織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

上高地―槍―穂高縦走(2)

2009年06月07日 | 上高地
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【上高地―槍―穂高縦走】(2)

上高地からマラソンコースの槍ヶ岳へ・・、

「上高地」から始まる槍ヶ岳方面のコースは、ここが実質的な登山口となる。
明神、徳沢園から横尾までの凡そ10kmの平坦歩程が実に長く、重荷を肩にしているため余計に実感する。
3時間かけて、どうやら横尾山荘の前に着く。 大きな河原に「涸沢」方面の橋が架かる。 明神まで1時間、徳沢まで2時間と区切りはいいが・・。


写真:涸沢と槍沢の分岐・横尾付近(正面は屏風岩)


横尾からは本格的登山道である。 なにかスッキリした気持ちで改めて山に入る・・といった感じである。 
槍沢方面へ平坦な道をしばらく進む、この辺り「槍見河原」と称しているが、生憎、槍は雲の中に隠れている、上空は青空なのに・・!。
間もなく一ノ俣の出合に着く。 一ノ俣というが二股で、右が常念方面である。
次に、大きな沢の「二の俣」の出合の橋を渡る。 この辺りからボツボツ勾配もきつくなり、梓川の河原もここまで来るとさすがに細くなっている。 尤も、今は梓川でなく「槍沢」であるが。 



写真:槍沢


その槍沢ロッジで小休止、それにしても1時間毎に小屋があり、小屋銀座とまでは言わないが、実は有り難いのである・・!。
谷筋がいよいよ狭くなってきた、右手のカブト岩や赤沢山の出っ張り、左に横尾の尾根が真近に迫り、迫力満点。 
岩小屋を過ぎる辺りから路面も悪路になってきてゴロ石が混ざるようになり、歩き難い。 キスリングの重荷も肩に食い込むようになり、足取りも重くなる。 しかし、まだまだと気合を入れながら前進、又、前身・・!。

ババ平と言うサッパリしたところが有る、休憩適地であるが、ジジ平はあるのだろうか・・?、などと言って笑い合う。 
樹木も低くなりダケカンバ、ナナカマドが多くなる。 
暫く直登が続いた後、道は出っ張りを巻くように大きく左へ曲がっていて、その名も「大曲」といわれる所である。
氷河公園、天狗池とかいう二股に来た、氷河期に氷河が削り取った跡で広やかなところらしく、槍沢もそうであろうが、この辺りでは「涸沢」が代表的である。 槍見のスポットとして有名なところでもある。 
しかし、我等もそうだが皆さん、そちらへ向かう人は殆どなく、ひたすら槍を目指していた。


写真:標高2500付近から槍沢と槍ヶ岳 


この辺りへ来ると勾配、傾斜も相当なもので、それに比例して体力の消耗も一段と感じられる。 
両腕を腰に据えて、一歩、また一歩と、息使いも深く一息吸っては二息で吐き出すのを繰り返す。 体調と会話をしながら、宥めながら歩を進める。
高度もだいぶ上がっているようで、周囲の山々も目の位置に見えている。 樹木はすっかり影を潜め、ハイマツと高山植物がおりなす広大な庭園を形成していて、実に気持ちのいいとこだ。 
岩小屋あたりから、残雪、雪渓を時折踏むようになる。

もうすっかりヘロヘロである、余りの消耗にがっくりとしゃがみ込む。 悔しいけど相棒はまだ元気なようである。 
時折、ガスの切れ間に稜線や槍の姿がかいま見える、相棒と相談して、先行して槍小屋の受付を済ますようにお願いすると、快く引き受けてくれた。

彼は先行した・・、
以降小生は単独行になった・・、マラソンでいうなら35km付近で脱落したようなものである。 些か心細いが気楽な面もある、後はマイペースでジワジワ前進するのみである。 さっぱりした気持ちが幸いしてか、はた又、吹っ切れたのか意外と歩が進む。
彼より15分ほど遅れて待望の槍小屋、否、「槍ヶ岳山荘」に到着した。 

いやはや上高地から相当なる長道中であり、正直、体はボロボロで、余力は0(ぜろ)であった・・!!。 
翌朝、あの3000mの稜線越えをするのかと思うと、いささか不安な気持ちも無いではないが・・、ママよ明日は明日だと気を取り直して、本日のお休みとなった。

続く・・。


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