腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ASH ―アルカイック シールド ヒート―

2008年05月30日 00時25分38秒 | ニンテンドーDSゲーム感想文
10年ほど前、ネット上でのFF(映画含む)やパラサイトイブの論評では、
侮蔑的表現として「ヒゲのオナニー」という言い回しがよく使われていた。
そんなに頻繁に使われていたかどうかは定かではないが、
実に印象的なフレーズであった。
が、映画FFはともかく、商業的には大きな成功を収めていた坂口ゲームの数々、
そんなのは所詮一部の人間だけが使うやっかみ表現に過ぎなかった。

で。
ASHをプレーして、クリアーして。
個人的に初めて、「あの言葉」がしっくりくるなぁと感じてしまったのであった。
卑猥だから二度は書かないでおこう。


世間的には大値崩れである意味有名。
任天堂DSゲーの常識を覆す定価は5800円と高額なのに、
発売後怒涛の勢いで値崩れ、今ではどこでも新品1000円以下で売っている。
それでも新品中古ともに一向にはける気配がない。
値崩れ=糞ゲ ではないが、ここまで来るとさすがに警戒心が働くというものだろう。

でも値崩れ大好きな俺がこのゲームを買わないわけがないので、
中古980円で売ってた時にゲットしておいた。
この辺が底値だと思っていたのに、更に下がるとは。読みが甘かった。
ちなみに前所有者はゲーム開始30分で見限った模様。マジで。
ちゃっかりクラニンポイント紙が抜かれていたのは残念だった。

ふぅ。

散々言われていることだが、操作性は非常に悪い。
シミュレーションRPGなのに、ほぼ全ての操作をタッチペンのみでする。
別にタッチペンを使うなと言ってるわけではない。
だが十字キーやボタンを使わせない理由がどこにあるのか。
単純に併用すればいい。余裕があれば、2種類の操作法を用意すればいい。
このゲームは完全に「タッチペンだけしか使わせない」という
歪んだ拘りを持って作られている。そう解釈するしかないほど操作性は悪い。
恐らくDSだから、他のゲームはやっていないから、という理由なのだろう。
ユーザーの利便性など知ったこっちゃない。
まさにオナニーである。

大きな売りであるムービーは、確かに非常に美しい。
だが液晶は所詮DSであり、見た目には初代PSレベルがそこそこ。
「DSだから」という色眼鏡を通さなければそう大したものではない。
これがゲームの面白さに大きく貢献しているならまだしも、
ムービーはムービー、物語の途中に挟まれるたまのオマケでしかない。
製作者が、腐るほどあるゲームの欠点を直さず、ただこのムービーの
質を上げようと努力していたのだとしたら……まさにオナニーである。


明確にオナニーだと感じる部分が多いわけではないが、
とにかく全体的に、ユーザー側の視点にはまるで立っていない、
立つ気など更々ないという製作側の強い意志だけはビンビン感じた。
その姿勢が必ずしも悪いとは言わない。寧ろある程度は必要だ。
また、それで面白ければ問題ない。要は結果なのだ。出来上がった作品なのだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
オナニーを貫いておきながら、出来上がった作品の質がダメなら?
そりゃ叩かれても仕方なかろう。
はぁ。



悪い操作性に関しては、「新鮮さを追求した」と無理に解釈すれば我慢できた。
慣れればさほど苦にならんしね。もちろん慣れても「良好」では絶対にないが。
しかしテンポの悪さ、ゲームバランスなどには最後まで我慢ならなかった。

このゲームで一番悪い所は、操作性ではなくテンポだと思う。
ちなみに、それを実感できるのはゲーム中盤以降だ。序盤はさほど印象悪くない。
だから値崩れで購入したユーザーの多くは「意外と悪くない」という感想を抱く。
だがそれはあくまで序盤だ。進めていけば、分かってくる。
敵との戦闘の際には、敵味方ともに攻撃時にアニメーションが挟まれる。
アニメーションの質はムービーと同様に高い。だがこれが飛ばせないのだ。
最後の最後まで、同じモーションを延々と見続けなければならないのである。
敵の少ない序盤ならまだいい。
が、連戦に次ぐ連戦状態となる中盤以降、このアニメーションがどれほどうざったいか。
ユーザーのことを考えれば、絶対に、どう考えても、アニメオフ機能をつけるべきである。
だが比類なきFFの生みの親にはそんな思考は全く無いようである。

アニメのうざったさと並んでゲームのテンポを最悪にしているのが、バランスだ。
数値的な意味ではなく、敵キャラ配置のバランスと言うべきか。
数が多い。終盤はとにかく糞多い。当然、戦闘回数は増える。アニメも増える。
自分から仕掛けた戦闘だけではない。
このゲームは敵から戦闘を仕掛けられた場合、一方的に攻撃を受けることになる。
その際にもご丁寧にアニメーションしてくれるのだ。もうどれだけうざったいか。

SRPGと言えば敵の増援は当たり前だが、このゲームはそれも最悪だ。
本当に最悪だ。
砦や拠点といった「出てきそうな」箇所ではなく、どこからでも、脈絡なく現れる。
その配置には製作側のセンスなどまるで感じられない。非常に汚い。醜い。
出てくる条件も酷い。「敵を全滅させる」というミッションなのに、
全滅させると直後に増援が出てくるのだ。
既存の敵を倒した時点で消耗しきっていれば、対処のしようもなく、
増援のターンで袋叩きにされてしまう。
ある程度出現場所が読めるならまだいいが、奴等は神出鬼没である。
後半はもう増援増援また増援、ステージ進んでまた増援!!
ゲームのテンポがあまりに悪く、物語に浸る心の余裕など全くなかった。


敵の思考ルーチンのアホさが、更にうざったさを加速させる。
こちらを殺そうという意志が希薄で、夢遊病者のようにフィールドを
歩き回る雑魚キャラの数々。
敵の数が多く、突然の増援もあり、本来なら緊張感があるはずのフィールド
なんだが、実際はグダグダの空気が漂う最低の戦場である。
ああもう書くのも嫌になってきた。


とにかくテンポが悪い。敵の配置センスが最悪である。
操作性と違い、この2点は擁護の余地が全くない。
値崩れも当然、定価で買ったら噴飯ものだろう。
ヒゲさんは自信を持って送り出したこのゲームをきちんと通しでプレーしたのだろうか。
みっちりテストプレーをしても何も思わなかったのなら、そのセンスに失望する。
上辺だけ見て完成品をちゃんと見ていなかったとしたら……その根性に絶望する。
いずれにしても、これはないわ。本当に。


他。
音楽は普通。良くはないが悪くもない。
メインテーマはまぁまぁだったかな。

物語は、ヒゲさんのメインテーマと言える「星、そして命の循環」。
既に何度か見たテーマではあるが、考え方は悪くないと思う。
個人的にはしっくりくる価値観だ。
が、この考えで行くには、「やり過ぎた人類は容赦なく淘汰する」ことも
きちんと意識しておかねばならない。
現状のやりたい放題の地球人など滅べという考え方だと言ってもいい。
ま、現実にゃ星に意志なんてないからね。やりたい放題の末に滅ぶでしょう。


キャラ。
さぁ、やっとこのゲームを褒める箇所が出てきましたよ。
主人公アイシャ、素晴らしかった。
非常に、非常に色っぽい。最高。こんなに色気のあるゲームキャラは久々だった。
イラストではそうでもないんだが、ゲーム中の一枚絵とムービーでは
乳や腿が眩し過ぎる。文句のつけようもなく最高だった。
惜しむらくは、(ゲーム中で)全身を見られるシーンがなかなか無かったこと。
もっと足を見たかった。いやホントに。
誰か知らんが、ゲーム中のキャラCGを起こした人は神。
性格や言動は、普通に真っ直ぐな主人公キャラってとこ。
そんな彼女を慕って多くの仲間が集うのであった。

フラフラ行ったり来たりする生真面目男ダンはネタ的に面白かった。
敵王に誘拐された挙句レープされるという辛い過去を持つものの
凛々しい態度でアイシャとはまた違った魅力のあるマルティ、
一般的にはこっちの方が人気ありそう。植田声だし。
ショタ担当のエミュ、最後まで性別が判然としなかった。
敵王のハーレムに誘われてたから女? 奴が両刀だっただけ?
最終加入のジーカウェンは、出撃可能人数の関係で一度も使わなかった。

キャラもストーリーと同じく、良くも悪くもないという印象。
アイシャの色気だけが飛び抜けていた。
このゲームがもう少し人気あれば、漫画・アニメといった展開を望めたことだろう。
そんな未来を妄想する。


ふぅ。
XBOX360の「ブルードラゴン」「ロストオデッセイ」そしてこASH、
この3本を、個人的にヒゲ復活三部作と名付けている。
あの人は本物なのか、現役なのか、それを見極めるべき3作だ、と。
ブルドラはプレーした。極めてフツーなゲームだった。
で、ASHは…………………………だった。
残るはロストオデッセイだが、今んとこプレー予定はない。
でも、そう大きく俺様評を覆してくれることはないであろう。

残念ながら、俺は今の坂口氏を認めるわけにはいかないようだ。
元々値崩れだから買ったってだけで、思い入れがあるわけではないんだけどね。
アイシャの絵も担当したってんなら差し引きゼロだったんだけどね。
徹底的にオナった以上、合わなきゃフルボコは当然でしょ。
まぁお互い違う道を行きましょう。お達者で。
って、何を対等な立場のように行ってんだ。
あっちは大クリエイター様だぞ。偉いんだぞ。
チッ。


あーそうそうもう一つ。
このゲーム、任天堂のゲームなんだよね。
任天堂の目があれば、この出来で出すのはまずいなんてことは
すぐに分かるはずだ。分からない方がおかしい。
一切口を出さないという契約をヒゲさんと交わしていたのかもしれない。
外部の大クリエイター様の作品にダメ出しなんて出来なかったのかもしれない。
が、そんな事情は俺にゃ全く関係ない。
任天堂が平然とこのゲームを発売したことにも失望した。
「捨てゲー」って言うんかな。このゲームに対する愛はないだろ、任天堂。
そら御社はゲームいっぱい出してるもんね。総数では糞売れてるもんね。
この程度の「やらかし」じゃ何の影響もないもんね。
へへ。
はぁ。


疲れたわ。
ゲームも楽じゃない。






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