昨日の朝日新聞朝刊に「黒板五郎の言葉」という本の広告が出ていました。
黒板五郎・・・倉本聰の名作「北の国から」の父親役です。さだまさしの主題歌をバックに北海道の厳しい生活を純とホタル、二人の子供と生きていく20年のドラマでした。幼い二人が成長する過程に、引き込まれて見たものでした。
倉本聰、好きな脚本家になりました。他のドラマを観、著書を漁り、生きた時代が似たような時代で考えることが共感できました。
広告には倉本さんの思想と、劇中の人物の言葉とが大きく載っています。劇を思い出しながら、再びその言葉に感動します。記録しておきたくなりました。引き写しですがお許しください。
金なんか望むな。
幸せだけを見ろ。
そして謙虚に、
つつましく生きろ。
都会は無駄であふれ、その無駄で喰うひとびとの数が増え、全ては金で買え、
ひとは己のなすべきことまで他人に金を払いそして依頼する。
たわいのない知識と情報が横溢し、
それらを最も多く知る人間がえらい人間だと評価され、
ひとみなそこへあこがれ向かい、
その裏で人類が営々と蓄えてきた生きるための知恵、
創る能力は知らず知らずに退化している。
それが果たして文明なのだろうか。
「北の国から」はここから発想した。 倉本聰
続いて、五郎の言葉がいくつか紹介されています。
★ 夜になったら眠るンです。
★ 人には上下の格なンてない。職業にも格なンてない。
★ 人を許せないなンて傲慢だよな。
★ 疲れたらいつでも帰ってこい。
★ 金がなかったら、――知恵だけが頼りだ。知恵と――自分の――出せるパワーと
★ 小さくやるのさ。ありがとうって言葉の聞こえる範囲でな。
★ お前の汚れは石鹸で落ちる。けど石鹸で落ちない汚れってもンもある。
最初の「夜になったら寝るンです」は初めて三人が富良野につき、電気も、水道もないぼろぼろの小屋を住み家にしようとしている時、純が「電気も来てないのに、夜はどうするのか」と聞く。それに答えた五郎の言葉だと記憶しています。