腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ゼルダの伝説 夢幻の砂時計

2009年10月10日 01時45分09秒 | ニンテンドーDSゲーム感想文
最初に軽くネタバレしておくと、今作におけるゼルダ姫ことテトラ、
オープニングからエンディングまで、一切何もしません。
OPで囚われの身となり、EDで救出される。それだけ。マジそれだけ。
これで一体何を伝説として語り継げばいいのでしょうか。教えてください宮本さん。
もしかしたらゼルダ姫はリンクの活躍を上手く脚色し、全部自分の手柄のように触れ回ってるんじゃなかろうか。
時オカやトワプリの可憐で美人なゼルダ姫がそんな薄汚い事をしていると妄想すると
ちょっと萌えるものがあるんで、それはそれでいいかもしれない。
はぁ。


比類なき「マリオ」シリーズと並び、歴代のどの任天堂ハードでも発売されている、
任天堂の大黒柱の一本である「ゼルダの伝説」シリーズ。
……が、正直な所、売り上げ・知名度共に、マリオシリーズの足元にも及ばないと思う。
もちろんそんじょそこらのゲームとは格が違うが、マリオやポケモンと比べると、
一歩も二歩も劣ることは否めない。
実際、最高条件下で発売されたこの「夢幻の砂時計」も、100万本は達成できなかったようだし。
謎解きに関しちゃガチガチなゲームだから、意外と人を選ぶシリーズなんだろうか。
まぁ個人的にはこの「間違いなく一流なのに漂う二流感」も好きなシリーズなのだが。


さて、夢幻の砂時計。
あらゆる任天堂ハードで発売されているシリーズなんだから、DSで発売されるのも当たり前。
ましてハードに新機能溢れるDSである。謎解きやギミックのアイデアは溢れるほどあるだろう。
その意味ではマリオよりもポケモンよりも、ハードには合っていると思う。
……それ故に開発に時間がかかったのか、発売は割と遅く、今から2年ちょい前の2007年6月。
当時からやりたいタイトルではあったが、例によって値崩れで最近購入した。
クラブニンテンドーポイント登録期限が過ぎた途端、値段が一段階下がったんよね。
ったく現金つーかケチっつーか。お前が言うな。


ゲームは、シリーズでは珍しく「風のタクト」の完全続編となっている。
「ムジュラの仮面」でさえパラレルっぽい表現がされていたが、こちらはキッチリ繋がっているようだ。
風タク後、リンクはテトラ一味と共に航海に出ていた。
ちなみにテトラ=ゼルダだと説明書にも書いてある。
スマブラでシーク=ゼルダという正気を疑うネタバレを披露してから、任天堂ちょっと変な方向で開き直ったんかな?
今作においてゼルダ姫の存在意義は一切ないんだし、別に正体明かさなくても良かったと思うんだが。

んで航海の途中、謎の幽霊船に遭遇し、テトラが攫われてしまう。
助けようとしたリンクは海に落ちてしまい、近くの町に漂着する。
そこで知り合った妖精シエラや船乗りラインバックと共に、リンクは幽霊船を探す旅を始める。
やがて幽霊船の謎と真の敵の正体が明らかになり……!!

ま、気にするようなもんではないな。物語はオマケ程度。
キャラは、可愛いマスコット妖精シエラに小悪党感溢れるラインバックなど、コミカルで楽しい。
ただ、風タクに登場したリンクの妹「アリル」が登場しなかったのが不満。超絶不満。
風タクと言えば妹ゲーだろ! 正直ゲーム自体は好ましい出来ではないが、妹の登場だけは雄叫び挙げて喝采したぞ。
「とうとう任天堂も分かってくれたか!」と。実際、猫目の妹超萌えだったし。妹なんだよ。理屈じゃねンだよ。
んで風タク最初のイベントが、攫われた妹の救出なんだよな。もう最初からラスボス戦並に燃えたよ。妹。
つーか俺の風タクは妹を救出した時点で終わっていたのかもしれないな。その後出番無かったし。妹。
これ以上語ると歯止めが利かなくなりそうなんでここまで。妹。

リアル路線の時オカやトワプリと違い、風タクを引き継いで軽いノリのゼルダなので、まぁあまり肩肘はらずプレーするのが正解だろう。
……このゲームをクリアーして、ラスボスの名前を覚えている人が何人いるのかなぁ……。


操作システムは、ずばりタッチスクリーン一択。
補助的にボタンを使うことはあれど、基本的にはメッセージ送りですらタッチパネルを使わせる。
まぁ確かに面白さもあるが、「意地でもボタンを使わせない」という、手段と目的が入れ替わった、
DSにありがちな歪んだ信念も感じる。普通に兼用させてくれればええやんと思うんだが。
リンクの移動、剣アクション、ブーメランや爆弾の使用、全てをタッチペンで行う。
面倒臭そうに思うが、実際やってみるとそんな事はない。補助でボタン使いたいとは思うけど。
タッチパネルに合わせた簡略化やインターフェースがきちんと作られており、違和感はない。
この辺はさすがと言うべきだろう。

ただ、所詮はタッチパネル、細やかな操作は望めない。
剣アクションは敵を突いたり軽くスライドするだけで、華麗でテクニカルなプレーはまず無理。
時オカ以降格段に高まったアクション性が、今作では一気に逆戻りした感じだ。
もちろん狙っての簡略化なのだろうが、個人的には寂しいと思う。
そもそも2007年なんて時期には、もう「タッチパネルでの移動やアクション」なんて
新鮮でもなんでもない。寧ろDSではそっちの方が主流なのではなかろうか。
確かによく練られているし、作り込まれているが、今までのスタイルを捨ててまで優先させた
「新鮮さ」は残念ながら感じられなかった。2年前にプレーしても同じだったと思う。
ブーメランや弓矢の使い方も、別に驚くほどのものでもなかった。
このゲーム、単純にもっともっと早く発売すべきだったと思う。
DS初期に間に合っていれば、脳トレ等と絡んで大爆発したかもしれない。とか思った。


簡略化した上、あまり精密な動きを要求できない操作性。
そしてDSという、ゲーム業界史上でも稀なほど一般層に溶け込んだハードでの発売。
これらの事情を考慮してか、今作は難度がかなり低く抑えられている。プレーしてみれば明らかだ。
謎解き、戦闘、どちらでもだ。

戦闘は本当に簡単。退屈でつまらんと言った方がいいかもしれない。
雑魚的は攻撃らしい攻撃を殆どしてこない上、被ダメージも小さい。
回復用のハートが非常に多く得られるので、ピンチになる事も少ない。
要所要所で発生する強制戦闘も、それらの雑魚が複数出現するだけで、何の脅威でもない。
たまに登場する盾持ちの中ボス的雑魚(攻撃をガードする)が、唯一歯応えを感じられた。少しだけだが。
この感覚は、去年プレーした忌まわしき糞退屈ゲー「サモンナイト ツインエイジ」を思い出させる。
ゼルダでさえこんなのなんだから、タッチペンでの剣アクションは鬼門だと思う。
新しいデバイスだからって新鮮さを採用することが、本当に正しいんだろうか。
それでつまんなくなったら本末転倒ではなかろうか。

ボス戦も、ラスボス含めてかなり簡単。
つってもさすがに雑魚戦ほど楽ではなく、程よい苦戦を与えてくれる。
倒し方の発見から倒すまでの過程でどの程度苦戦するか、製作者が想定した上できちんと調整されている事が分かる。
簡単ではあるが楽ではない。まぁアリだと思う。

ただ、DSだから仕方ないかもしれないが、ボスの迫力がかなり落ちていたのが残念だ。
3D化した時オカ以降、ゼルダのボスの多くは巨大で、謎解きの絡んだ凝った攻撃を仕掛けてくるようになった。
巨大なボスと頭を捻って戦うその様はまるで漫画やアニメのようで、「イベント戦闘」として秀逸だったと思う。
決して強い敵ではなく、難しいわけでもないが、燃える戦闘だった。
ボス=強い=コンティニューしまくり前提 という調整しか出来ない他メーカーにも見習ってもらいたいもんである。
まぁそれはそれで大好きだが。

しかし今回はDS、単純に画面的に迫力不足であることは否めない。
2画面を利用した画期的なギミックもあったが、迫力不足をカバーするほどではなかった。
せめてもう少し歯応えがあればと思ったが、それじゃ今作の調整から外れてしまうもんなぁ。
ボスが悪い意味で軽くなってしまっていた。仕方ない、のかなぁ。


そして謎解きも、戦闘と同じく明らかに難度が下がっている。
ゼルダと言えば謎解き、それも解けないからと言って絶対にヒントをくれたりはしない硬派さが売りだ。
今作もその路線は引き継いではいるが、謎の難度を下げたことにより、そもそも詰まることが殆どなくなった。
俺の愛する、比類なき「あっ!」は、今回楽しめなかった。
戦闘と同じく、意図して易しめに調整したことは分かる。
硬派な謎解きが、ゼルダのプレーヤー層をある程度限定してしまっていたことも分かる。
けどやはり、残念である。「あっ!」が足りない。全然足りないよ。
はぁ。

難度は低いが、仕掛けはDSの機能を駆使し、様々なものが用意されている。
ここがこのゲーム最大の売りだと思う。
特に大きな特長として、メモ機能がある。名の通り、マップ画面に直接メモ書きが出来るのである。
これにより謎の解き方をメモし、後で役立てるというやり方が可能となった。
まぁ紙にやっていたことを画面に替えただけだが、臨場感は段違いに上がったと思う。
他、マイク機能や、もちろんアイテムを使った仕掛けも、どれも凝っていた。
難度の低さはともかく、アイデアは豊富だった。半分だけ満足だ。
特に「DSを閉じる」ことさえ利用してたのは非常に面白かった。驚きつつ笑った。
あのネタを使ってるゲームは他にないのではなかろうか。


シリーズ恒例なのに、今作で削られた、敢えて削ったであろう要素も幾つかある。
ゼルダのお約束である財布の成長やハートの欠片集めも今回は存在しない。
まぁ例によって簡略化の一環だと思われる。入れられない要素ではないだろうし。
ただ個人的に残念だったのが、初代からの伝統である、
ダンジョンでの「マップとコンパス入手」まで削除していたことだ。

今作では最初から完全なダンジョンマップが表示され、配置されている仕掛けもある程度見えている。
システム上こうした方が良いと判断したからなのだろうが、何とも残念な変更だった。
大体、未知のダンジョンのマップが最初から完全に分かってるなんて、どう考えてもおかしいだろ。突っ込んじゃいかんのかもしれないが。
んで海図は逆の意味で変だ。なんで隣り合った海のマップが、ダンジョンの奥深くに封印されてんだよ。
それくらい知ってろよラインバック。お前何年海の男やってんだよ。そらジョリーンも去るわ。
はぁ。


色々不満はあるものの、ダンジョン部分は概ね面白かった。
反面、概ねつまらなかったのが、移動、船の操作である。
だだっ広い海をいちいち移動する行為の、どこを楽しめばいいのか。
一度や二度のイベントならともかく、何処へ行くにもしなければならないのに。
この点は明らかに風タクの悪い部分を引き継いでいる。まぁあれほど酷くはないけど。
風タクの海上移動は、俺の中のゼルダブランドを崩壊させかけたほどつまらなさだったからなぁ……。

それでもただ移動するだけなら余所見してればいいんだが、糞面倒なことに海上でも雑魚が出現し、
また船の耐久力はリンクほど高くないので、ボサッとしてるとすぐゲームオーバーになってしまう。
かと言って雑魚戦が面白いわけでもない。当てにくい大砲を只管連射するだけ。芸がないったらありゃしない。
風タクを引き継いだ世界として、海、そして船での移動が重要である事は分かる。
でもそれなら何故、もっと面白いように作らなかったのか。
製作者がこの移動システムを面白いと思っているのなら、俺とは感性が違いすぎる。
……まぁ、面白いと思ってるんだろうけど。

船は流行なのかパーツの着せ替え要素があるが、入手できるパーツの種類がバラバラな上、
変更できる場所が最初の町だけなので、これまたちっとも楽しくない。
あの船をデコって楽しんだプレーヤーはいるんだろうか。全くセンスが合わない。

船移動はつまらんしカッタルイが、船上ミニゲームの「サルベージ」はそこそこ面白い。
絶賛するほどじゃないが、手軽なミニゲームとして楽しめる。
だが入手できる宝がしょーもない船のパーツばかりなので、これも頑張る気にはなれない。
ホント、陸の部分と海の部分でどうしてここまで完成度に差があるのか不思議でならない。
陸の調整能力があれば、海ももっともっと面白く出来たはずなんだけどなぁ……?


グラフィックは並か。DSで風タクの絵を上手く再現しているとは思う。
風タク独特のエフェクトなど、高度な表現まではさすがに出来なかったようだが。
実の所風タクのアニメ風グラフィックは評判が悪く、それがトワプリの製作に繋がった(はず)んだが、
DSでならリアル系よりこの画風の方が合っていると思う。今更ドット絵は難しいだろうし。
風タク当時にそこまで考えていたはずはないが、その意味でこのリンクにもきちんと存在価値はあったということだ。
……アリルがいれば+50点してもいいのに。


音楽、これはゲーム性と真逆で、陸がダメで海が良い。海上移動やサルベージのテーマなどは、
ここ数日頭の中で何度も流れ続けたくせになる曲だった。
だが陸の曲は総じて地味で、冒険心も恐怖も勇気も萌えも何も煽られない。
トワプリのメインテーマは最高にカッコ良かったなぁ……。

一部イベントシーンで旧作の曲が流れたり、ナビィコンパチの妖精声を聴けるのは嬉しかった。
リンクはシリーズ一貫して掛け声以外一言も喋らないので、狂言回し役として妖精が喋る喋る。
今作もシエラがイベント毎にホントによく喋る。もっと声を聴きたい。水橋声を。
そろそろリンク以外はフルボイスにしてみたらどうかなぁ。
それくらいの肉付けはしてもいいシリーズだと思うんだが。



ンなとこか。
正直、期待してたレベルはもうちょっと高かったんだが、期待ハズレと言うほどでもない。
軽い作風なんだからこれくらいが丁度いいのかもしれんが……な。

初代はリアルタイムでやってないので、衝撃や思い入れはない。
神トラ(無理な略)は普通に面白いと思ったが、そこまでだった。
時オカは計10周くらいした。文句なく面白い傑作だった。
風タクはダメだった。海が最低。あれが40点満点とかファミ通やり過ぎ。
4つ剣+は、実は会話集を自作したほど。それほど面白くはなかったけど。
トワプリは風タクの不満を吹き飛ばす大傑作だった。あまりの完成度にマジびびった。
リンクの冒険は異端ゲーだった。古くて苦痛な面があったが味もあった。
ムジュラの仮面は実験的な作品だが、完成度やボリュームは十分に一流だった。
で、夢幻の砂時計は、まぁ気楽に遊べるゲームだった。

うーん。
このシリーズって、何かコメントが難しいなぁ。
マリオと違い、キャラが独立しているわけではなく、ジャンルはずっと一貫している。
ジャンルどころか主人公まで一貫してるし、ブーメランや爆弾などの「お約束」も異様に多い。
一方で作風や完成度には各作品でバラつきが大きいと思う。
うーん分からん。もう考えないようにしよう。
自分がゼルダファンなのかどうかも分からなくなってきた。
こんだけやっててファンじゃないわけが無いはずなのだが。


で。
呼びもしてねェのにジャストなタイミングで、シリーズ新作が発表された。
その名も「ゼルダの伝説 大地の汽笛」。おおー。
そして機種はまたもDS! てことは猫目を引き継ぐのか? DSでリアル系? ドット絵?
現時点ではタイトルだけで、内容も画面写真も一切公開されていないんで何も分からない。
んー……取り敢えずは期待する、でいいのかなぁ。年末発売だから、勢い買いしてもいいが。

次作も当然ながら、DSの機能を駆使した仕掛けを多数用意しているものと思う。
だが実際の所、そんなものは夢幻の砂時計で、或いは数多ある他のゲームでやり尽くしたのではなかろうか。
今更「DSの機能を活用した斬新な仕掛け」が見られるのだろうか。正直言って疑問である。
しかしそうでなければ新作を発売する意味がない。出す価値があるから、出すんだろう。
まさか営業的理由で押し切るような真似はすまい。その辺、任天堂は信用できる。
つまり「大地の汽笛」は、任天堂が自信を持って送り出す、シリーズに恥じない「ゼルダの伝説」なのだ。
おし。その自信、買った。
発売日買いするかどうかはまだ未定だが、いずれ必ずプレーすることは確約しよう。
今度は腰を据えてじっくり挑める、甘やかさないゼルダを望みたい。
そして俺が最も望むもの、最高の「あっ!」を味わいたい。俺にとってあれこそがゼルダなのだ。

取り敢えずは情報を眺めつつ、発売日を待とう。
気持ちと時間に余裕があれば、発売日から挑んでやるぜ。
……ゼルダシリーズは値崩れしやすいんで、待った方がいいとも思うけどね。
今年もぼちぼち、年末商戦の気配が漂ってきたなぁ……。








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4 コメント

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q (p)
2018-04-05 14:42:11
お前文章の才能ねーなー
不満垂らしてため息吐くだけの文章が面白いのか
ちょっとは建設的な事いえよ
返信する
Unknown (ota)
2018-04-05 21:25:20
>お前文章の才能ねーなー
>不満垂らしてため息吐くだけの文章が面白いのか
才能ないなぁほんま。書いてて面白いかどうかは最近自分でもよう分からんわ。

>ちょっとは建設的な事いえよ
・文章が不快に思ったそこですぐ読むの止めた方がいいよ
・もうここには来ないほうがいいよ
でどうかな。さようなら。
返信する
Unknown (Unknown)
2020-02-03 18:42:10
少し叩かれたくらいで即日返答とか必死すぎて草
返信する
Unknown (ota)
2020-02-05 01:18:37
即日返信がなんで必死? ごめん全然分からん。
返信する

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