織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

西丹沢・大室山(Ⅳ・完登)

2008年07月25日 | 西丹沢:大室山
武田信玄も通ったと言われる「犬越峠」からの風景


昔、夢中になっていた「山」に関する過去の雑記、メモを整理しながら記載しております。
お茶など出ませんが、同じ趣味、興味のある方は立寄って御覧ください。
現在と比較しながら眺めるのも一興でしょう・・。


西丹沢・大室山(Ⅳ・完登)


山頂⇒犬越路⇒箒沢

犬越路に向かってガクンガクンと急坂を下りる。
暫くするとダラダラの道となり身の丈以上の熊笹が行く手を遮るようだ・・、両腕でラッセルよろしく掻き分けながらの行進になる。
途中、見通しの良い所へ出ると、日没前の「富士山」のシルエットが美しく冴えていて、明日の天気を約束しているようである・・。 一方を振り返ると、これまた「桧洞丸」の雄大な姿が、夕日に照らされてデンと座っている、日没も近そうだ・・。

先を急ごう・・、間もなく犬越峠に達する、以外と瘠せたコル(鞍部)であった。
当りは既に薄暗くなってきていて、北方、道志川沿いの村落の灯が点々と伺える程である。

inukosi

一服した後、用意してきた懐中電灯を取り出して足下を照らす、すっかりこのような時間帯になった・・。

月明かりも無い、ほぼ真っ暗闇の急坂を下る・・、
通常の場合、山歩きには登りと下りの両方あるもので、登りは比較的安全であるが降りるときに以外と危険が潜んでいるものである。 歩行中に滑ったり、捻ったりして怪我するのは大抵は下りが多いのである・・。
電灯片手に、急な坂を下りるのは充分に気を配らねばならないのである・・。

足音以外に何も聞こえない静寂の中、耳を澄ますと微かに沢音らしいのが聞こえてくる、
この渓流音が次第に大きくなったところで沢筋に達した。
「用木沢」の出合いであった、夜中の沢歩きは勿論始めてである。 
沢筋の道は、沢沿いと言うより河原と言った雰囲気の広い谷の緩い下りである。 昼間なら何ともない所だろうが夜間は見にくい、足下の灯りだけを頼りに見え隠れする沢道を、度々間違えては後戻しながら進む・・。
いやはや、こんなに苦労するとは思わなかった。
 
やっとのことで、今朝方進入した大きな「白石沢」の合流点の到達した。
林道を下っていると、途中5,6人の地元らしい人達と出会った・・、 もしかしたら我等の捜索・・?、と一時疑問をもったがそうではなかったらしい。

「もしかしたら、テントの人たちかい・・?」
「はい、そうです・・」 
「管理人のおばさんが心配してたよ・・!!」 
「どうも、すいません・・」 

二言、三言、会話を交わして分かれた。
箒沢のテント場に着いた頃は、すっかり夜も更けていた。 
テントを撤収し、山小屋のおばさんにそれなりの礼を言って、更に、中川温泉まで徒歩で下る。 
テントや各種部材が満載され、重量が一段と増したキスリングが容赦なく肩に食い込む。

本来、明日が休日ならこの温泉でユッタリしたいところだが、そこは勤め人の辛さ、バス便も無くなったので余計なお宝を払ってタクシーで山を降りた・・。
自宅へ戻った頃は、既に今日の0時を回っていた。 
いやはやとんだ山旅であった・・。  【終り】


次回は、「丹沢山迷記」を投稿の予定です。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿