちらも100万本でピッタリ止まっている。
400万本を軽く超え、今もジワ売れを続けているニューマリWiiとは比較にならない。
だからこそ、今作のコンセプト、「2Dと3Dマリオの架け橋」の実現が非常に非常に大事なのだ。
このコンセプトが世間に受け入れられ、今作が2Dマリオと同じレベルで認識されれば、ジワ売れなんて放っておいても発生する。
ゲーム内容に問題はない。3DSを活かし、面白い。難度も抑えてある。後は、2Dマリオファンの牽引、これだけなのだ。
濃いマリオファンの俺には、これの正否は正直読めない。まぁ俺に限らず、誰にも読めないだろうが。
年末年始を終え、3DSが取り敢えずの結果を出した時、今作の売上はどうなっているか……。
見詰めるのが恐い気もするが、逃げるわけにはいかない。スーパーマリオの明るい未来を信じるばかりだ。



じゃあ今後のマリオはどうなるんだろう。
取り敢えずWii Uでニューマリの最新作が発表されている。こちらはもちろん2Dマリオである。
だが現時点では「Miiをプレーヤーキャラに出来ます」という心底しょーもない点しか新要素はなく、興味が湧かない。
マリオ新作だから気合を入れて作ってるのは間違いないだろうが……ニューマリと大して変わらないレベルじゃ出す意義ないぞ。
そして3Dマリオはどうなるか。これは、今作の受け入れられ方によって作風を変えてくると予想する。
2.5次元のコンセプトが受け入れられれば、それを継続する。出来なかったら、もう別物とすっぱり割り切るかもしれない。
それとも今作が失敗に終わったら、次回作で更に配慮を増やして再挑戦するかもなぁ。この可能性が一番高いか……。
いずれにせよ「どっちのマリオも好きだよ」な人は二の次だろう。これはもう任天堂の方針だ。分かってる、分かってるさ。
それでも俺はゲームが任天堂が、マリオが好きなんだ。我がゲー道の原点を、これからも見つめ続けるだけさ。


今任天堂は社運をかけた戦いを繰り広げているが、俺は色んな意味でそれにあまり関係がない。
俺は俺で俺の日常を頑張って守りながら、ゲームをやる余裕を保ち続けるようにするか。それが任天堂にとっても一番いいだろう。
年末、売れてよ。売れてよマジで。アンバサダーたる俺に報いろよ。
グダグダ文句を言いつつも、任天堂の絶対的なソフト品質に安心と信頼を抱いていたあの頃。
あの輝きを取り戻す為の戦いが始まった。いざ飛べ、マリオよ!!
……なんてな。はぁ。












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9 コメント

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Unknown (ota)
2011-12-15 22:47:29
おお、気張ってください。


アンバサダーGBA、来ましたね。
正直予想より豪華なラインナップで驚きました。まさかゼルダぼうしがあるとは……。
GBAの方は後日の有料配信なし、つまり完全にアンバサダーのみの特権です。
値下げ後に買ったユーザーは7億円払ってもプレーできないのです。そう考える優越感ありますねうひひ。
ただスリープ不可能は個人的に非常に痛い。携帯機では2秒で開始終了するのにすっかり慣れているので……。

ドコモが新たな通信プランを発表したようですね。
安いとは言え有料である以上、何より面白いコンテンツを用意してほしいものです。
結局全てはそれですからね。さぁあと二日、何が出るかな。
返信する
Unknown (ジコ)
2011-12-15 12:07:03
22日に最終面接があります!

アンバサダー来ましたね。
なかなかのラインナップで感激してます
やりたくてもやれなかったソフトが結構集まってくれましたw

明日はビータを待ちつつ3DSを楽しもうと思います

そう言えばビータの通信プランで千円くらいのコースが出ましたね
128でどのくらい遊べるのかわかりませんが…w
返信する
Unknown (ota)
2011-12-11 01:24:14
むぅ。ホント就活頑張って下さい。
日常があってこそ娯楽も楽しめるものですからね。

VITAメモカは、今更これ専用の品を買わせるだけでも不親切なのに、品薄にまでするとは話になりませんね。
本体の品薄はまぁ戦略としてもアリかと思いますが、これは擁護の余地ないです。
ただ随時出荷されていくでしょうから、のんびり買える機会を待てばいいのではないでしょうか。

3DSの体験版、やっと始動しましたね。これまた遅すぎる。今まで何をやっていたんだか。
俺も全部落として色々やってみます。そろそろSDカードの容量が足りなくなってきたな……。

アンバサダーGBAソフト、遅いですねぇ。本当に今年中に実施されるのか。
値下げに対する最後の誠意なんだから、キッチリ有限実行で示してほしいものです。
返信する
Unknown (ジコ)
2011-12-10 09:33:50
お祈りメールは何度も見てますww
なので平気ですよw


メモカ32買えず16とかで妥協出来ません…メモカなしで当日ゲーム楽しめるかどうか…wゲームのデータをパソコンとかに移動出来ればいいんですが、どうなるか不安です。容量いっぱいだから、どれかを消す(捨てる)なんて事はしたくないですね。

まぁ対策はされてるかもですが調べてないのでわかりません…w


体験版たくさん出てますよね~クッキングママとかww
とりあえず全部おとしましたw

ヤッパリ目玉はモンハンですよね~


ていうか自分はアンバサダーをどうにかして欲しいですww もう中旬なのに…
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Unknown (ota)
2011-12-08 00:36:50
>>ジコさん
お久しぶりです。
おお、就職活動中ですか。良い結果をお祈りしております。
……て就活中にこの文面は禁句か。すんません。

マリオ3Dランドは、携帯機ってことでステージは短めでしたね。昔のマリオらしいと言えばらしいです。
普通にプレーしていれば、どんな上手い人でも5回死なずにコンプは不可能だと思います。
意味不明な調整でした。


VITAはその後割と楽に予約できるようになりましたね。いいことです。
メモカの品薄はハッキリ言って話になりませんね。必須の周辺機器を買えなくてどうするってんだ。
俺は最初は見送りますが、いよいよ登場する最強性能の携帯ゲーム機が何を見せてくれるのか楽しみですね。



>>S・Rさん
うお、モンハン体験版もう配信されてるんですか!
本体の更新だけで喜んでました。今日は3DSな日だな……。
ガノトトスとは是非バトってみたかったので、個人的にとても嬉しい体験版です。
奴にゃ2ndGで散々ボコされたんで、借りを返してやらねば……。


おっしゃる通り、飛び出しを多用しないのは疲れ目への配慮だと思います。
ただ奥行きだけでは正直もう驚けないんですよね。今年1年だけですっかり慣れちまいました。
この辺のバランス感覚はメーカーにもっともっと研究していってほしいですね。
3D機能に新たなゲーム性は望めないとしても、演出や見せ方にはまだまだ未知の領域があると信じたいものです。
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Unknown (S・R)
2011-12-07 21:54:13
モンハン体験版おもしれえww
敵に近づいてボウガンの主観モードにすると飛び出しますぜ。
水に入って壁際によってキャラをカメラに近づけても飛び出し感あります。
まあ一番飛び出すのは起動時のカプコンロゴですが。

正直飛び出すのって目が疲れますから、ここぞと言う時にしか使いたくないでしょうね。メーカー的には。
まあ飛び出てるのをジーっと見てると普段使ってない目の筋肉使ってる感じがして気持ちいいんですけどw
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Unknown (ジコ)
2011-12-07 20:01:10
お久しぶりです。
就活などしててちょっと書き込みができませんでした。

マリオ3DS自分も買いました!
ギャラクシーも自分はプレイしていたので案外簡単だった印象がありました。一つのステージのボリュームが小さい感じがしたって感じです。

メダルを3つを最初から取っていくことを努めていて最初のクリアでフルコンプ!というのを目指しておりました。

そのためにも、取り忘れたらわざと死ぬみたいな感じで進めていたのですが・・・


どうしてもメダルが見つからないステージってやっぱりありますよね。

そこで攻略サイトを見たんです。

5回死ぬと☆が光りません




フルコンプは途絶えました(´・ω・`)





PSVitaが最予約された時に自分は予約出来ました!
ただ、メモリカードは買うことは出来ませんでした…。


ロンチははっきり言って微妙ですが3DS同様気長に待つとしますw
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Unknown (ota)
2011-11-22 02:00:55
ホログラムは無いですかね。3DSの一報を聞いた時は真っ先にこれを想像したんですが。
実際は「飛び出す」ですらなく「奥行き」でしたから、尚更ガッカリでした。
飛び出すの方向性は3DSでも可能だと思うんですが、作り難いのかなぁ。

立体視は演出的には良かったものの、確かに踏み易さなどへの効果は薄かったですね。
3Dマリオを避ける人の気持ちは正直俺には分からないので、任天堂のやり方が正しいのかどうかも分かりません。
成功を祈る、としか。
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Unknown (S・R)
2011-11-22 00:23:57
さすがにホログラムはないですわwww
それは後15年くらい待った方がいいかも。マジで。
色々やるゲームが多すぎてルイージ出したところで止まりましたけど、演出は良かったですね。しばらく2Dで遊んでから3Dにするとぐわっと広がる感じ。まあ予想通り敵が踏みやすくなるとかブロック叩きやすくなるとかはイマイチでしたけど。
いつまでも3Dマリオが受け入れられないのはまあジャンルの違いを差し引いても、地球人類がまさしくオールドタイプってことなんでしょうな。もっと自由に歩き回りたいからちょっと残念なんですけどね。
でもそれもまた演出でどうにかなるはずです。実際今度のゼルダはトワプリより一本道(というかそれこそマリギャラに近い)なのにちゃんと楽しいし。
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